30. 祝賀2
リストさんが報告を始めると、皆また真面目な雰囲気に戻った。
「今回、新たに能力者として登録されたのは、五万一千人中48人。割合は0.09%」
そうなのよね。
終わってみたら凄く低い割合でビックリ。
初日に二人も見つけられたのは幸運だったわね。もしかしたら初日はゼロだった可能性もあったわけだし。そうだったら私もかなり焦ったでしょうね。
とにかく最終的には48人も拾えて良かったわ。
「能力の内訳は、癒やしが7名、気象予測が5名、能力鑑定が4名、現在能力不明が32名。彼らには、能力者と判明したその日のうちに登録手続きをしてもらい、記録の提出を義務付けている。記録の提出を以て基本給ならびに食費手当てをすでに支給しているところだ。能力不明者は登録一時金の支給を来月中にすることになっている」
実は能力不明者が多かったの。
聞き取りだけでは特性が分からなかった。本人も混乱してたり興奮してたりして。
来月彼らの自宅を訪問して、何度か面談をすることになってる。
能力鑑定については、私と同じようにキラキラが見えるのかなと思ったら、どうやら違うみたい。
オーラは見えないんですって。
まあ私も最初は見えなかったし、と思ったんだけど、彼らの見え方はもっとシンプルに文字の表示らしいの。
火水風土の能力者を見ると、頭上に「能力有り」の文字がうっすら浮かんで見えるんだって。
自分にしか見えない文字だけど、特に不思議に思ったこともなくて、まさかこれが能力だったなんてって驚いていたわ。
彼らの食事量は、一般の人より少し多いくらいで「よく食べる子ね」程度のものだったとのこと。
もしかしたら、オーラを読めるとか空気が読めるとかいった能力は元日本人の私にしかないユニークな力なのかも知れない。
リストさんの報告が終わり、再び活気を取り戻した宴会。
みんなが興奮して楽しんでいるようで、空気もカラフルだけどうまく調和していてとても綺麗な色。夏祭りでも見てるみたいで、こっちも幸せな気分になる。
さてと。
そろそろ子どもは寝る時間だわね。
めちゃくちゃ眠たいわ…。
ご挨拶して退室退室。あ、リストさんがいた。
「リスト様、今回は本当にありがとうございました。時期は未定ですけど、あと二回は再検査をするはずですから、今後ともよろしくお願いいたします」
残りは東地区と北地区。これで領内は全て。
「お嬢様! この度のお手柄、本当にお喜び申し上げます。お嬢様こそ、この一月、よく頑張って役割を果たされましたね。お疲れでしょう。明日からしばらくはよくお休みになってください」
「ふふふ、ありがとうございます。お手柄とは嬉しいです」
あれ? リストさんのオーラが急に白くなった。
今の会話に驚く要素ってあったかしら。
「いや、流石はジェーン様の…。血は争えませんね。お嬢様の笑顔を拝見できて幸せです」
あ、やっぱり私の笑顔ってレアなの?
リストさん、お母様のファンだからね~。
私にまで、好意的な色のオーラだわ。
「笑顔をほめられるのって、なんだか照れますね。ありがとうございます。それじゃ子どもはもう失礼しますね。おやすみなさい」
「は、失礼致します。ゆっくりとおやすみくださいませ」
リストさんに深々と頭を下げられたのでこちらも深くお辞儀をしておく。
お母様とハワードにも挨拶をして退室した。
扉の外に控えていてくれたエマとともに部屋に戻る。
扉が閉まる前に会場をもう一度見ると、みんなとても満足そうな笑顔だった。お料理もほとんどなくなっていた。
今から少しだけどデザートも出されるから、またひと盛り上がりするわね。
ちなみに、デザートは色とりどりのドライフルーツとラスクです。立食用にフィンガーフードのデザートを一生懸命考案してくれたの。ラスクは白パンと黒パンで作ってあって、長方形の拍子木切りにしたものを格子模様に並べてあって見栄え良く仕上げている。シンプルで手間もかからないけど、華やかなデザートになっている。珈琲にもよく合うし、私としては満点をあげたい出来。
さて、明日から能力者のレベルアップと能力不明者の能力解明ね! 頑張ろうっと。
あと、そのうち王都に行くらしくて、お母様に同行して私も初王都の予定です。楽しみ!
多分、今回のことをお父様に報告するのね。お父様には、記憶がないくらい幼い頃以来のお目見えだから、どんな方なのかドキドキ。
もしかしたら、今回のことは国王陛下にも報告するのかしら。大きな発見だもんね。
まあその辺はよく分からないのでお母様任せ。
こっちの管理はハワードに任せて、お母様と私とアンとエマ、後は馬車の御者と旅の世話役を一人に護衛を二人つけて、八人での旅行です。
王都といえば、シェラにも会えるかしら?
一応手紙を出しておこう。
珈琲とお茶請けが大好物です。




