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視界の隅に奴がいる。

作者: ほぼひつじ

視界の隅に奴がいる。


顔を向ければ煙のように、いつの間にやら消えている。大学内の食堂や、帰宅途中の電車にも、奴は視界の隅にいる。

幻覚では、と思うだろう。自分も思った時期がある。幽霊では、と思うだろう。もしもそれなら勘弁だ。幻ではと決め込んだけど、ところが実際、そうじゃない。


ある日に、策を打って出た。食堂内のある席で、奴は飯を食べていた。顔を向ければ消えている。そこへ向かって近づけば、食べかけの飯が残ってる。大抵、蕎麦とコロッケだ。「俺とは趣味が合わないな」


奴の顔を見ていない。正しく言えば、焦点合わず、どうやったって見ようがない。外見は、頭髪は黒、シャツは白、ズボンは紺で、靴は黒。視界の隅に居るはずなのに、見回すけども見つからない。


またまた、策に打って出た。夜中の街に繰り出して、人気の消えた 道に出る。奴はやっぱり隅にいる。「おい、お前」しばし沈黙。「おい、お前」またも沈黙。



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