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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第七章 真実の探求

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作戦実行

「さてと、準備はいいか?」


「はい、いつでも出れます!」


「よし、なら覚悟を決めろ! 出るぞ!!」


「はいっ!!」



 複数の返事が聞こえてくる。その返事を聞いた後、すぐに走り出した。作戦を実行する時が来たのだ。森の中から、部下を引き連れて飛び出す。目指すは、今回の目標であるエンフォリオ。



 そして、俺達に課せられた任務はエンフォリオにいる兵士達を撹乱させるための囮役。一身に敵の目をきつける事が、俺達の役目であるが最も危険な役目だろう。全ての兵士を引きつける事は出来ないかもしれないが、それでも一人でも多くの兵士引きつければ、俺達はそれだけ多くの兵士から命を狙われることになる。



 まあ、誰一人として死なせないけどね!



 そんな事を考えながら、出発前にしたブライアンとの会話を思い出す。



 ◇◆◇◆


「これは?」



 ブライアンに呼ばれると、豆粒のような機械と、洗濯バサミのような機械を渡された。流石に、見たこともない物を渡されてしまったので思わず聞き返した。



「うむ。これは、遠く離れた相手と会話が出来る魔道具だ」



 つまり、無線ですね、分かります。



「なるほど。それで、なんで俺に?」


「何かあった場合にすぐに連絡出来るからだ」


「そういう事か。それで、これはどう使うんだ?」


「その小さい方を耳に付けて、大きい方を服の襟辺りに付けるんだ。小さい方が相手の声を流し、大きい方は相手に声を伝える仕組みになっている」


「ほほう。それで、これはどれだけの距離を話せるんだ?」


「ここから、アジトまでと言えばいいか?」


「ほう! なら、エンフォリオ内では余裕で会話が出来そうだな!!」


「それなんだか、この魔道具は特定の相手とは会話が出来ない」


「は? どういう意味だ、それ!?」


「言葉通りの意味だ。この魔道具は魔力を流して会話をするのだが、この魔道具を所持している者達には筒抜けになるのだ」


「それ敵も持ってたら終わりじゃん!!!」


「いや、その点は問題ない。この魔道具は同じ色の魔道具にしか反応しない。だから、敵に情報が漏れる心配はないぞ」


「それは、安心か……」


「うむ。問題は数が少なく持たせる者が私とショウ、コニーとそして、リーダーだけとなる事だ」


「ああ、それで部隊が四編成なのか」


「そういう事だ」



 俺達、反乱軍は人数が少ない。全員合わせて50人程度だ。その内、まともに戦えるのは30人程度。正直言って、よくこの程度の戦力で王国に反乱をしようと考えたものだ。元々は相当な数がいたようだが、一度敗北したせいでその数を減らしてしまった。



 ここで、俺が文句を言っても仕方がない。俺は諦めて、別の話題を出すことにした。



「それは、そうとコニーの奴は上手くやってるんだろうか?」


「コニーならば大丈夫だ。お前が心配する程じゃない」


「そうか? たしかにコニーの能力は優れてるけど、戦闘力は低いだろ?」


「大丈夫だ。戦闘力は皆無に等しくてもコニーの能力ならば問題はない」



 何気に俺より酷い事言ってるぞ!!



「そうだな。上手く協力者達と門を開けてくれりゃ良いけど……」


「その為にお前がいるのだろう?」


「ふっ……任せとけって」


「ああ。健闘を祈る」


 ◇◆◇◆



 ふと、服の襟に付けておる魔道具に目を向ける。ちょっとした、悪戯を思いつき魔道具に魔力を流して起動させた。



 〔あー、テステス。マイクテス。こちら、ショウ。聞こえたら返事をどうぞ〕


 〔こちらコニー。本日は新月なり。どうぞ〕


 〔こちら、シル――〕


 〔こちら、ブライアン!! ショウ、遊んでないで真面目にやれ!〕


 〔ふぇーい。どうぞー〕


 〔怒られてやんのー! どうぞ!〕


 〔ショウ、コニー! ふざけるのもいい加減にしろ!〕


 〔ブライアンさんのノリが悪いです。どうぞ〕


 〔もう少し肩の力を抜いた方がいいですね。どうぞ〕


 〔貴様ら、後で覚悟しておけ!〕


 〔だってよ、コニー。どうぞ!〕


 〔お前もだろ! どうぞ!〕


 〔あの、私もいる……どうぞ〕


 〔うるせー! おっさんは黙っててどうぞ!〕


 〔ショウ!! リーダーに何という口の聞き方をしている!!〕


 〔リーダー自らが許可をくれました。どうぞ!〕


 〔マジかよ! どうぞ!〕


 〔その、さっきからどうぞと付けているがなんなのだ?〕


 〔そういう仕様なんだよ。それくらい分かれよ。おっさん、どうぞ〕


 〔はい……どうぞ〕


 〔ショウ!! 貴様は後でたっぷりと説教してやる!〕


 〔許してくれって。リーダーがいいって言ったんだからさ。どうぞ〕


 〔すまない。ブライアン、ここは大目に見てやってくれ。どうぞ〕


 〔くっ……〕


 〔お遊びはここまでにしよう〕


 〔お前が言い出したのに、何言ってんだよ!〕


 〔悪い悪い。でも、目的地に到着した。これから任務を遂行する〕



 その言葉に先程までのほんわかした会話から一転する。



 〔わかった。合図があり次第、門に向かう〕


 〔こちらも、門が開き次第突入をする。既に準備は出来ている。いつでも問題ない〕


 〔了解〕


 〔諸君、健闘を祈る!!〕



 リーダーの一言を皮切りに、会話を終わらせる。そして、俺と部下達は目的地に辿り着き、準備を整える。外壁には兵士が巡回している。こちらにはまだ気付いている様子はない。



「よし、矢を構えろ!」



 部下達が矢を構える。全員が構え終えると同時に俺は敵兵にも聞こえる程の大声で部下達に矢を打つように命じた。



「撃てぇっ!!!」

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