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転生〜後編〜

「まぁ、気を取り直してください! 楽しい異世界生活があなたを待ってますよ! お金はあなたの所持金を異世界のお金に換金して持たせてあげます。この世界の単位はグランで、1円=1グランです。異世界の人の言葉は全てあなたには日本語に聞こえるようになってますので、心配無用です。最後にひとつだけ、異世界でのあなたの名前を決めてください。一度決めたら、変え直すことはできません。七文字以内でお願いします」

 名前か。うーん。面倒くさいから、ケイでいいや。

「じゃあ、ケイで」

 俺は躊躇いなく答える。

「了解しました。案外あっさり決まりましたね。悩まれる方が多いと聞きましたので......」

 まぁ他の人は悩むだろう。自分の名前だし。

「あ、最後って言ったのにまだありました。これを渡します」

 アルテミスがそういうと、俺の左腕が光を放つ。三秒ほどで光は消え、俺の手には小型のタブレットのようなものが身につけられていた。

「なぁにこれぇ」

「これは、Another World Adventure Tablet Device(アナザーワールドアドベンチャータブレットデバイス・異世界冒険タブレットデバイス)といい、通称アナタブです。あなたの異世界での冒険を支えてくれます。スキルの習得とか自分のレベルとか経験値とかを確認できる物です」

「おお、そりゃ助かる。ところでこれ、何のエネルギーで動いてるの?」

「装着者のマナです。マナ、というのは簡単に言うと体の中のエネルギーです。魔法を使ったりとかに使います。まぁ使うマナの量は少量ですし、充電式なので一度マナをチャージしておけば基本的にマナを使いません。電源を入れてみてください。多少マナが吸われますが、大丈夫だと思います。電源を入れる、と念じればつきます。」

 だいぶ異世界らしくなってきたな。俺は期待を馳せながら電源を入れてみる。

 ほんの少しだけ力が抜けた気がした。

 充電は100%になっている。俺のマナがこのタブレット、アナタブとかいうのに吸われたんだろう。

 メニュー画面になっていろいろアプリ出ているが、まだアプリは起動しないでいいだろう。

「これで異世界転生の準備が出来ました。始まりの町、クレセントシティに転送されます。そこにあるギルドに行ってください。聞きたいことがあったら私に心の中で尋ねてください。そうすれば戦闘以外の大体のことは脳に直接語りかけて教えてあげられますよ。心の準備はいいですか?」

 俺は深く深呼吸をする。そして

「ああ、構わない」

 そう返事する。すると、俺の足もとに魔法陣が浮かび上がる。

「では、いってらっしゃいませ。楽しい異世界生活を祈ります!」

 足もとの魔法陣が光を放つ。目の前が光で何も見えなくなる。ついに始まるんだ、俺の新たなる人生が。

 そして、異世界を魔王アレウスの手から救ってみせる!


 目の前の眩い光が、消える。目の前には人だかりが。左腕のアナタブが光っている。

[新しいマップデータを習得しました。-始まりの町 クレセントシティ-]

読んでくれてありがとうございます!

いよいよ異世界冒険の始まりです!

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