VS三国王
「光輪!!」
エルフの女王が光の輪っかみたいなのを投げてくる。俺は横に飛んで避けるとその先には、人間の国王が剣を構えていた。
「もらった!!」
一気に剣を振り下ろしてくるがそれを間一髪の所で避ける。人間の国王に魔法を放とうとした横からゼオンさんが斬りかかってくる。
「はあっ!!」
魔法は放てず剣を避ける。避けたは良いが、これまたエルフの女王が避けた先に魔法をぶっ放してくる。
「木龍弾!!」
ちょ、マジか!?
そういや、木属性はエルフだけが使える属性だったな……
木の形をした龍が襲いかかって来る。口が開き俺を丸呑みにしようと突っ込んでくる。そう易々とやられる訳にはいかない。
「双炎弾!」
龍の口に火属性魔法を打ち込んだ。すると、木の龍は燃えがあり炭と化す。見た目どおり、火には弱いようだ。
「なかなか、やるようですね」
「ニルナよ、感心してる場合では無いぞ」
エルフの女王さんってニルナって言うんや!!
なるほど、だから娘はニーナちゃんなんだな!
うむ…
ニーナちゃんもあんなに大きく育つのかな………
何処とは言わないけど!!
ゼオンさんとニルナさんは少し話すと再度こちらへと振り返る。戦闘中なのに随分と余裕そうだ。
こちとら、さっきから人間の国王さんが全力で斬りに来ている。おかげで、二人が隙を見せているのに攻撃できないのだ。
くそっ!!
この人、本当に人間か!?
ルドガーさんよりも強いぞ!?
しかも、この人は魔法も混ぜて来るから、さらにややこしい相手だ。剣なら剣だけで勝負して欲しい。
俺と人間の国王が斬り合いをしていたら、ゼオンさんが参戦してくる。
「リュードよ! 手を貸すぞ!!」
「一気に攻めるぞ!」
リュードさんなんですね!
てか、そんな呑気な事を考えてる場合じゃねえわ……
ガチで押され始めてるんですけど……
現在、俺はエクスカリバーの一本で二人と戦っているが正直言って分が悪い
このままでは負けるのも時間の問題だ。かと言って、この人たちから離れて魔法を使おうにもニルナさんが待ち構えている。
この人達、喧嘩してたんだよね?
なんでこんなに連携うまいの??
出来れば、もう少し手加減をしてくれたら有り難い。とはいっても、向こうからすれば仇である俺に手心を加えるなんて事は一切しないだろが。
「せいやあああ!!!」
「でやああああ!!!」
二人の剣を死ぬ気で捌く。お構いなしに猛攻を続ける二人。
マジでシャレになりませんよ?
俺は集中して二人の剣を捌き続ける。すると、だんだん二人の剣速が遅くなって行く。かわりに俺の剣速がさらに増して行く。
劣勢だった俺はだんだんと優勢になって行く。なんだか、よくわからないが今の俺はいつもより強い気がする。
これなら行ける!!!
俺は攻めに転じる。一気に二人を押して行くが、二人も負けじと必死に剣を振るって来る。
我、最強なりい!!!
俺が調子に乗っていたら、急に足が動かなくなってしまった。何事かと思い足元を見てみると、木の蔓によって足が膝まで縛られている。
えっ、ちょ、これ何!?
焦っていた俺は周りをキョロキョロとするとエルフの女王、ニルナさんが地面に手をつけている姿を目にする。どうやら、彼女が木属性の魔法を使ったのだろう。
「そこだぁあ!」
「ッ!!」
咄嗟に振り返ると剣をゼオンさんによって弾き飛ばされてしまう。
やばいな……
俺が武器を無くした事で勢いついたのか二人で斬りかかってくる。
やられるわけにはいかない!
そう思った瞬間に魔力化を施して木の蔓から脱出をする。ギリギリの所で攻撃を回避出来た俺はニルナさんの方へと突っ込む。これ以上、魔法で邪魔されてはたまらないからな。
「葉刃!!」
ふん!
そんな葉っぱなんてなんとも無いわ!!
無数の葉っぱが飛んでくるが、俺は構わず葉っぱを受けてしまう。すると、身体に鋭い痛みが走る。痛みを感じた所を見てみると斬られているようだった。
ここは、葉っぱが当たった場所だ。と言うことは、ただの葉っぱではなくカミソリのような斬れ味を持った葉っぱだということ。
成る程……
これだけの数を躱すのは一苦労しそうだ。だから、俺は火属性魔法で葉っぱを掻き消していく。
「これならどうですか!?」
なんか黄色い粉みたいなのがばら撒かれる。そのまま突っ込んだ俺はその粉に触れてしまう。
あれ?
なんとも無いぞ?
ふへへへ!!
失敗したんだな!!
魔法が失敗に終わったと思ってニルナさんへと突っ込んむが、ニルナさんは笑っている。
「触れましたね? ふふっ。爆ぜなさい」
なんですとおおおおお!!!
その粉は粉塵爆発を起こした。俺はその爆発に巻き込まれてしまう。爆炎が辺りを包む。爆炎の中で俺は思った。
これ、魔力化してなかったら身体が吹き飛んでたよね?
いや、マジ焦ったわ……
流石に俺も今回ばかりは死ぬかと思いましたよ。
まあ、死にませんでしたけどね?
さてと、第二ラウンド始めましょうか!!
爆炎の中から俺が飛び出すと、三国王は爆炎に包まれていた俺を警戒していたようだ。飛び出した先には俺を待ち構えるように三人が立っていた。
「来るぞ!!」
「ああ!!」
「あれで、死なないなんて化け物ね!」
酷いこと言ってくれるわ。
さあ、行くぜ!!
改訂済み




