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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第七章 真実の探求

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撃退!

 俺は木から降りると、国王軍に見つからないように姿を隠しながら近づいていく。草陰から少しだけ顔を覗かせる。完全に油断をしているのか、兵士達は欠伸をかいている。俺はその辺に落ちていた石を拾い、兵士に向かって投げた。



 投げた石は見事兵士の頭に命中する。兜にコツンと音がすると、兵士はキョロキョロと周囲を見回すと落ちている石を拾い上げる。石を見て首を傾げると、周りの兵士達に話しかけた。



 話しかけられた兵士は首を傾げ、知らないというアピールをしている。仲間の悪ふざけと思ったのか、石を持った兵士は他の兵士にも話しかけている。結局、周りにいた兵士全てに聞いて回ったが誰も知らないと答えたらしい。当たり前だ。俺が投げたのだから。



 その兵士は首を傾げながら、元の居場所に戻り石を投げ捨てた。普通、怪しんで森の中を探しに来たりするのに兵士はどうでも良かったらしく再び欠伸をかいていた。



 馬鹿なのかな??


 俺でも探しに行くぞ!!


 まあいいや。


 もう一回投げよ。



 俺はもう一度、同じ兵士に向かって石を投げる。今度は兵士の顔面にぶつかってしまい、兵士が驚いて勢い良く立ち上がった。兵士は腰に差してある剣に手をかけると、石の飛んできた方向である俺の方へと向かってくる。



 そして、丁度俺が隠れてる茂みに来ると剣を抜き茂みを突つきはじめた。必死でバレないように剣を躱して、兵士が森の中へ入ってきた所で兵士を捕まえて茂みの中へと引っ張り込んだ。



 暴れて声を上げようとする兵士を抑え込み、首を締め上げて失神させる。兵士の鎧剥ぎ取りロープでぐるぐる巻にして、声を出せないように口を塞いだ。兵士をその辺に寝かせて俺は兵士が来ていた鎧を付けると、兵士がいた場所へと戻る。



 俺が兵士に成り代わって戻り、座っていると隣に座っていた兵士が話しかけてきた。



「なにかいたのか?」


「いや、ウサギだったよ」


「ウサギが石なんか投げるのか?」


「投げないな。もしかして、反乱軍の奴かもしれねえな!」


「おいおい、それ隊長に報告した方がいいぞ!」


「ああ、そうだな! 俺ちょっと報告して来るよ!」



 そう言って立ち上がり、報告に行こうとしたら話していた兵士に呼び止められる。



「おい!」



 バレたか!?



「隊長はそっちじゃないぞ。あっちだ」


「そ、そうだったな。へへっ」



 指を指している方向に向かうと、またも兵士に呼び止められる。



「待て、貴様。何者だ?」


「えっ、な、何言ってんだよ」


「俺が指差した方向は全くの別方向だ。お前は一体何者だ?」



 こっ!!


 こいつ、カマをかけたのか!?


 くそっ!!


 馬鹿な集団だと思ってたのに!



「……」


「答えるつもりはないか」



 兵士は剣を抜き、俺へと向けてくる。俺も剣を抜こうとしたら、いつの間にか弓を向けられていた。どうやら、既に囲まれているらしい。俺は剣を離し、両手を上げて降伏のポーズをとる。俺に剣を向けている兵士は用心深く、近寄ろうとしない。



「おい、こいつを拘束魔法で取り押さえろ。妙な動きをしたら即座に矢を放て」



 こいつ!!



 周りにいた魔術師らしき兵士達が詠唱を始める。詠唱を唱え終わると兵士達の手から光の鎖が伸びて俺の身体にまとわりつく。鎖が身体に巻き付いた途端に身体がガクンと重たくなる。どうやら、魔力を封じる仕組みらしく俺は魔法を使えなくなった。



 まあ、こんなものなんて事はない!!


 想定内だっ!!!



 俺は強引に身体を回転させる。すると、拘束魔法を掛けていた兵士達が引っ張られて弓兵にぶつかる。包囲が崩れ、兵士と兵士がぶつかった事で魔法も解けて自由になった俺は目の前の兵士を一撃で沈める。



「ふっ!」


「ごはっ……ば、ばかな」



 ドサリと兵士が気絶して倒れる。俺はそのままの勢いで、弓兵達が態勢を整え直して矢を放つ前に弓兵達を片付けた。そして、起き上がろうとしている兵士達も拳骨を食らわせて眠らせる。



 一丁上がり!!!



「敵襲!! 敵襲!!!」



 騒ぎを聞きつけた兵士が叫んで周りに知らせると、一気に数百人もの兵士が押し寄せてきた。完全に包囲されてしまい逃げ場を失う。



 ふむ。


 一人に対してこれはどうなんだろうか?



「貴様、一人で乗り込んでくるとはいい度胸だな!」


「そうか? 一人だけど、既に何人か倒してるけど?」


「ふっ。たかだか数人倒した程度でいい気になるなよ。こちらは120人いるのだぞ」


「へぇ〜。すごいすごい」


「貴様……まあいい。いつまでその余裕が持つかな?」


「御託はいいからかかってきな」


「どこまでも舐めた男だ! 我々の恐ろしさを見せてやれ!!」



 兵士達は雄叫びを上げると、一斉に突撃してくる。連携が上手く攻撃の一つ一つが繋がっており休む暇もなく、兵士が襲ってくる。



 ふふっ!


 しかーし!!


 超チートの俺には無意味なりぃ!!



 嵐のような波状攻撃を全て避けながら、一人一人確実に兵士を倒していく。そして、気がつけば接近してきた兵士は全て地に伏せていた。



 残るは、魔術師と弓兵と指示を出す隊長格だけ。俺は、ゆっくりと兵士達に目を向けると兵士達は怯えて武器を投げ捨てると一斉に逃げ出した。隊長格の兵士が何かを叫ぶが聞く耳持たずで我先にと逃げていく。



「どうやら、俺の勝ちみたいだな」


「くっ……」


「どうする? 一騎打ちでもするか?」


「ぐくっ……覚えていろ!!」



 隊長らしき兵士はそう言い残すと俺に背を向けて走り出した。どうやら、逃げる事を選んだらしく馬に跨り、他の兵士と同じ方向へと逃げていった。



 もう少しくらいは楽しませて欲しかったなぁ……

誤字脱字などがありましたら、感想欄にて御報告して頂けると有難いです

おかしな点がありましたら、遠慮なく指摘して下さって構いません。


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