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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第七章 真実の探求

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アジトの中で

「ここの事は教えていない……」


「それは本当か?」


「……」



 本当かどうかをブライアンが問いただしたが、マックスはそれ以上を答える事はなかった。無理に聞いても、きっとマックスは口を割らないだろう。折角、仲間が庇ってくれてここまで連れてきて貰ったのにこの対応は酷すぎる。



「俺が中に入って確かめてこようか?」


「いや、それは危険だろう。罠が仕掛けられているかもしれない。それに敵だって潜んでいる可能性もある。もし、黒ローブだったらどうするのだ」


「その時はぶっ殺す」


「…」



 何故か、ブライアンは呆れた顔をしている。そんなにおかしい事を言ったつもりはない。俺は至って真面目に答えたのに。



「まあまあ、ブライアンさん。俺がショウと一緒に見に行くからさ」



 いつの間にか、俺の横に来ていたコニーは肩を組んで軽快に答える。いつから、コニーはこんなにも俺に馴れ馴れしくなったのだろうかと記憶を読み漁る。しかし、どう思い出してもコニーがこんなにも馴れ馴れしくなる要素というか記憶がないのである。



 もしかしたら、俺が忘れてるだけでコニーの評価が変わった事があったのかもしれない。俺は思い出せないのだが、別に大した問題はないので良しとしよう。



「仕方ない。コニーが一緒なら問題はなかろう」



 むしろ、問題では?


 てか、コニーよりも俺の方が心配されてるの?


 もしかして、それって馬鹿にしてない!?


 そうだよね!!


 きっと、そうに決まってる!!



「ショウ。何か勘違いしてるようだが、お前一人だと確実に中で迷うからだ。コニーがいた方が迷う心配が無いと思っての発言だ」



 お、おう!!


 そういう事なら仕方ないね!!



 納得した俺はコニーと共にアジトへと入って行く。中は以前のアジトと特に大した差はない。一つ一つの部屋を確認していき、最後の部屋を確認する。



 特に何も異常は無かったので、マックスの言う通りここには敵が来なかったのだろう。これなら、何も心配すること無く他の人達を呼ぶことが出来る。



 しかし、意外にもあの裏切り者のマックスは嘘をついていなかったという事だ。俺は、絶対に嘘をついていると思っていたのに。



 まあ、何も無い方がいいんだけどね。


 あったらあったで対処すればいいけど、やはり何事もなく無事なのが一番だ。



 コニーは他の人達を呼ぶ為に一度地上へと戻り、俺はしばらく一人アジトで待つことなる。そして、コニーが他の人達を呼んできて、どんどん人が増えていく。



 一応、俺達がいるのは一番広い部屋である食堂だ。しかし、今は人が溢れかえっておりサウナのように蒸し暑い。俺は、そこから抜けようとしたのだがリーダーの演説が始まり抜け出せなくなった。



「皆、無事で何よりだ。今回、流石に私もダメかと思ってしまった。しかし、新たに私達の仲間となったショウの活躍により私達は無事にこのアジトまで辿り着く事が出来た。皆、ショウに賛美を!」



 リーダーの拍手と共に反乱軍の人達が一斉に拍手を俺に送ってくる。どうせなら、言葉や拍手なんかよりも現金や食べ物とかそういう形のある物が欲しい。だが、そんな事が言えない俺は顔を少し赤くしながら、周りの人達にペコペコと頭を下げただけだった。



 我ながらヘタレ過ぎる。


 俺がもう少し図太い神経の持ち主なら……


 いや、場合によっては臭いセリフとか言うけどさ……


 基本的にはヘタレなのよね。



 すると、反乱軍の人達が左右に別れて道を作り上げる。どうやら、リーダーと同じ場所に行って何か喋ろということなのだろう。俺は、逃げる訳にもいかないので渋々リーダーの元へと歩いて行く。



「ショウ、ここへ」



 リーダーが手招きをするのでその場所に向かい、その場をくるりと回り向けていた背中から正面へと向き直る。全員がこちらを見つめて来る。思わず、緊張してしまうがリーダーに背中を叩かれて少し前に出る。



 ふぅ……


 なんて言おうか……



「ええ、まあ、こうして皆さんが無事にこのアジトに辿り着く事が出来て大変嬉しいです。道中は危ない目にも何度か会いましたが、それでもこうしてここにいられる事が幸せに思えます」



 うーん?


 こんな感じでいいのかな?



 チラリとリーダーの方へと視線を向けると、リーダーはもう少し喋れと言わんばかりに反乱軍の人達の方に向けて顎をクイクイと動かしていた。どうやら、まだまだ喋らないといけないらしい。



 くそっ!!


 そんなに喋るの得意じゃないんだよ!



「あー、その俺は反乱軍に仲間入りして短いと言うよりも、そもそも入ってすぐだ。正直言うと、俺一人で逃げてもよかった。でも、歓迎会して貰ってここの人達と少しだけ会話して……本当にいい人達だなと思った。だからこそ、俺は殿を最後まで務める事が出来たんだと思う。もし、歓迎会もされてなくて何にも会話も無かったら、きっと見捨ててた」



 そこまで言って、少し区切り反乱軍の人達を見回す。全員が動揺すること無く俺の次の言葉を待っている。



「だからこそ、俺はこの場を借りて聞いてみたい。俺は貴方達の仲間になれたと思いますか?」



 これで、ブーイングとか来たらどうしよ!


 マジ凹んだ後に反乱軍から抜けるね!


 もう絶対に仲間になるもんか!!


 ってな感じで!!

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