どうして俺なんかと
ふと、疑問に思う。
「そういや、何でカイエンジはわざわざ俺のパーティになってくれたんだ?もっと強い奴とかも居ただろ」
「ああ、俺には小さい頃に剣術を教えてくれた師匠がいたんだ。師匠はすごく強くてな。剣術者を超えた存在、ソードマスターだった。師匠には大体、二年ほどお世話になったか。俺の剣術の腕も上がってきて、師匠は旅に出ると行った。旅に出る時、師匠は俺にこう言った。数年後、この世界に災いが蘇る。俺はそれを断ち切るために、修行の旅に出る。お前には流石にまだ早い。これからは一人で修行をしていくんだ。万が一の為、お前も修行を怠るな。いつかどこかで会える時があったら、その時はもっともっと強くなってこい、って。俺は師匠を探してる。だが、まだまだ世界を旅できるほどのレベルじゃ無い。もっと強くならねばならん。だから俺はここら辺でレベルを上げるついでに、かけ出しのお前を見つけて一緒に旅をしようと思ったんだ。一人よりも二人の方がいい。そうだろ?」
「あぁ。確かに人数は多い方がいい」
「そういうお前は、どうして冒険者になったんだ?」
「俺は、もうすぐ、この世界に封印されてる、魔の三銃士の封印が解けるっていうから、俺にそれを退治して欲しいんだとさ。だから、俺はレベルを上げて、そいつらを倒す。一人じゃ敵わないかもしれないが、二人ならいけるかもしれない」
俺はアルテミスから言われたことを手短にまとめてカイエンジに話した。
「ほう...師匠が言っていた災い、とはそのことだろう。しかしベルセルクの封印が解けるまで今日含めてあと8日しか無いのか......それまでに俺たちはレベルを26以上にしろ、と?」
「ああ。無理難題だが、出来るとこまでやってみるつもりさ」
「無茶だな。だが、俺はそういうお前の前向きなとこ、嫌いじゃないぜ」
「そうかい、ありがとな」
「これからも、お前には世話になると思う。よろしくな」
「ああ」
今回も読んでくれてありがとうございました!




