新たなる装備
道具屋に向かったケイ達。
「いらっしゃい」
「包帯を6個、薬草9個。それと、聖水を8個」
「了解。3480グランだ」
「はいよ」「また来いよー」
まず道具屋で道具を揃えた。聖水はMPを回復するのに使える。包帯は外傷を治すため、薬草はHPを回復するため。
次は防具屋だ。
俺はとりあえず、手頃な装備を探してみる。
皮の鎧じゃあさっきみたいにスパッと切られそうだし......
鉄の鎧じゃあ動きが遅くなるし......
「軽くて丈夫な防具ってないですか?」
「んー、じゃあこれとかどうかな。旅の鎧」
見ると肩や膝などの各部に鉄のガードが付いていて、背中にはマントも付いている。
鎧と言うには微妙だが、確かにこれなら身軽に動けるだろうし、さっきみたいなことも無くなるだろう。
「これにする」
「2100グランだ。マントの色変えられるけど、どうする?」
「うーん、じゃあ黒で」
「了解」
店主が奥から黒色のマントを取り出し、旅の鎧につける。
「ありがとなー」
俺はカイエンジに話しかける。
「カイエンジ、俺ちょっと武器屋行ってくる。終わったら、武器屋の前まで来てくれ」
「分かった」
俺は早速旅の鎧を装備し、防具屋を後にした。武器屋へ向かう。
「おう、カイエンジのツレか。いらっしゃい」
武器が剣一個だけだと片手が余る。盾とかでもいいんだが、どうせなら冒険者の特権を活かすのがいいだろう。冒険者はだいたいの武器は制限なく使える。もう一つ、何か武器が欲しいところだ。
「なんか手頃な安い武器ないですか? できれば剣とか銃とかで」
「まぁ、あるにはあるが。これ」
出されたのは、白色でちょっと大きめの二丁拳銃。
「マルチライフルだ。二丁拳銃。片方の銃をもう片方の銃の後ろに差し込むと、狙撃銃としても使える」
「おお、便利じゃないですか」
「だがな、欠点が多いんだよ。まず、どっちも中途半端。狙撃銃としてもスコープの精度が低いし、2丁拳銃としては大きいからかさばる。さらにマナ消費が多い。銃器はマナをエネルギー弾にして撃つんだが、こいつはマナの燃費が悪くてな......こいつのスコープは取り外し出来ないから、市販のもつけられないし......」
「別に使えないわけじゃないんでしょ?」
「まぁ、そうだけどさ。どうだい?3000グランだけど」
「んー、まぁまぁ高いな。まぁそれでいいや。買うよ」
「毎度あり」
「あとこれを腰に付けるホルスターみたいなのないですか?」
「確か専用のがあったはず......ちょっとこっち来てみな」
俺は店主と共に店の奥に入る。
店の奥には大量の段ボール箱が。
ガラクタ入れみたいな物もある。
ちょっと見てみるか。
俺はガラクタ箱を漁る。
ふと、気になったものが。
持ち手のついた鎖。
先には何もついてない、ただの鎖だけ。
「何ですか、この鎖」
「ああ、ゴミだよ。モーニングスターの鎖だ」
「モーニングスター......あー。あれか。先にトゲの付いた鉄球がくっついてるやつ」
「そうそう。鉄球が壊れちゃって、使い物にならなくなったの。それだけでも何かに使えるかなと思って取っておいたんだけど、用途が思いつかなくってな。持ってくかい?」
「うーん......一応持ってっときます」
店主が奥の箱からホルスターを出してくる。
「あったよ。せっかくだから、タダであげるよ」
「ありがとうございます」
ホルスターを腰に巻き、マルチライフルを左右に装着する。ホルスターの後ろ側にある空きスペースに、さっきのチェーンを巻きつける。さらに背中にアイスソードの鞘をつけ、準備万端。
「じゃあ、俺はこれで」
「ありがとなー」
俺は武器屋を後にした。
扉の横でカイエンジが待っていた。
カイエンジの新装備は鉄の鎧。
旅の鎧よりガード箇所が増えている。赤いマントもよく似合っている。
「ずいぶん冒険者らしくなったじゃないか」
「へへ、そうだろ。ありがとな」
「さてと、日が暮れるまであと少し。また町外れの草むらに行って、レベル上げするか」
「ああ」
俺たちは草むらに向かった。
草むらにつく。
さっそくスライムが現れる。
珍しく3体のグループで。
俺は腰のマルチライフルを持ち、2体のスライムを打つ。
アナタブの画面が光り、MPのゲージが減ったのが見える。
緑色のエネルギー弾がスライムに飛んでいく。
当たったスライム2体に少しはダメージが入ったようだ。
続いて残り一体のスライムにカイエンジが斬りかかる。
ズバッ。
スライムは一瞬にして切られた。
先程の2体が襲いかかってくる。
まずい。
ベシッ。ベシッ。
「うわっ、くそっ」
俺はスライム2体の体当たりを受ける。
HPが減った。
俺のターン。
「行くぞっ、てぇいっ!」
2回の銃撃音。
2体のスライムは消滅した。
戦闘に勝利した。
「それがお前の新しい武器か。二丁拳銃とはな」
「使い心地はまぁまぁってとこだな。さて、カイエンジ。次行くぞ」
しばらく草むらを歩くと、次はゴブリンとスライムの2体。
今回俺はアイスソードで行く。
カイエンジがスライムに攻撃。
スライムを切る。
さらに後ろから俺がゴブリンに迫る。
「はぁっ!」
ゴブリンの腹を一突き。
ゴブリンは氷漬けになり、そのまま砕け散る。
戦闘に勝利した。
この後俺たちは草むらでレベル上げを続け、
俺はレベル9、カイエンジはレベル22になった。
こんな調子で平気なのだろうか。
今回もありがとうございました!
今回から少しずつ長くしていきます!
今後もよろしくお願いします!




