二対一
テルスから、スタイルチェンジの力を授かったケイ。
これが、俺の真の力、スタイルチェンジ。
体の底から力が湧いてくる気がした。
....やれる。これなら。
「行くぜ!」
サキに接近する。
「っ、早いっ」
後ろに回り込む。
「たあっ!」
「くっ....」
アイスソードで後ろから切りかかるが、なんとかサキがツインソードで止める。
だが、力ではこちらが勝っている。そのまま押し込む。
ツインソードを弾くことが出来た。
「なっ....」
さらに切り込む。
確実に、ダメージが入っている。
「はぁぁぁぁぁあ!」
力を込めたアイスソードが、水色に輝く。
冷たくも美しい、氷の輝き。
「終わりにするっ!」
一閃。
強烈な、一撃。
「なっ....体がっ....」
サキの体が、徐々に凍っていく。
が、すぐに氷は溶けた。
同時に、元の体に戻ってしまった。
「えっ....あっ....終わり....?」
「はあっ......はあっ......参った、私の負け。カイエンジが貴方を仲間にした理由、わかった気がする」
「はあっ、じゃあ、俺の勝ち、っすか。や、やった....ぜ....」
あれっ....なんだか....凄く....眠い......
俺はそのまま、バタリと倒れてしまった。
「自らの力に、体が追いついてないのか....ふっ、やっぱりまだ未熟」
一方その頃、比較的街に近めの草原で。
「さーて、お前らがどのくらい強くなったか、見せてもらおうか。[アジャスト]」
「いくら多少のレベル差があったって、舐められたら困るんだよ、カイエンジ。それに、二体一だ。やるぞラージェ」
「準備はいいぜ、アル。僕のパルチザンと」
「俺のデスサイザーの前に」
「「ひれ伏すがいいさ!行くぞ![アジャスト]!」」
「でぁぁぁぁぁ!」
「「おりゃぁぁぁぁ!」」
ラージェのパルチザンとカイエンジのフレイムソードが音を立て、ぶつかり合う。
さらに後ろから、アルがデスサイザーで斬りかかる。
「遅いっ!」
「くっ!」
デスサイザーは大剣同様、振り下ろす際に隙が出る。
大型の武器は当然威力が強い。威力以外に、特殊な能力がある武器もある。
そのままアル、ラージェからひとまず距離を取る。
「こいつは切るだけじゃねぇんだよっ!くらえ、[ヘルスライサー]!」
アルが大きくデスサイザーを振りかぶったと思うと、そこから紫の衝撃波が飛び出す。
「[シールド]だ!」
カイエンジがシールドな魔法で防ぐ、が、何故か紫の衝撃波がすり抜ける。さらに、全く痛くもない。
「あっ、あれ?」
「そいつはダメージを与える技じゃねぇ!HPではなく、貴様のMPを削り取る技だ!さらにこいつは防御系魔法を貫通する!」
「なっ....!」
カイエンジがアナタブを確認する。75あったMPが、54にまで減っている。シールド一回だけで減る量ではない。
「そらぁっ!」
「行くぞっ!」
ラージェがパルチザンで上毛を仕掛け、さらに横からアルがデスサイザーで斬りかかる。
「[シールド]っ!」
二つの攻撃がシールドによって弾かれる。
「ちいっ!」
「流石に防がれるよな」
「[スピーダー]」
このままMPを削られるよりは、バンバン使った方がいい。
速度を上げ、素早く攻撃をかける。
フレイムソードでアルに斬りかかる
「おりゃっ!」
「ちっ、ぐわぁっ!」
アルがデスサイザーで受け止めようとするが、間に合わずにダメージを喰らう。
「そこっ!」
ラージェがさらにパルチザンで斬りかかる。
「甘いぜ」
それを回避、そのまま横に移動し、攻撃。
「こっちも簡単に行かないよ」
それをパルチザンで受け止める。
「そりゃっ!」
「うおっ、二人同時相手っつーのも少々キツイなっ」
「はーっ![ヘルスライサー]っ!」
紫の衝撃波。かわしきれない。
「ちいっ!」
「いや僕まで巻き添え!別に魔法そんなに使わないからいいけどっ!」
残りMP、22....まだ行ける。
今回もありがとうございました。
次回もよろしくお願いします。




