目標達成
とうとう着いてしまった…・・・
そう!
ボスの部屋ですよ!!
確かなんだっけ??
ヴァンガラだったっけ?
ボスの名前は?
もういいや……
流れに身を任そう。
死にそうになったら逃げりゃいいんだから。
「さて、ここがボスの部屋になる。先程も言った通り気を抜くんじゃないぞ! 下手をすれば命を落とすことになる!」
『はい!!!』
「よし!それでは行くぞ!!」
『おおーーーーー!!!』
なんでこんな無駄に元気なのかね……
いや、よく見たら福田君はあまり乗り気じゃないな……
まぁスキル無しじゃ仕方ないか。
「■■■■■■■■■!!!」
ヴァンガラが鳴き声を上げる。今まで聞いた事がないおぞましい音だったので思わず驚いてしまう。
うおっ!
何か叫んでるけど威嚇してんのかな??
にしても、キモいな。
二足歩行で首が無いとかやめてくれよ!
こんなこと言ってる場合じゃないな……
戦闘に集中しよう。
「よし、まずは魔法で攻撃だ! 今までのように陣列を組んで魔法を放つんだ!!」
『火球!!!』
敵目掛けて一直線に火の玉が飛んでった。速度はバラバラで照準も別々だけどいくつかの火球が直撃してヴァンガラが苦しんでいる。
っと感心してる場合じゃないな。
次は俺達の列か。
よし!
俺は自分の番が来たので気合を入れる。団長の合図を待ちながら魔法を放つ準備をする。そして、待ちわびた団長の合図が聞こえる。
「よし次!」
『火球!!!』
「■■■……」
どうやら結構なダメージらしい。
最初に比べたら随分と弱ったような鳴き声を漏らしている。割と、俺たちの魔法は効果があったようだ。
それにしてもこの陣列はもうあれだろ!?
かの有名な織田信長だろ!
団長がどこで学んだか知らないがこれなら効率よく敵を倒せるからな!
「来るぞ!全員回避だ!!」
団長がそう叫ぶと、ヴァンガラがジャンプしてきた。
「■■■■■■■ーーーー!!!」
うおっ!
マジで飛んできやがった。
俺達は全員回避に成功した。だが、陣列が崩されてしまう。バラバラに散った俺達は取り乱してしまうが団長の掛け声により落ち着きを取り戻した。
「大丈夫だ! 落ち着け! 陣列が崩された時の対処は教えてるはずた! 冷静に対処しろ! 近接戦闘が行える者は近接戦闘!! それ以外は魔法で援護しろぉ!!!」
『はい!!!』
「■■■■■■■■■■ー!」
敵も吠えてるよ。皆余裕だね!
なんでこんな時でも息合うんだろうね……
っ!!
やば!
こっちに飛んで来た!
くそっ!
装備していた支給品の剣を咄嗟に構えて、ヴァンガラの攻撃を防ぐ。ガキンっとヴァンガラの爪と剣がぶつかる。
「ぐっ……!」
なんとか爪を受け止めたが、敵の一撃が予想以に重い。思わず、手を離してしまいそうになったが歯を食いしばって持ち堪える。
くそっ!
こいつ両手の爪で押して来やがる。
だけど、俺には武神が付いてるんでね!!
「うらぁっ!」
武神持ちの俺は物理的な攻撃なら八割も力が上昇するので押し負けはしなかった。力一杯、剣を振りぬいてヴァンガラを弾き飛ばした。
よし!
弾き返したぞ!!
「火球!」
「風球!」
ナイス援護!!
あんまりこんな所で本気出すわけには行けないからな!
このまま、魔法で倒してくれよ!
「よし、奴の態勢が崩れたぞ! 一気に仕留める!! 全員魔法で攻撃!!!」
「火球!」
「風球!」
「水球!」
「雷球!」
クラスメイトが一斉に初級魔法を放つ。色々な属性の魔法が雨のようにヴァンガラに降り注ぐ。避ける事の出来ない魔法は容赦なくヴァンガラに直撃する。
おお!
これならヴァンガラも倒せるな!!
「あともう一息だ!! 全員自分が出せる最高の魔法を使え!!」
「くらえ!! 火槍!」
「行けえ! 風刃!」
「水鞭!!」
「おらぁ!! 雷牙!!」
団長の一言でクラスメイト達がやる気になり、それぞれの本気を出した。ほとんどが、中級の魔法でヴァンガラの体力以上のダメージを叩き出した。
これはオーバーキルじゃねえか??
ま、倒せるならいいか。
「■…■■……」
プスプスと焼け焦げた煙を出しているヴァンガラはか細く鳴き声を出す。しかし、それを最後にヴァンガラは何も言わなくなった。
おっ?倒したんじゃねえか??
「た、倒したのか?」
「もう動くなよ…頼むから」
「変なこと言わないでよ。」
「はあ…はあ…」
そこまで疲れたか??
まぁ自分が出せる最高の魔法を使ったんだからキツイか。
お?
ヴァンガラが光の粒子になった。これでヴァンガラを倒したんだな。どういう原理で倒した魔物が光の粒子になんだろう。まぁ今はどうでもいいか。
「よくやった!! 少し苦戦はしたもののヴァンガラを倒したな!! 目標の15層も達成したから、引き返すぞ!!」
ヴァンガラを倒したので目標を達成したから帰れると俺は歓喜した。
やっと帰れるー!!
いやー大変だったなあー!
当分ダンジョンは来たくないね!!
改訂しました。