ボス戦でも我が道を進む2
もう何時間たっただろうか。巨人が大剣を手放し刀を手にしてから再び動きを覚えなおして、全力でパリィ。新しい武器を使って攻撃をするけど、その武器もすぐ壊れてしまった。そしてこの攻撃で巨人のHPが8割を切った。そうしたらまた武器と動きが変わった。今度は槍だ。
どうやらHPが1割減るごとに武器が変わるようだ。最初は大剣、次に刀、槍。ほかにも盾、弓、細剣、棍棒を使ってきた。中には節のような刃が糸?ワイヤー?でつながれた剣もあった。リーチは長いし、攻撃は読みづらいからこの状態の巨人のHPを削るのが一番大変だったかもしれない。
盾を装備したときは本当に困った。パリィができなかったし、隙というものが全くなかった。こっちの攻撃にすべて備えていて、私が明らかな隙を見せた時だけ盾で押しつぶす攻撃をしてきた。しょうがないからこの時ばかりはパリィを諦めて、弓で慎重に攻撃した。矢も限られてるからできるだけダメージを与えられるように。
そして今巨人のHPは2割を切った。次は何の武器だ。巨人が手にした武器は、まさかの銃だった。それを見た瞬間攻撃を避けるために縦横無尽に走り回る。高速で動いているのにそれでもしっかり狙って撃ってくる。ほとんどの弾がかすめてHPをじわじわ削っていく。ポーションを飲みながら巨人とすれ違い様に攻撃を加える。
ポーション8本を使い切ったころようやくHPが1割を切った。巨人が最後に手にした武器はいたって普通の直剣だった。ただし1本ではなく2本。二刀流というやつだ。
動きは盾、銃の二連戦とは異なり積極的に距離を詰めて攻撃を仕掛けてくる。だがその速度が異常だ。今までの2倍以上に感じる。
走って避けるだけじゃ足らず鎌でしのいで逃げ回る。こっちは何時間もの戦闘をして、一撃一撃に神経すり減らしているのにここでパワーアップとか洒落にならないよ。上から一方的に直剣で攻撃されるのは不利なので、切り株の縁に一跳びで上る。
巨人の姿すべてが視界に収めることができ、攻撃を避けるのがかなり楽になった。そして余裕ができたところでパリィをする。しかし真正面からパリィできないため巨人を倒すまではいかなかった。
しかし片方の直剣を弾き飛ばすことはできた。そのままもう一本の直剣の攻撃もパリィして弾き飛ばす。両手の武器がなくなったところで鎌と斧を装備して跳躍。
巨人の方に飛び乗り首、顔を切りつける。私もこの戦闘中に二刀流スタイルにだいぶ慣れたものだ。型はないが、DPSを稼ぐために速度と正確さだけはかなりのものになっていると思う。
巨人に叩き落される前に目を鎌で切りつける。巨人は目をつぶされバランスを崩し倒れそうになるので跳躍して再び切り株の縁に戻る。
「何故目を斬ったのに鎌が壊れているのか。」
人体の部位で目って硬いはずないんだけどな~。
ともかく倒れて行動ができていない巨人を今のうちに仕留める。まだ壊れていない斧と持っている最後の武器の特大剣で攻撃する。
両手の武器が壊れるのと同時に巨人のHPがなくなった。巨人の体がポリゴンとなり消滅する。
「お、お、終わった~~~。」
とんでもない疲労感を覚えその場に倒れこむ。
「あぁ、ダメだ。眠い。」
もう何時間ぶっ続けで戦い続け、しかも戦闘は限りなく過酷。身体的には錯覚かもしれないが、集中力はもう限界を超えている。体が疲労を訴えてもなんら不思議はない。
耳には巨人を倒した直後からシステム音がなっているが、理解する思考力はもう残っていない。意識が途切れた。