NPCイベントでも我が道を進む2
武器を造るといったジンヴさんに直剣と刀と銃を渡す。
「流石ガルだな。いい素材だ。直剣、刀はいいとして、銃はどうする。」
「どうする?何をですか?」
「何をって、実弾銃か魔弾銃かだろ。」
「魔弾って何ですか?」
「そこからか嬢ちゃん。まぁいいか。魔弾銃ていうのは実弾の代わりに魔力を込めた弾、魔弾を装填して撃つ銃のことだ。」
「じゃあ魔弾銃でお願いします。
「込める弾の属性はどうする?」
「属性?」
「………嬢ちゃん、魔法のこと何も知らねぇな?」
「はい、おっしゃる通りです。」
「はぁしょうがねぇな。クリア、あとで教えてやってくれ。」
「わかったわ。」
「そういうわけで嬢ちゃん、先に直剣と刀を造るんだが、この最高の素材に見合う金属は持っているか?」
「金属、ですか。えっとこれとこれしか持っていません。」
特殊合金と元始金属を出してジンヴさんに差し出す。
「こっちの合金は……なるほど。この金属は強化する素材に効果を付与できるものだ。付与効果はパリィが格段に成功しやすくなる。悪くない金属だ。もう一つの金属は………!?嬢ちゃん!よくこんな金属持ってたな。」
「あ、やっぱり貴重なものなんですか?」
名前から見てもレア度高そうだもんね。
「貴重なんてもんじゃねぇぞ。この元始金属は強化する素材の持っている力をすべて引き出すことが出来るんだ。素材が良ければ良いほどいい武器ができるってことだ。」
「じゃあこの剣を強化するのには十分ですか?」
「十分すぎる。これは久しぶりに腕のなる仕事だ。どの金属を使う?」
「そう……ですね。じゃあ直剣に特殊合金と元始金属を、刀には元始金属のみを使ってください。」
「わかった、それで武器を造ろう。武器を造っている間に魔法についてしっかり聞いておくんだぞ。」
「わかりました。」
「じゃあ唯ちゃんはこっちへいらっしゃい。」
ジンヴさんは扉に消えていき、クリアさんは戻って椅子に座りなおす。クリアさんの向かいに座り魔法について説明を聞く。
「いい?唯ちゃん、魔法には2種類あるの。詠唱魔法と術式魔法。
まず詠唱魔法は、魔法を発動するために詠唱を条件にするの。詠唱の内容で魔法の属性、規模を決めるの。具体的には、属性に関する式句、広さに関する式句を詠唱に入れることで魔法が発動するわ。詠唱魔法の欠点は、詠唱に時間がかかることね。慣れないうちは戦闘中にまともに使うのが難しいわ。逆に利点として、魔法発動後に後述詠唱、つまり更に詠唱を重ねて魔法を変質させたり強力にさせたりできるわ。
次に術式魔法ね。これは魔法陣を書くことを条件にして魔法を発動するわ。陣の形状で魔法の性質、規模を、陣の内側に属性記号を書くことで属性を決定できるわ。そして術式魔法の最大の利点は自分専用の属性記号を作ることが出来ること。簡略化した記号を使えば陣を書く時間を短縮できるし、複雑にすれば敵に魔法を特定されにくくなるわ。逆に欠点は、詠唱魔法と同じく、やはり慣れないうちは陣を書くのに時間がかかることね。あとこっちは詠唱魔法とは違ってあとから魔法を変えることはできないわ。最初に書いた魔法陣の通りに魔法が発動するわ。
魔法の選び方はどちらの利点を重視するかによるわ。どう唯ちゃんわかったかしら。」
「はい、とても。あの、クリアさん。」
「あら?何かしら。」
「この魔法って私でも習得できるんですか?」
「できるわよ。………そうね。ついでだし使い方も教えてあげるわ。どっちを使いたい?」
「どちらも、というわけにはいきませんよね?」
「できなくはないけれど、片方だけにした方が無難ね。」
「ですよね。それなら私は術式魔法にします。」
「そう、分かったわ。じゃあ早速使ってみましょうか。」
よし!これで魔法が使えるよ。