アルカディア到着
やっと、アルカディアに到着した。前にも来たが、やはりこれぞ異世界と言う感じだ。街を行く人々は人間から獣人やエルフなどがいる。
さてと、ここまで来たら後は一人で大丈夫だ。しばらくは、アルカディアを拠点にして活動しよう。
「すんません。ちょっと、ララ様にお話があるんですけど」
「分かりました。ララ様に聞いて来ます」
「ありがとうございます」
礼を言うと騎士の人はララちゃんが乗っている馬車へと向かう。俺が話したいと言うことを伝えてくれたようだ。
馬車を止めてララちゃんが直接降りて来て俺の方へと来てくれた。わざわざ、出向いてくれるとは思わなかった。
「話って?」
「俺はここまででいいよ。宿探したいから」
「ダメ!!!」
普段のララちゃんからは想像も出来ないほどの大声が出る。しかも、俺の提案を拒否するのだから二つの意味で驚きである。
「な、なんで?」
「それは……ショウは私の命の恩人だから!」
反対する理由を聞いても、良く分からない。今回は特になにもしていないのだから、俺としてはいつまでも甘えるわけにはいかない。
「あの、ララちゃん。俺今回は何もしてないよ?」
「そ、それは……」
「それに俺、しばらくはアルカディアにはいるよ」
「えっ?」
「えっ」
「本当!?」
「う、うん。本当だよ」
「嘘じゃない!?」
「嘘じゃないよ」
なんでこんな聞いて来るのかね?
まあ、特に気にする事でもないか。
それよりも俺は現在オルランドで指名手配されているに違いない。確証は無いけど、しばらくはアルカディアで身を隠すことにする。
もしかしたらアルカディアにも手配書とか回って来るかもしれない。その時はまた逃げようと心に決めた。
「じゃあショウの所に遊びに行ってもいい?」
「えっ? でも、ララちゃん王女様なんだからそんな勝手に俺の所に来たら行けないんじゃないか?」
「チルを護衛にするから!」
「よし許そう!」
「……」
なんでそんなジト目で睨むの?
そんな感じでララちゃんは俺が泊まる宿を紹介してくれた。なんで自分で探さずララちゃんに紹介してもらったって言うとララちゃんが遊びに来ても大丈夫な所を選んだらしいからです。
王族万歳ですね!!
そのあと俺はララちゃん一行と別れて宿の自分の部屋へと入った。
ふむ……
セリカさん所に似てるな…
みんな怒ってないかなぁ??
あー考えると怖くなった……
やだやだ!!
昼寝でもして忘れよう!!
俺はベッドへとダイブして昼寝をすることにした。そして、数時間寝ていたら部屋がノックされる。
誰かと思い、開けてみたら宿屋の店主がいた。ノックしたのは下に俺に会いたいというお客様がいるそうだ。
誰だろうと思い下へと降りる。そこにいたのはチルさんだった。チルさんの横にはフードをかぶった子がいる。
「チルさんじゃないっすか!? どうしたんすか? それにそちらの子は?」
「えっと、こちらは……そのここではなんですし、移動しませんか? よければ街を案内しますよ?」
「マジっすか!? 是非行きましょう!」
俺はチルさんとフードの子とで街へと出掛ける。チルさんの格好は普段着だと思われる格好だ。ジーパンとTシャツ、女性のジーパン姿ってなんであんなエロいんだろう。
それに尻尾も見えてるから尚更いい!!
もうね、モフモフしてみたいね!!!
元の世界では犬の尻尾とか触ってなぁ……
「あの?」
「はい?」
「あっ、いえ、先程から上の空だったので」
「あーすんません!」
今俺たちは料理屋にいる。しかもバイキング方式で何時間でも居ていいという。
飲み物もあるし最高だな!!
それに料理も美味い!!
なんでもエルフと獣人と人間の三種族で経営しているらしく、三種族それぞれが食べても美味しいと言う評判の店らしい。
「チルさん。さっきから気になったんですけどその子は?」
「ショウ様。本当にお気づきになられてないんですか?」
「えっ? だって素顔隠されたら分かりませんて」
そう言うとフードの子が被っていたフードを取り外す。その素顔はララちゃんであった。大層ご立腹である。
わーお……!
「えっとー、ララちゃん?」
「……」
「その……」
「……」
「ごめんなさいぃいい!!!」
椅子から転げ落ちるように、床へと降りて土下座をする。プライドなんて糞食らえだ。周りの目なんか気にしていられない。
今、お怒りのお姫様に気を鎮めてもらう方がよっぽど大切だ。命大事に。これ重要である。
「はぁ……もう怒ってないよ」
「本当?」
「本当だから土下座をやめて」
「あい!」
ララちゃんにそう言われたのですぐさま土下座をやめて、再び椅子へと座る。
「そういえばショウはなんであんな所を歩いてたの?」
「いやまぁ、いろいろと……」
「いろいろ?」
「そう! いろいろと!」
「教えて」
「実は……」
「実は??」
「お金が貯まったから旅してたんだ!」
「えっ……」
「えっ?」
なんでキョトンとするの??
何それ怖いんだけど?
すると、ララちゃんはテーブルにバンッと手をついて身を乗り出してくる。眼前に物凄い剣幕で迫って来るララちゃん。
「じゃ、じゃあ、お金が貯まったらショウはアルカディアから出て行くの?」
「うーん……いずれはね」
「……」
「あのララちゃん?」
「そんなのダメ……」
「えっ。ダメって」
「ダメったらダメ!!」
なんでダメなのかと聞きたいが涙目になっているララちゃんを見てしまい、言葉が出てこなかった。
俺が黙ってるとチルさんが救いの手を伸ばしてくれた。
「ララ様。ショウ様にも何か理由があるんですよ。それを私達がどうこう言う物ではありません」
「で、でも!」
「ララ様。我儘を言ってはショウ様が困っていますよ」
「あぅ……」
チルさんに論されてララちゃんは俯き黙り込んでしまった。耳もあんなに伏せちゃって、見ているこちらも悲しくなってしまう。
「すいませんショウ様」
「いや、チルさんもララちゃんも何も悪く無いっすよ」
チルさんもそれ以上は何も言わなくなってしまった。非情に気まずい雰囲気だ。誰かに代わってもらいたい。もしくは、空気を変えてくれるような人に助けて欲しい。
胃がキリキリする……
結局、その日は食事を済ませたら二人と別れた。二人と別れた後は、宿へ帰り疲れもあってかすぐに眠る事が出来た。
改訂済み




