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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第二章

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第二、三、四試合

「ええ……第一試合がまさかの両者引き分けという形になりましたが、大変素晴らしい戦いを見せて頂きました!!ちなみにセラさんは試合終了後どこかへといってしまいました」



 あれだけのことを晒されたらな……



 ちなみにだがリズにビンタをされた。顔を真っ赤にして人をセクハラ変態呼ばわりして。俺をぶった後はどこかへと姿を消したが、恐らく父親の元であろう。



 なんでビンタされたかって?



 ナイザーさんがリズの赤裸々エピソードを話してましたからね。それが本当がどうかリズさんに聞いたらビンタですよ。



 思い出したくもない過去を掘り起こしてしまったんだから怒りますよね。



 次の第二試合は大して興味が無かったので見ていない。結果だけ聞いたら、勝者は会長だった。



 第三試合はローラが出るので応援をしなきゃいけない。いや、俺としては面倒くさいので寝てようかと思った。そしたら、リズ達に軽蔑の目で見られるので応援することにした。



 ローラの対戦相手は前回の闘技大会では優勝はできなかったが本戦にも残った強者だ。名前はジョージで熟練冒険者である。使う武器は斧でありパワー型の戦い方をする冒険者だということ。



 対するローラはレイピアであり自身のスピードを活かした戦闘方法だから真逆だということ。



 ふーん……


 そういや俺ローラの強さ知らねえや。


 丁度いいかな!


 どれくらい強いんだろな?



「さあ、第三試合ローラ選手対ジョージ選手! 一体どのような戦いを見せてくれるんでしょうか!? それでは試合開始!!!」



 合図と共にローラがジョージ選手へと突っ込む。物凄い速さで突きを繰り出すローラだが、それを全て躱すジョージ選手はさらに凄い。



 ローラが攻撃の手を緩めるとその隙を狙ってジョージ選手が斧でローラに攻撃を仕掛ける。斧が闘技場の床を破壊する。どうやらジョージ選手の一撃は見たとおりかなりのものだ。



 あんなものをレイピアでは受ける事など出来る訳がない。



 ローラもそれがわかってるらしく先程から避けてばかりだ。もし受けてしまえばやられてしまうだろう。



 ジョージ選手は片手で斧を振り回す。ローラも躱すのが精一杯のスピードをジョージ選手は持っていた。



 それでもローラの顔は諦めているようなものではかなった。むしろ喜んでいた。



 なんだあいつ?


 マゾなのか?


 わかんねぇや!!



 俺は一人考え事をしていたら試合の流れが変わっていた。会場がわっと沸くものだから思考を止めて試合に集中する。



「アクセル!」



 ローラは魔法唱えたのだろう。ローラの動きが先程よりも速くなる。ジョージ選手もローラの動きについて行けずにレイピアの突きを受けてしまう。



 ダメージのせいかジョージ選手の動きは鈍っておりそのままローラの追撃を受けてしまった。



 おお、ローラが押してるな!


 こりゃ勝ったな!!



 結果そのままローラが一気に押し切りジョージ選手を圧倒した。試合はジョージ選手の場外負けで幕を閉じた。



 ローラって案外強いんだな……


 セイレーンの時はおもっいきし足手まといだったけど……


 まあ、やっぱあの年で騎士なんだから相当なもんか……


 あの時のセイレーンは常軌を逸してたからな。



 一人うんうんと目を瞑り頷いていると、一緒に応援していた三人がいなくなっていた。どこに行ったのかと探してみると、ローラを迎えに行った様だ。待合室に戻ってきたローラがこちらに駆け寄ってくる。



「ねぇ、ショウどうだった? 私の戦い」


「凄かったな。あのアクセルって奴は加速する魔法か?」


「違うわ。私のスキルよ! まだこのスキルには秘密があるのよ」


「ヘェ〜」


「興味なさそうね」


「そりゃ……うん」


「……」


「いや、そんな睨まなくても」


「はあ~……まぁいいわ! 次はキアラ先輩の番ですね!」



 そう言ってキアラの方へとローラは顔を向ける。キアラはその言葉に対し笑顔で答える。



「はい! 腕がなりますよ!!」



 もうめっちゃ目がキラキラしてる。これでもかというくらい輝いている。もう何も言うことはない。ただの戦闘狂である。



 第四試合はキアラさんとボンドさんだ。



 ボンドさんはモーニングスターを使っている。モーニングスターは棍棒の先に棘上の球体が付いているメイスのような打撃系武器だ。



 正直、剣を主体としてるキアラさんとは相性が悪いのではないかと、そう思ってしまうがキアラさんがどことなく楽しそうなので黙っておく。



 キアラさんは試合の為、待合室から出て行く。俺達も応援のため観戦出来る場所へと移動する。



 やべっ!


 トイレ行きたい!



 俺は突然の尿意が来たのでトイレへと駆け込んだ。



 俺がトイレから戻ってくると、既に試合は始まっていたようだ。リズ達も応援をしている。俺も観戦しよう。



 見たところボンド選手のモーニングスターはただのメイスではなくフレイルにもなる特殊な武器だった。



 ボンド選手は近距離中距離と分けて戦ってる。



 意外なことにあのキアラさんが苦戦をしている。なかなか自分の間合いに持ち込めないようだ。



 しかも向こうは重量系の武器だから剣で受けてしまえば砕けてしまう可能性がある。そのためさっきからキアラさんは回避に専念している。



「どうしたどうした!! ヴァルキリアも大したことねえんじゃねえか!!? さっきから避けてばかりじゃ勝てねえぞ!」



 ボンド選手がキアラさんを挑発する。キアラさんはその挑発にピクリともしていない。



「安い挑発ですね。底が知れますよ?」



 今度はキアラさんがボンド選手を挑発する。ボンド選手はそれを聞いて怒ったのかキアラさんへと突っ込む。



「ほざけぇ!!!!」



 モーニングスターを振り下ろすがそれをキアラさんは剣で受け止めようとしていた。



「馬鹿が!! 剣ごと打ち砕いてやる!!」



 だが、それは叶うことなくキアラさんが剣でモーニングスターを受け流し、そのままガラ空きになったボンド選手の脇腹に一撃を入れる。



 ボンド選手は耐え切れずそのまま戦闘不能になり第四試合はキアラさんの勝利となった。



「だから言ったじゃないですか……底が知れると」



 キアラさんカッコいい!!



 キアラさんはそのまま闘技場を後にした。これで残り四試合だ。俺は最後だから、まだまだ暇である。

改訂済み

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