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24. お招き

「クリス君、いらっしゃい。少し遠かったかしら、お疲れ様。すぐ部屋に案内するわ。ゆっくりしてね」


きゃー、やっぱり可愛すぎる。そして美しく輝くエメラルドのオーラ。さすが神の傑作だわ。

今日一日クリス君を見放題だなんて幸せ。

先日のお約束が実現して、クリス君が我が家に遊びにきてくれました。


「こんにちは、お邪魔します。すごい、立派なおうち。お部屋って、エミリちゃんの?」


「うん、応接室は落ち着かないかと思って。私の部屋でお話しましょう。その後、お菓子とお茶でも持って庭に出るのも楽しそうね」


「わぁ、楽しみ。お庭も行ってみたいな」


「じゃあそうしましょうね。お付きの方もご一緒にどうぞ。ご心配でしょうから同じお部屋にいらしてください」


廊下を歩いている間、興味深げに廊下を見るクリス君。

お家の雰囲気と大分違うのかしら。よその家って、シェラの家しか見たことがないから、スタンダードが分からないのよね。


「どうぞ」


扉を開けて二人を中へと促す。すぐにエマがお茶と茶菓子を持ってきてくれた。


「クリス君は、王都住まいなのよね。私は王都に行ったことがないの。どんなところなの?」


「やっぱり人が多いよ。僕は人がたくさんいる場所は好きじゃないから、あまり街には行かないんだ。街のこと、よく知らなくて…ごめんね」


「5歳なんだもの、私も街歩きなんて全然しないよ。クリス君は人混みが苦手なのね?」


「そうなの。この前は、僕のことを知らない人ばかりの場所なら大丈夫かなぁと思って、散歩してみたんだ」


「そうだったのね。それで偶然出会えたのね! しかもクリス君から声をかけてくれたものね」


「うん。エミリちゃんは他の人とは違ったんだ」


あ、そうか。クリス君、可愛すぎるから地元では有名でジロジロ見られてしまうってことね。それが苦手なのね。

私もジロジロ見ちゃったけど…怖がらせていなかったみたい。良かった。


「五歳の儀をデヴォンスでしたのはなぜなの?」


「お母様がデヴォンス生まれなの。それで、王都でやるのが嫌ならデヴォンスでって言ってくれて。家族でしばらく遊びに来ることにしたんだ。お父様はもう王都に帰ってるんだけど」


「そっかあ、クリス君のお母様はデヴォンスの方なのね。じゃあ、こっちにはよく来るの?」


「うん! 年に一度くらいは来てるよ。もう少ししたら王都に帰るけど…次の休暇にはこっちに戻るよ。そしたらまた遊ぼうね…?」


不安そうな顔が、犯罪者ごころをくすぐるわね。

クリス君って危険だわ…。ただ普通に振る舞っているだけでも、何かの拍子に連れ去られそう。可愛すぎるのって大変なのね。

まあクリス君はシェラと同等以上の強力な能力者だし、良かったわね。今後鍛錬が可能だと認められるようになれば、自由に能力が使えるし。自衛も十分できるでしょう。


「もちろん! 休暇ごとに必ず会いましょうね」


しばらくゆっくりお茶をしながらお話ししていたら、窓にコツリと何かがあたる音がした。


「来たわね…」


「え?! 何か来たの…?」


「失礼! 近くに危険なものが…?!」


あらら、クリス君の護衛を不審がらせちゃった。

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