表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/41

4. 特殊系?

あれ以来、生物の周りだけ白く靄が見える現象が続いている。

これは冷静に考えて、何らかの能力なんだろうと思う。


…良かった。ただの大食らいの幼児じゃなかったわ。

やっぱり能力者だったからこそのあの食事量なのよね。まぁ、大した能力でなかったとしても、納得できたからもう良いわ。今のところ、どういう能力か不明だけど。


というか、特殊系とでも言えるわね。この世界の能力は、はっきりと目に見えるパワーとして認識されてる。火、水、風、土を操ったり、発現させたりするパワー。

だから能力の有無をはかる検査だって、人工的に用意した火、水、風、土に対して、反応があるかどうか見るというやり方なの。火でいうと、蝋燭大の火に手をかざしてみて、能力があれば炎が揺らめく。水、風、土も同様に、それぞれに手をかざしてみて、それらの反応をみる。

だから、対象に反応が無ければ、能力無しと見なされるんだけど、……火、水、風、土以外にも、能力があると考えた方が良い。


私以外にも能力者がいるのに申告せずに隠しているのか、私が唯一の特殊系なのか、今のところ全く分からない。

まずは、自分の能力がどんなものなのか把握しないと、家の者に自分が能力者だと説明することもできない。そのために、この数日、能力を見極めようとしてるんだけど、生物に靄がかかってるだけなのよね。


ただ、最初は小さな動物にしか見えてなかった靄が、だんだん人間にも見え出したの。

レベルが少しずつ上がってるってことなのか、力を使いこなすための過程なのか。

昨日からうっすらと使用人たちに白い靄が見え始めた。

こうなると、靄というよりは、オーラって呼んだ方がしっくりくるかな?



ーーーーーーーー



人にもオーラが見え始めて一週間。

オーラに色がつき始めた。

はっきりと何色とは言い難いんだけど、白じゃないの。その色が何を意味するのか、今探っているところ。


母のオーラが、橙色のような、オレンジ色のような、落ち着いた暖色系なの。

母だったら聞きやすいし、ちょっとインタビューしてみよう。


「お母様、何か良いことでもあったの?」


母は面食らった表情になった。予想外の質問だったのか、的外れな見立てだったのか。


「どうして?」


「いえ、何だか、お顔色が良いような気がしただけ」


「そう。ええ、実は今、気分が良いの」


「そうなの。それは良かった」


「エミリ、あなたがね、元気になったみたいだから」


……お母様。心配かけてたのね。

そりゃそうよね…。あからさまに落ち込んでたもんね、私。

そっか……普通に心配されてたんだ。

あんまり関心もたれてないと思ってた…。

心配されてたと聞いて、正直嬉しい。


「…心配かけてごめんなさい。ありがとう」


笑顔で礼を言ったら。

母が驚いた表情になった。

え、なんで驚き? 私の笑顔ってレア?


「元気が出てきたのかしら? 本当に良かったわ!」


珍しく興奮気味に言う母。

それだけ心配してくれてたのね。ありがとうね、お母様。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ