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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第三章

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再会

 当てもない旅を続けて三日ほど経過していた。周りの景色は特に変わる事なく荒野が続いている。流石に誰とも会話せずにいたら、軽くパニックを起こしてしまう。



「うわあああああ!!!」



 叫んで見るが何も起こらない。地図もないし、周囲に街は見えない。ここはどこなのだろうかと空を見上げる。



「ん?」



 空を見ていたら微かに音が聞えた。振り返って見ても何もいない。気のせいかと思い再び前を向いた時に、背後から衝撃を受けた。



「なんだっ?」



 後ろを振り返っても何もいない。そんなはずは無いと何度も見て見るがやはりいない。バイクを止めて見たら何か音が聞こえてきた。



 なんの音だ??


 羽を羽ばたかせる音か?



 まさかと思い、もう一度空をみたら鳥型の魔物が飛んでいた。どうやら空から攻撃してきたようだ。



 これで納得!!


 って違うわ!!!



「オラ! ボケェ!! 焼き鳥にすんぞ!!」



 鳥型の魔物に叫んで見るが通じてないようで魔物が攻撃を仕掛けて来る。見えない衝撃波が襲ってくる。どうやら先程の攻撃はこれのようだった。



 しかも風属性っぽい……



 ムカついたので黒蓮を取り出す。空にいる鳥型の魔物に銃口を向けて叫ぶ。



「今夜は焼き鳥じゃああああ!!!」



 火属性の弾丸を連続で撃つ。しかし、嘲笑うかのように鳥型の魔物は全て躱した。



「おろ? てめェ、鳥のくせに生意気だぞ!!」


「クゲェ!!」


「ぶっ殺す!!」


「クケゲェ!」


「ああああああああああ!!!」



 もう我を忘れて撃ちまくる。頭の中は焼き鳥の事で一杯だ。空にいる魔物を撃ち落そうとした結果、爆煙で魔物を見失う。



「やったか?」



 盛大なフラグを建ててみたが、何の反応もないので爆死したのだと判断する。再びバイクのエンジンを掛けて走らせようとしたら衝撃波が複数来た。



「ほげえっ!!!」



 突然の事だったのでバイクから吹き飛ばされてしまう。



「くそが!!」



 悪態を吐きつつ、立ち上がる。衝撃波が飛んで来た方向を見て見ると一匹じゃ無く三十匹ほどいた。



「あれあれ? 増えてね?」


『クケケゲゲェェエエエエ!!!』


「まぁ、待て。落ち着くんだ。話し合おうじゃないか」


『クゲァァアアアアアアア!!!』


「ひええええええええ!!!」



 話し合いに応じるわけもなく、三十匹全てが襲いかかって来る。見えない衝撃波が無数に飛んでくる。



 流石にこの数は相手にしていられないので、逃げに徹する事を決めた。



「逃げるが勝ちじゃああああ!!!」


『グゥゥウウウウゲゲケケエエエエ!』



 こうして俺と鳥型の魔物の壮絶な鬼ごっこが始まる。



「俺はあああ!! 伝説の魔獣にも勝ったんだぞおおおおおおおお!!!」


「クゲギャアアアアア!!!」



 武勇伝を語るが鳥には通用しない。お構い無しに衝撃波を撃ってくる。バイクで必死に右へ左へとハンドル切って避ける。



 振り切ろうとアクセルを全開にして速度を上げる。だが、鳥は追いついてきた。これには俺もびっくりである。



「クゲゲゲェエエエエ!!!」


「うおおおあああああ!?」



 横の地面が吹き飛び、土が飛んでくる。目を守る為に腕で土塊を防ぐが細かい砂が口の中に入る。



 うえっ!!


 ぺっぺっ!!



「叫ぶのやめよう……」


「クゲアアアアアア!!!」



 人が反省している最中に割り込んでくるとは許せん。バイクを停めて異空間にしまう。そして黒蓮と白夜を取り出す。



「消し飛べや! エクスプロードバレット!!」



 二丁拳銃を構えて撃ち放った。一匹に直撃した後は、爆発を起こして三十匹いた鳥が全滅する。鳥型の魔物がボトボトと落ちてくる。



 焼き鳥!!!



 俺は落ちてきた鳥型の魔物に近付くが、魔物は焦げていたせいで食えたものじゃない。心底、落ち込んだ。



 ちくしょう……


 本気出したらこんなになるなんて……


 そりゃないぜ……



 俺はトボトボと歩き始める。当てもなく適当に何処かへと向かって。歩く事数分、俺は何かないかと考えていた。



 なんかイベントとか起こらねえの?


 こういう時って小説なら何か起こるよね!?


 王女様救出とか!


 美少女の水浴びをたまたま見てしまうとか!!


 何か無いの!?



 俺がしばらく歩いていると、後ろから蹄の音が聞こえてくる。同時に車輪の音も聞えるので振り返って見ると馬車がいた。



 見た感じ豪勢な馬車なので、貴族に思える。よくよく見たら馬車の周りには騎士みたいのがいる。



 関わらないようにしよう。俺はそのまま馬車から離れるように歩き出す。馬車の進路を邪魔しないように道から逸れる。



「ショウ!!」



 えっ?


 今、呼ばれた?


 誰に?



 横を見て見ると馬車の窓から懐かしい顔がこちらに向いていた。



「ララちゃん!!」


「久しぶり。ショウ!」



 俺は久しぶりにララちゃんと出会った。まさかララちゃんが乗っていた馬車だったとは予想もつかなかったが幸運である。



 成る程!!


 その為の騎士か!!



 俺が近付こうとしたら騎士が馬から降りて来る。そして、真っ直ぐ俺の元まで来ると俺に剣を向けて来た。



「貴様!! ララ様に向かってその態度はなんだ!」



 えっ、なに、この人?



 初対面の人間に剣を向けるなんて頭おかしい。いや、よくよく考えればララちゃんってアルカディアの王女様だった。そう考えれば納得の理由だ。



「やめて! ショウは私の……」



 私の何!?


 なんで赤くなってんの??



 俺に剣を向けていた騎士がララちゃんを見てこちらを見る。



 なんか肩震えてね?


 もしかして怒ってる??



「き、貴様……ララ様になにをしたぁ!!!」



 激昂した騎士がいきなり斬りかかって来た。流石にこの流れで殺されたくないので抵抗する。



「ふん!!」



 騎士が脳天目掛けて振り下ろしてくる剣を真剣白刃取りで受け止める。



「貴様、受け止めるな!!」


「いや、死ぬでしょ!?」


「死ねえ!!」


「ひどい!」



 この人、無茶苦茶です……



 俺がどんなに弁明しても聞く耳持たずだ。結局、そのあとララちゃんが止めてくれたおかげでなんとか事なき得た。ララちゃんに連れられてアルカディアに行くことになる。



 新しい物語が始まるんですね!


 アルカディアには獣人やエルフがいる……


 これは!!


 未来の彼女の為に頑張るぜ!!


 そういや俺って指名手配とかされてないのか?


 まあ深くは考えないでおこう。

改訂済み

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