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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第七章 真実の探求

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任務完了!

「ハァハァ……」


「ば、化け物……」


「どうした……もう終わり………ハァハァ……か?」


「うっ……誰でもいい! 誰でもいいから、奴を殺せ!!」



 先頭に立っている男が叫ぶ。しかし、男の後ろに控えている兵士達は恐れをなして誰一人動こうとしない。それもそのはずだ。何故ならば、既に数百人もの兵士が俺の手によって倒されているからだ。



 たった一人だと侮っていたはずなのに、気が付けば半数まで減らされているのだから。本当なら数の差で押し潰し、逃げた連中を追っているはずだった。



 だが、今の現状は想像とはかけ離れていた。その事実が兵士達の足を止めてしまい、誰一人として動けずにいるのだ。



「どうした? 来ないのなら、こちらから行くぞ?」


「ひっ」



 ちなみに、俺はわざと疲れてるフリをしている。だから、ふらつくように一歩足を出す。すると、先頭にいた男が怯えて後退りした。恐怖は感染するように後ろにいた兵士達も怯えて後退りを始める。



「や、奴とて人間だ! 体力には限界がある! 見てみろ! その証拠に奴は既に満身創痍で足元もふらついている!!! 一気に数で押し潰しばいい! 突撃ぃ!!」



 男の掛け声と共に兵士達は恐怖しながらも、俺へと向かってくる。まんまと俺の演技に騙されて、無謀にも突撃を仕掛けてきた兵士達を全て返り討ちにする。



「そ、そんな馬鹿な……」


「ほら……どうした? これで終わりか?」


「ぐくっ……」



 俺は男に気付かれないように小さな声で、コニー達と通話をする。



 〔こちら、ショウ。門兵はどうなってる?〕


 〔こちら、コニー。上手くいってるみたいだぜ。ショウの方に注意がいってて門兵までそっち向かった。今、俺達は門に向かってる最中だ。もう少しだけ、時間稼ぎ頼むぜ!〕


 〔了解〕


 〔ショウ!〕


 〔ん?〕


 〔無茶はしないように。無理だと判断したら、即座に撤退を〕


 〔ああ、わかった〕



 通信を切り、男へと顔を向ける。男は、俺が攻めてこないのを不気味に思っているのか、こちらを凝視するだけで特に何もしてこない。勿論、後ろに控えている兵士達もだ。通話してる時に仕掛けて来ればいいものを。



「オラっ! どうした!! ビビってないでかかって来いよ!!」



 俺が大声を出して挑発をすると、全員が後退りしてしまう。上手く引きつける事は出来たが、これじゃあ下手をしたら兵士達は逃げてしまう。そうなると、コニー達の作戦に支障をきたしてしまうかもしれない。それだけは避けなければならないのだが、兵士達は予想以上に怯えているから難しいかもしれない。



 とにかく、こちらに注意を向け続けなければいけない。少なくとも、コニー達が門を開けるまでは。だから、挑発を繰り返すが、やはり効果はない。



「たった一人に何をビビるんだよ! それでもテメェら男か! 怖いんなら、お家に帰ってママのおっぱいでもしゃぶってな!」



 どうだ?


 流石にここまで言われたら怒るだろ!?



「己……言わせておけばぁ!」



 おっ!


 いい感じに怒ったかな?



「奴に我らの誇りを見せてやれ! 私に続けぇっ!」



 今まで命令を出すだけの男が、先陣を切って突撃してくる。その姿に他の兵士達は鼓舞され、男に続くように俺へと向かってくる。



 そうだ!!


 それでいい!!


 こちらもその方がやりがいがある!!



「覚悟ぉっ!」



 男が叫びながら剣を振り上げる。がら空きになった腹部に拳を叩き込むと、男は膝から崩れ落ちる。男が崩れ落ちて士気が下がるかと思ったが、男がやられた事により一層士気が上がった。



 先程の男が慕われている訳ではない。だが、勇ましい姿を見れば自ずと心震えるだろう。



 故に兵士達は恐れを克服し、俺へと勇敢に立ち向かってくる。



「せぇいっ!」

「はあっ!!」

「でやあっ!」

「おりゃあ!」

「ぬぅん!!」



「くっ!」



 まさか、ここまでやるとは!


 侮っていたのは俺だったか?


 だが、この程度!



「ふっ!!」



 周囲の兵士達を一気に倒す。バタバタと周囲の兵士達は倒れていく。しかし、兵士達は倒れた兵士達に目もくれず、俺を倒そうと躍起になっており果敢に攻めてくる。



「うおっ!?」



 倒れた兵士に足を取られて、態勢を崩してしまう。そこを好機と捉えた兵士達が一斉に襲い掛かってくる。しかし、この程度で俺を討ち取れることは出来ない。いや、討ち取られる訳にはいかない。



「そこだ!!」


「ああっ!!!」



 無茶な態勢だったが、構わずに反撃を行った。しかし、その反動で身体に激痛が走った。



「ぐっ……」


「くそ! もう少しだったというのに!」


「そう簡単にやらせるかよ……」



 とは言ったものの、少々無茶をしたせいで本当に不味いかもしれない。一対一ならば早々に倒して回復すればいいのだが、集団戦なので他の兵士にも注意しないといけないので簡単には回復出来ない。



 いや、本気出せば余裕なんですがね。


 えへへ。


 舐めプ上等!!



「た、大変です!! いつの間にか、門が開けられ賊の侵入を許してしまいました!」



 そんなことを考えていたら、一人の兵士が慌てて駆け寄ってきて大声を上げながら報告した。どうやら、作戦は上手くいったようだ。



 それじゃ、俺も役目を果たそう!

誤字脱字などありましたら、感想欄にてご報告して頂けると有難いです

おかしな点がありましたら、遠慮なく指摘して下さって構いません

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