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36. 父

お買い物、楽しかった!

とっても素敵なカップとソーサーも買えました。

シェラとも少し話せたし、目的の良質な茶葉も買えたし大満足だわ。


さっきお屋敷に戻ってお昼を食べたところ。

のどかな午後、なんだけど…なんと今日、久しぶりにお父様に会うのよね。それも今から。

久しぶりと言っても記憶にないくらい小さい頃以来だから、私にとっては初めましてレベルよ。

どんな方かしら。

あのお母様を射止めた人だから、とってもハンサムなイメージだけど。


ちょっとソワソワしながら部屋で待っていると。

エントランスの方から少しざわめきが聞こえてきた。


「帰ってきたみたいね」


お母様の声に皆扉の前でお出迎え準備。

デヴォンス地区チームはお母様以外緊張気味。侍女のエマにはちょっとお願い事をしているので外している。あと御者と世話役は別室に案内したのでデヴォンス地区は5名。王都チーム4名を加えて9名で待機中。


ついに、扉が開けられた。

そして……小太りなおじさんが入ってきた。


えーー! 意外!

この方が?!

ハンプティダンプティのような、愛嬌ある容姿だけど。

お母様とだと、凸凹コンビっていうか。

いや、お父様のことってそういえばあまり聞いてないけど、本当に意外だわ。

心の中で大騒ぎしてるけど顔には出てないわよね。我ながら鉄面皮。


「ただ今戻りました」


汗をかきかき言うおじさん、いやお父様に、お母様が近づいた。お母様、嬉しそうな呆れたようなオーラ。呆れたような?

どういうことかしら?


お父様の方を見ると。

お父様のオーラは焦りのせいか、黄色に赤のマーブル。

??? 二人の感情がよくわからないんだけど。


「久しぶりね、ダリル」


ダリル…?

って誰?


「マクセル、いるんでしょう? しようのない人ね」


「ただいま」


後ろから長身の男性が入ってきた。



ーーーーーーーー



「悪い悪い、久々の再会で皆が緊張してるかと思ってな。つい遊び心が出た」


「いつまでも子どもみたいな人!」


おぉ…お母様が大人の女性に見える。

いつもは少女のように可憐な、とか形容されがちなお母様だけどお父様と並ぶとおねえさんらしい感じだわ。


さっき部屋に一番に入ってきたのはお父様の補佐役のダリルさんだそうです。

いつもお父様に振り回されて大変なんです、と心底困った顔で言ってらしたわ…。お疲れ様です。


そして、悪戯を仕掛けて満足そうに笑っているお母様の隣に並ぶ長身の男性。

こちらが間違いなく我が父、マクセル・ウォールデン。

意外にも、肉食系。

スラリとしたイケメンを予想していたから驚いてる。男前は男前だけど。お母様と同じくかなり若く見えるから、学校を卒業して間もない青年みたい。

野性味溢れる、とまではいかないけど、頼りがいがあって動物に例えると豹や獅子のような感じ。って、肉食系という説明を繰り返しただけだわね。

オーラは橙色に近くて総量が多い。そしてすっごくキラキラしてる。かなりの能力者なんだ。

じっと見ているとお父様がくるりとこちらに向いた。

次の瞬間、体がふわっと浮いた。


「きゃ……!」


「エミリ! 大きくなったな」


たかーーい!

お父様に抱き上げられてます。


「長旅で疲れてないか?」


「大丈夫です」


「そうか」


ニカッと笑って、私を抱えなおし左肩にかついだ。

えぇ…降ろしてもらえないの?

すごい豪快でゴーイングマイウェイな人だ…。この世界では今まで会ったことがないタイプ。

お父様の顔を見ると、至近距離で目が合った。


「お前のことはジェーンからの手紙でよく知っている。俺が不在の間、お母さんをサポートしてくれてありがとう。大活躍だったそうだな」


「活躍なんて。お母様やハワードたちの頑張りの賜物です」


「確かにお母さんは頑張っているが、お前のおかげで心強いんだと」


え、本当?

お母様の方を見ると。

恥ずかしそうに頷いてくれた。

ちょ、お母様! 可愛すぎます…!

いくつになっても可愛らしい人だ。


「お母様のお力になれて嬉しいわ」


ニッコリすると、お父様に頭をワシワシと撫でられた。


「短い間だが、楽しんでくれ。俺もお前たちの滞在中は、早めに帰らせてもらうことにしている」


そう言って、部屋の奥のソファに向かって歩き出すお父様。

大柄だから一歩一歩のリーチが長い。

長身の人の目線ってこんな風なのね。


「さあ、お茶にしよう」


お父様の一声で、みんなが慌ててソファとローテーブルの方に近づいた。

この部屋の空気がお父様の一挙一動で決まっていく。

最初は戸惑っていたみんな(お母様以外)のオーラがお父様への信頼一色に変わっている。

領主として最も望ましいカリスマ性が備わっているわ。

若き日のお母様が恋に落ちるのも納得。頼りがいがある男性って素敵よね。


お父様が私をソファにそっと降ろしてくれたところで、この後の予定をハッと思い出した。

いけない、うっかりしてた。


「そうだ、私、お茶を用意してるの。ちょっとみんなに聞きたいことがあって」


みんなの目が不思議そうにこちらを向いた。

私、こういう人が好きかもです。

優男系じゃないエミリパパ。


評価・ブックマークありがとうございます。

皆様こんな辺境までよく辿り着いてくださるものだと感動&感謝です。

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