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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第二章

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ルドガーVSナイザー

 翌日、俺達はトーナメント戦の為に待合室へと集合した。今日は闘技大会トーナメント戦である。会場は昨日以上の盛り上げを見せている。



 今日は二回戦目まで試合を行う。合計十二試合を行うため一回戦目から本気は出せない。考えて戦わなければならないのだ。トーナメント出場する選手が全員集まった所で司会が闘技大会を進行させる。



「さぁ、みなさん!! 今日は闘技大会本戦です!! 実況は私ことマイクがお送りします! 解説は昨日に引き続きセラさんでお送りします!!」


「よろしくお願いしますね」



 轟くような声援で会場は賑わう。みんな、この日を楽しみにしていたに間違いない。それに初戦はなんといってもオルランド王国が誇る最強の二人が戦うのだから大興奮していしまう気持ちも分かる。



「さて、それでは第一試合を始めたいと思います! それでは入場お願いします!!」



 司会かそう言うと闘技場のゲートが開かれルドガーさんとナイザー団長が闘技場へと上がった。その二人が闘技場に姿を現した瞬間、今迄以上の歓声が起こる。



 会場には観客に被害が及ばないように魔術師達が結界を張っている。なんでも神級をも防ぐほどの大層な結界を張っているため観客には一切被害が無いとのこと。



 そんなことはどうでもいい……


 今はただあの二人の戦いだ……



 さっきから横でキアラさんが尋常じゃないほど目を輝かせている。強者の戦いを見るのが大好きなキアラさんはこの二人の戦いは最高なのだろう。かくいう俺もだ。



 俺は全力を出してルドガーさんに敗北している。そのルドガーさんと互角に戦えるナイザー団長がどれだけのものか気になる。



「さあ、それでは両者が揃った所で試合開始!!」



 合図と共に二人が消えたと思ったら中央で件を交じ合わせていた。大剣と長剣がぶつかり合い、その威力を語る衝撃波が闘技場を覆った。



 もはや言葉が出なかった。それは俺だけに関わらず闘技場にいる全ての者が同じ気持ちだっただろう。



 眼前で繰り広げられる光景をどれだけの人が認識できているだろうか。息をもつかせぬ剣と剣のぶつかり合い。鳴り響く金属の音だけが鮮明に聞える。



 一進一退の攻防。一瞬でも気を抜けば真っ二つにされるほどの剣速の斬り合い。どれだけの修練を積めば、あの領域に至れるのだろうか。



 そして両者は離れる。まるで、先程までのやり取りは友人との戯れのような錯覚を引き起こす。



『くくく……はははははははは!!!』



 両者は互いに笑い合う。その姿は先程まで斬り合いをしていたものではなく、久しぶりに会った友人との再会を祝うように和やかに。



「どうやら腕は落ちてないようだな。ナイザー」


「ふふ、貴様も娘にかまけて弱っていると思ったがどうやら違ったようだな」


「ほう? そういう貴様は娘とは上手く行ってるのか?」


「ふっ……何を言うかと思えばばその程度か……」


「何?」


「貴様のように娘に嫌がられる行為などはしてないのだよ、ルドガー」


「ほほう……どうやら決着を付けねばならんようだな」


「面白い! いつぞやの決着つけようぞ!!」



 再び剣を構える二人。闘技場に緊張が走る。これから起きるであろう真の最強を決める戦いに。



「うちのセラとマリーが可愛いに決まっとろうがあああああああ!!!」


「うちのリズも負けておらんわあああああ!!!」




 開いた口が塞がらなかった。目の前の戦いに言葉が見つからなかい。ただ衝撃だったのはリズさんがナイザー団長の娘だったという事実。



 それと観客席からマルコの声が聞こえてきた気がしたが気のせいだろう。



 二人の戦いはさらに激しさを増す。これが本気ならカッコ良いんだけど、まさかお互いの娘自慢だからな。



 なんか斬撃を撃つ度にいちいち娘の自慢を繰り広げている。しかも、お互い凄まじい攻防を繰り広げているので少しづつだが傷を負っていく。



 それにしても、やっぱり闘技場のみんな呆然としてるな。それもそうだろう。最強の二人が最高の親バカなのだから。



 どんどん二人の傷は増えていく。傷は増える一方で剣速はさらに激しくなる。やっぱり強い。あの二人は本当に強い。



 そして、お互いの剣が手から離れ空を舞った。終わりかと思えたが二人はそのまま拳の殴り合いになり、再び戦いを始めた。



「ナイザーあああああああああ!!!」


「ルドガーあああああああああ!!!」



 互いの名を呼び合い殴り合いをする二人。先程までは剣を使った苛烈で華麗な戦いだったが、今は少年のように泥臭い殴り合いをしている。それでも、あの二人の戦いは絵になっている。楽しそうに笑ってる、あの二人。



「るあああああああああああああああああああああああああああああ!!!」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」



 やがて決着の時が訪れる。気迫の篭った咆哮を上げながら、お互いの顔面に拳がクリーンヒットして両者共にノックダウン。



 闘技場は拍手喝采の嵐だった。あんな戦いを見れば全ての者が拍手を送るだろう。と言っても最後は良かったが途中はただの娘自慢だったからな。



 結果としては両者引き分けにより試合終了となった。内容はともかく試合に関しては素晴らしいものだった。

改訂済み

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