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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第七章 真実の探求

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お約束

「全員、そこの男を囲め! この男だけは、ここで殺さねば大きな脅威となる!!」



 ダリウスが大声で兵士達に呼びかけると、俺が逃げられないように周囲を囲んだ。グルリと周囲を見回して、ダリウスの方へと振り返る。ダリウスは剣を構えてこちらをジッと睨んでいた。



「反乱軍は追わなくていいのか?」


「構わん。今ここでお前を殺しておいたほうが後々の為になるからな」


「はっ……それじゃあまるで俺が一番厄介みたいな言い方じゃないか」


「勿論だ。確かに、元三騎士のブライアンも厄介ではある。しかし、現三騎士の我等が束になればブライアンなど相手ではない。だが、貴様は違う。貴様からは……あの得体の知れない黒ローブと同じものを感じた」



 黒ローブという言葉にピクリと反応してしまう。ダリウスはその少しの反応を見逃さず俺に質問を問いかけてくる。



「なんだ? 黒ローブに何かあるのか?」


「お前には関係な……いや、関係あるかもな」


「ほう……」


「一つ聞きたいんだが、どうしてお前等はあんなクズの塊みたいな王様に従っているんだ?」


「……悪いが答えられないな。どうしても、その答えを知りたいのなら私を倒してみるがいい」


「ああ、そう。でも、俺の目的はあくまでここから逃げる事だ。反乱軍の皆も無事に逃げ出したから、俺も遠慮なく全速力で逃げ出せる」


「この包囲網から逃げれるとでも? この私から逃げられるとでも本気で思っているのか?」


「ああ。大体、俺が逃げられないと思ってるのか?」


「大した自信だな。だが、そう簡単に逃がしはせんがなっ!」



 ダリウスが一気に加速して、俺の懐へと到達するが既に俺はそこにいない。ダリウスもそれに気づいたのか、握りしめていた剣をさらに強く握り締める。そして、部下達の前だろうと構わず空に向かって悔しそうに吠えた。



「己ぇぇぇええええ!!!」



 ダリウスが吠えてる頃、俺は既に反乱軍に合流しようと森の中を疾走していた。どうやって、あの場から逃げたかと言うと至ってシンプルだ。ダリウス達と会話をしている間に光の魔力化を行い、瞬きをした瞬間にその場に残像を作り逃走。



 言葉では簡単そうに聞こえるが、とんでもない至難技だ。まあ、それも武神という超絶チートのお陰で可能だった。本当に最高のスキルを貰ったのもだ。



 うっひょぉ!!


 神業だろう!!



 走りながら、自身の神業っぷりにニヤニヤと笑みがこぼれてしまう。多分、今の俺の顔はとてもひどいものだろう。絶対に気持ち悪いとか言われるレベルだ。



 そんな事を思いながら、森の中を駆け抜けて行く。森の中を順調に進んで行くと、前方に反乱軍の姿が見えてきた。ようやく追いつき、合流する。



「よう、待たせたな」


「ショウ!? お前、無事だったのか!?」


「コニー、俺を誰だと思ってやがる!」


「いや、そりゃ強いってのは知ってるけど。まさか、あの状況から逃げて来れるって思ってなくてさ」


「んー、まあギリギリだったんだけどな。足首も捻ってるせいで上手く行くか心配だったけども!」



 今も足首を捻った状態なのだが、そこは魔法で誤魔化せばなんとでもなる。痛みも、我慢すれば走るには問題ない程度だ。



 俺がコニーと話していると、コリンが話しかけてきた。何か、言われるだろうなと思いつつもコリンの方へと顔を向ける。



「あの……」


「なんだ?」


「わ、私……」


「言いたい事があるなら、はっきりと言った方がいいぞ。別に怒りはしないしな」


「その、ごめんなさい。私のせいで……」


「何を謝ってるか分からんが、大して気にするな。あの程度俺にとってはなんの問題もなかった。だから、今ここに俺はいるんだ」


「……貴方は強いのでありますね」


「まあなっ!」



 満面の笑みで俺が答えると、何故かコリンは笑い始めた。俺の顔が気持ち悪くて笑ったのかと思ったら、違うようでコリンは笑いながら話し始めた。



「貴方は不思議な人であります。捉え所の無い飄々とした性格なのに……何故か信じられる気がするであります」



 意味わかんないんだけど?


 バカにしてるの?


 ねぇ??


 ん?


 どうなの??



「あっ、いえ! 別に悪く言ったつもりはなくてですね、その、上手くは言えないのでありますが貴方は良い人だということです!」



 俺の顔を見て慌ててフォローを入れるコリン。どうやら、顔に出ていたようだ。



「そうか。まあ、なんでもいいさ」



 走っていたら、先頭集団が急に立ち止まる。何かあったのかと、前の方を見てみたら崖のせいで進めなくなっていたが古びた橋がかかっている。しかし、一度にこれだけの人数が渡ればたちまち橋は崩れ落ちるだろう。



 橋にはいい思い出無いんだよな~



 反乱軍は1人ずつ橋を渡り始めた。何事もなく橋を渡っていき、残すは俺とコリンとリーダーだけとなっていた。俺は一応殿を務めているので最後に渡ると言って二人を先に行かす事にしたが、これが間違いだった。



「コリン、先に」


「いいえ、ここはリーダーから行ってください」



 暫く、お互いに譲り合いが続いたがコリンの熱意に負けてリーダーから先に橋に渡る事になった。順調にリーダーが橋を渡っていたが、ここで問題が発生した。なんと、橋がリーダーの重さに耐えきれなくなり、崩れ落ちてしまった。しかも、コリンがリーダーを助けようとして手を伸ばし、リーダーがその手を取ったのだがコリンまで一緒に崖の下へ真っ逆さまに落ちていく。



 うおおおおお!?!?


 マジかぁっ!?

誤字脱字などありましたら感想欄にて御報告して頂けると有難いです。

おかしな点がありましたら遠慮なく指摘して下さって構いません。


感想などお待ちしております

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