はじめてのクエスト。
「さて、そろそろ暗くなってきた。宿に行くか」
「そうだな」
宿に着く。
軽い食事をとり、ベッドに向かう。
(この世界では食事はそんなに取らなくても平気らしい)
もうここの世界に来て2日が経った。
たった2日。
だが、この世界を揺るがす者が目覚めようとしている......
零......お前は今どうしているんだ。
楓は寂しがってないだろうか。
お前ら......
生きてた頃の友人たちのことを思う。
泣きそうになる。
だが、そんな甘いことは許されない。
俺はまだ、この世界でやることがある。
アルテミスから任された使命が。
そんな事を思いながら、いつの間にか眠りに落ちていた。
朝になる。
俺はベッドの上から起きる。
隣ではカイエンジが身支度をしていた。
「お、起きたか。今起こそうと思ってたところだ」
昨日の夜は変な夢を見た。
黒い仮面に、白い鎧を身につけた男。
何も言わず、こちらを見つめている。
そんな夢だった。
「おはよう、カイエンジ。いやぁ、昨日変な夢見ちゃってさ。あんまり目覚めが良くない....」
「夢?まぁそんな時もあるさ。もしかしたら、予知夢かもしれないな」
おいおい、あんな強そうなのとこの先出会うのか?
勝てる気がしねぇ......
まぁ、そんなことよりも今は目の前の敵だ。
ベルセルクを倒す為、今日も1日頑張るか。
身支度を終え、俺たちは宿を出た。
「ケイ、今日はクエストをやってみないか?ギルドに行って依頼を受け、達成して報告する。そうすれば、経験値と報酬金が貰える。俺たちのレベルならもうクエストを受けられる」
「そうだな、ギルドに行こう」
俺たちはギルドに向かった。
5分ほどで着いた。
「クエストを受けたいんですが」
俺は受付のおねーさんに言う。
「はい、クエストですね。現在の依頼はこちらになります」
依頼が書かれているボードを見せられる。
「ケイ、これなんかどうだ」
・ゴブリン討伐依頼
ゴブリンを8体倒してください。
報酬金 250G 経験値 450
「まぁいいんじゃないかな。じゃあ、これで」
「了解しました。では、お願いしますね」
クエスト開始。
俺たちは草むらに向かった。
「さーて、頑張るとするかな。」
「相手がゴブリンとはいえ、油断するなよ」
草むらを歩く。
......
敵が現れた!
スライムとゴブリン。
「出たな! おりゃっ!」
俺は腰からマルチライフルを両手に構え、2体目掛けて撃つ。
バキュンバキュン!
緑色のエネルギー弾が勢いよく放たれる。
命中。
敵は2体とも消滅した。
戦闘に勝利した。
「この武器もだいぶ慣れてきたな。よし、次に行こう」
草むらを引き続き歩く。
......
敵が現れた!
4体のゴブリン。
珍しく群れだ。チャンス!
ここで俺、新たなる戦い方を閃く。
このチェーンと剣を繋げて振り回せば、敵を一掃できるのでは?
本来モーニングスターが繋がってるはずチェーンのジョイント部分とアイスソードの持ち手部分を繋ぐ。サイズぴったりで固定された。
「カイエンジ、下がってろ。俺が決める」
カイエンジが後ろに下がる。
剣のついたチェーンが地面にジャラジャラと落ちる。
おれはきあいを込め、剣のついたチェーンの持ち手を構える。
そのまま力を込め、大きく横に薙ぎ払う。
「はぁぁぁぁあっ!」
ズバッ! ズバッ! ズバッ! ズバッ!
一気にゴブリンの体を切り裂いた。
「うぉっ、危ねぇ」
勢い余ってカイエンジにも当たりそうになった。
戦闘に勝利した。
俺はレベルが上がった!
「よし。これで5体だな。レベルも10になった」
「すごいじゃないか、よくあんなことが出来るな」
「あれ結構腕に負担が掛かるな。使うのはさっきみたいな群れが出た時とか、どうしようもない時ぐらいにしておこう」
ここで、俺はスキルカードを確認してみる。
なんか魔法でも覚えておこうかな。
ロックオン 消費MP 4
少しの間、敵に自分の攻撃の命中率がかなり上がる。
ほう、マルチライフルに役立つだろう。
俺はロックオンを習得した。
さて、次の戦闘へ行こう。
今回も読んでくれてありがとうございました!
今後もよろしくお願いします。




