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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第三章

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ピュトン討伐

 現在、俺はガストンさんとピュトン討伐の為荒野の方へと馬を走らしている。



 以前は馬に乗れなかったのだが、武神を持っている俺は武術と馬術も一緒だと考えるようにした。すると、上手に乗れなかった馬も今では競馬選手もびっくりるくらい乗れている。



「兄ちゃん!! 馬の扱い上手だな!」


「これくらい余裕っすよ!」


「はっはっはっはっ!! 頼もしい事だぜ!」



 調子に乗る俺と声高らかに笑うガストンさん。



 そして、しばらく馬を走らせているとピュトンが出るという場所に到着した。



「確かこの辺だったな……」


「兄ちゃんの実力楽しみだねぇ!」



 呑気な事だ。ピュトンは三つ首の鳥型の魔物だ。ダチョウみたいな奴だ。火と氷と毒を吐いてくる。しかも、再生能力があるらしい。



 再生する時間は遅いらしいのだが三つ首を全部斬り落としても再生するらしいので厄介な魔物だ。



 まあ、俺は余裕なんですけどね!!



 しばらく、周囲を散策してピュトンを探し回ったが見つからなかった。ここではないかと移動を考えていた時、ピュトンが現れた。



 ようやく現れたか!!


 わーお!!


 本当に三つ首だ!!



「ゲリョロロロロロ!!」



 鳴き声きっしょ!!


 まぁそんなことはどうでもいい!!


 さっさと片付けさせてもらう!!



「黒蓮! 白夜!!」


「ゲリャララララ!!」



 気持ち悪い鳴き声と共に放ってきたのは、紫色に染まる霧状の液体だ。恐らく、説明にあった毒であるに違いない。



 厄介だな。どの首がどの属性を使ってくるか確かめなければならない。



 面倒だけどやるしかないか!!



 俺は適当に二丁拳銃でピュトンを撃ってみる。ピュトンは右の首から氷を出して弾丸を凍らせる。続けて俺は二丁拳銃で左の首に弾丸を撃ち込む。左の首からは火で弾丸を溶かされる。



 雷属性の弾丸を右の首に撃ち込む。右の首は抵抗することなく吹き飛んだ。連続で左の首に弾丸を撃ち込む。これまた左の首も抵抗することなく吹き飛んだ。



 呆気ないな?



 後は真ん中やって身体を最上級の火属性魔法でチリに変えれば終わりか。



 そう思い真ん中の首を吹き飛ばす。



 なんだ楽勝やんけ!!



 俺は二丁拳銃をしまい魔法で片付けようと構えたら首が一瞬で再生した。それだけではなく再生した途端に三つ首から電撃が飛んできた。



「なっ!」



 何故かガストンさんが驚いている。無論俺も驚いている。説明されたピュトンとは違う属性を使ったからだ。



 再生能力が格段に違いすぎるのと雷属性をも使うことだ。こんなのは聞いていない。



「ピュトンが雷属性を使っただと!? おい、兄ちゃん! 俺も手を貸すぞ!」


「これくらいなら大丈夫っすよ!」


「何言ってんだ!! 新種かも知れないんだぞ!!」


「見てれば分かるっすよ!」



 俺はガストンさんに見てるように言う。ガストンさんは半信半疑なんだろう。すぐに手助け出来るように武器を構えてる。ルドガーさんと同じ大剣使いだ。



 でも、ガストンさんの出番はねぇ!!



「神罰!!!」



 神級の光属性の魔法を使う。天空から巨体なレーザーがピュトンを焼き殺す。ピュトンがいた場所は大穴が開き底が見えなかった。



 やってしまった!!


 神級なんてこんな軽く使ったら怪しまれる!!


 ああ、どうしよ!!!



 恐る恐るガストンさんの方へと向く。ガストンさんはまだ目の前で起こった事が信じられないようだ。先程から微動だにしていない。



 これは……


 誤魔化せるかな?



「あのガストンさん?」


「はっ!! お、おい! 兄ちゃん何者だ!? 今の魔法は神級だろ!?」


「あっ! いや、その……」


「はぐらかしたってダメだ!! 答えろ、兄ちゃん!」


「はぁ~わかりました。実は俺は――」



 俺は事の経緯を全て話した。闘技大会で人を殺し牢獄から脱獄したことを。



「ほう。成る程な。兄ちゃんも大変な目に会ったんだな……」


「捕まえたりしないんすか?」


「そうして欲しいんならすぐにでもするが?」


「勘弁してください!」


「ガッハッハッハッハ! そんなことはしねぇよ! 兄ちゃん面白えな!!」



 よかった…


 ガストンさん良い人や!!



 俺とガストンさんはギルドに帰りピュトン討伐の報告をした。その時にガストンさん証言してくれたので証明する部位はいらなかった。



 いや、ガストンさん本当にありがとう。



 依頼を終えた俺はガストンさんと別れて宿に帰り、すぐに眠ってしまった。

改訂済み

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