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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第二章

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セイレーン討伐

 歌声が聞こえて来たと思ったらローラが俺に襲い掛かって来る。


「うおっ! おい、ローラ何すんだよ!」


「……」



 襲い掛かってきたローラを怒鳴るが反応がない。



 くそっ!


 操られてんのか!?



 操られているローラは無言で俺に襲い掛かる。攻撃するわけにもいかないから、躱す以外何も出来ない。



「Ahhh~」



 ローラの攻撃を避けていると歌声が聞こえる。俺はローラを無視して、聞えてきた歌声の方へと走る。



「くそったれめ! 汚え手で攻撃しやがって!」



 愚痴を吐きながら歌声のする方へと走る。セイレーンがいると確信して。その後ろからは、ローラが追いかけてくる。



「……」



 無言で追いかけてくるのは恐ろしいものだ。しかも、感情も何もないから真顔で追いかけてきている。歌声の聞こえる場所は体育館だった。ローラが後ろから迫って来ていたので扉を開けて中に入ると扉を閉める。



 体育館にいたのは歌を流しているセイレーンと思わしき魔物がいた。足がなく浮いてるようで、どこか日本の幽霊を連想させるような姿をしている。



「さて、ようやくご対面だな」


「Ahhh~」



 まだ歌ってやがる……!


 しつこいねぇ~


 俺には効かないって!



「来い! 黒蓮、白夜!」



 二丁の装飾銃をセイレーンに向けようとした時、体育館の扉が壊される。振り返ってみると、壊された扉から入って来たのは数十人の教師とローラだった。



「おいおい、マジか!」



 教師達とローラは俺に向けて魔法を放つ。全てを避けることに成功したが、反撃する間もなく魔法を連続で撃ってくる。



「ちょ、ちょ、まって!!」



 待ってと言って待ってくれる筈もなく問答無用で魔法が飛んでくる。



 くそっ!


 全員セイレーンに操られてんのかよ!


 一体、あのセイレーンは何レベルなんだよ!



「Ah~Ah~」



 セイレーンは俺の気持ちなど知ったことではない為、呑気に歌っている。攻撃を仕掛けようとしたら、魔法が飛んできて慌てて回避する。周りを見てみると、いつの間にか囲まれていた。



「くそっ! 卑怯だぞ、このヤロー!」


「Ahh~Ah~」


「くっ!」



 セイレーン自身は攻撃してこないが教師達やローラは容赦無く襲って来る。なんとかしようにも絶え間なく魔法が飛んでくる。



 しかし、回避しているときにあることを思い出す。ローラが最初操られていた時に俺が肩を掴んだら正気に戻ったことを。



 もしかして刺激を与えれば支配が解けるかもしれない!


 考えても仕方がねえ!!


 賭けてみるぜ!!



「エクスプロードバレット!」



 体育館の床面に向かって爆発する火属性の弾丸を撃ち込んだ。凄まじい爆発音が体育館に響き渡りセイレーンの歌声を掻き消す。



 激しい爆発音のおかげで教師達とローラが正気に戻る。



 どうやら賭けは成功だったみたいだ。



「う……ここは?」


「我々は一体何を?」


「あれを見ろ! セイレーンだ!」



 教師達は爆煙が晴れた先にいたセイレーンを見つけて魔法を撃つ。



「あれ? 私……」


「よう。正気に戻ったみたいだな」


「貴方が助けてくれたの?」


「そんなもんだ。それより俺達もセイレーンを倒すぞ」


「そうね。今がチャンスみたいね」



 俺とローラも正気に戻った教師達と共に魔法を連続でセイレーンに撃ち込んだ。セイレーンは成す術も無く連続で魔法が直撃してしまい死んでしまった。



 意外とあっけなかったな……



 セイレーンの討伐が終わり、気を緩めたら歌が聞えて来る。



「Ahhh~Ahh~Ah~」



 なんだとっ!?


 まさかもう一匹いやがったのか!?



 気づいた頃には遅く、教師達とローラは再び操られて襲い掛かってくる。気を抜いて油断していた俺は避けることが出来ずダメージを負ってしまう。



「ぐっ……!」


「Ahhh~」



 くそ!


 油断した!!



 態勢を立て直す為に、一旦体育館の外へと逃げ出した。その後ろを教師達が追いかけてくる。



 追い掛けてくる教師達にワザと隙を見せる。その隙を狙って襲い掛かろうした所を返り討ちにした。



 なんとか全ての教師達を戦闘不能にすることが出来た。俺は体育館へと戻るとローラがセイレーンの前に立ち塞がるように立っていた。



「成る程……ローラが追ってこなかったのはこの為だったのかよ!」



 ローラがいつの間にか持っていた剣で俺に斬りかかってくる。



「Ah~Ahhh~」


「……」



 執拗に攻めてくるローラから逃げ回る。怪我を負っているせいで思った以上に身体が動かない。出来ればやりたくなかったが止むをえない。



 斬りかかってきた瞬間を狙って俺は、ローラの懐に飛び込み抱き締めた。抱き締めたことによりローラが正気を取り戻した。



「えっ? あれ? きゃああああ!! なんで貴方、私に抱き付いてるのよ!」


「落ち着け!! お前がセイレーンに操られてるからだろうが!!」


「嘘……!」


「嘘じゃねえよ! 現に俺はお前らに襲われたんだよ!!」


「お前らって……!! それより貴方怪我してるじゃない!」


「大したことない! それより今はセイレーンを倒すのが先だ!」


「倒すって言ったって貴方と離れたら操られちゃうじゃない!?」


「ああ! だから、セイレーンをぶっ殺す! 食らえや、雷斬閃!!!」



 ローラを抱き締めたまま俺は魔法をセイレーンに向けて撃った。セイレーンに直撃してなんとか倒す事が出来た。



「やった……」


「ちょっ、ショウ!? 嘘、気絶してる?」



 気が緩んだのかセイレーンを倒した後、俺は気絶してしまった。



 そのあと聞いた話だと行方不明になっていた生徒達が遺体で発見されたらしい。



 こうして俺の行方不明者捜索依頼は幕を閉じた。なんとも後味の悪い終わり方だったがセイレーンを倒して以来、行方不明者は出て来なくなった。

改訂済み

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