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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第七章 真実の探求

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いよいよ脱出

「コリン!! 何してんだ! 早くこっちに来い!」


「今行くでありますっ!!」



 コリンはコニーに大声で呼ばれて返事をすると、俺の顔を一度だけ睨み付けるとコニー達の隊に加わった。



 た、助かった……


 てか、なんなの!?


 もしかして、コリンってあっちが素なの?


 だとしたら、彼女とかそんなこと言う前に!!


 フラグは絶対に立たないじゃないか!!


 ちくしょう!!


 やってられるか!!


 しかし、あれだけの見栄を切ったのだからには逃げ出すわけにも行かない。


 くそぉっ!!


 しくったぁ!!



 俺は自分の言動を後悔して頭を抱える。しかし、既に言ってしまった事なので後悔しても遅い。ならば、言葉通りに彼等、反乱軍の殿をしっかりと務めよう。そこで、名誉挽回して女性陣の好感度を上げれるように頑張ろう。出来れば、コリンも元のコリンに戻る事を祈りながら殿としての務めを果たそう。



 反乱軍の準備が出来たようで、俺の方にブライアンが近づいてくる。ブライアンは何やら言いたそうに、頭を掻いている。言いにくそうにしていて、時間が勿体なく感じた俺は自らブライアンに話しかけた。



「何か用です?」


「あぁ……いや、そのな。すまなかったな。本来ならお前の歓迎会だったはずなのに、こんな事態になってしまって……」


「別に気にしてないですよ。むしろ、喜んだらどうですか? 下手したら、反乱軍は全滅だったのに俺のおかげでそれが防がれたんですから」


「ふっ……それもそうだな。いきなり、お前に救われるとは思っていなかったが感謝をしないとな。助けてくれてありがとう」


「いえいえ。それより、あの二人はどうするんですか?」



 俺はブライアンから視線を外して、縛り付けられているマックスとファーンを指さした。ブライアンもマックスとファーンの方に視線を向けて少しだけ目を瞑り何かを考えると、俺に視線を戻してきた。



「お前はどうしたい?」



 そんな事俺に聞く!?


 大体、俺はあの二人と大した面識ないよ?


 てか、裏切り者なんだから普通に置いていけばいいじゃん!?


 何!?


 もしかして、共に過ごした仲間だからって置いてくことに躊躇してるの!?


 言っておくけど、この二人生かしていてもまた裏切られるだけだよ!!


 情にでも訴えかける気?


 そんなの無駄だからな!!



「俺は別にどちらでも……」



 俺がそう言うと、ブライアンは再び目を瞑り腕を組む。ブライアンが何かを考えていると何人かの足音が聞こえて、音のした方に顔を向けるとブライアンに向かって頭を下げていた。



「あの!! ブライアンさん。二人を許してやってはくれませんか!?」



 えっ!?


 バカなの!!??


 こいつら、君達を殺そうとしたんだよ!?



「お前達……この二人は我々を裏切り殺そうとしたのだぞ?」


「はい………分かってます。でも、それでも、この二人は俺らの大切な仲間なんです」



 あれれぇ〜?


 その仲間にはブライアンもいるんだけどなぁ?



「理由を聞かせてくれないか?」


「この二人は俺らとよく一緒に行動してました。何度も危ない目に合っていた俺らをこの二人は助けてくれたんです!! そんな奴らが裏切り者なはずありません! もし、裏切り者だってなら俺らを見捨てれば良かったのに!! だから、きっとこの二人にも何か理由があったに違いないんです!!」



 えぇ〜、それって仕組まれてたんじゃないの?


 信用させる為にやりそうな手口なんだけどさ〜


 もし、本当だったとしても自分を殺そうとした人を簡単に信じていいのかって話だよね〜


 そりゃ、俺も過去には殺されそうになった相手いたけどさ……


 その人の場合は本当に仕方ない理由があったからだしな〜


 まあ、いいや。


 後は、ブライアンに任せよ。



「そうか……」



 ブライアンは小さく呟くと、腕を組み目を瞑る。しばらくすると、目を開けてマックスとファーンに顔を向ける。マックスとファーンはブライアンと目が合うと気まずそうに目を逸らした。



「二人共、何か申し開きがあるなら聞こう」


「……」



 二人は顔を背けているだけで、沈黙を貫いている。先程までは口を開けば、こちらを挑発するように煽っていたのに今は頑なに口を開こうとしない。ブライアンはそんな二人を見て決断を下した。



「二人を連れてゆく。お前達はこの二人の監視を。いいな?」



 ブライアンの言葉を聞いて、頭を下げていた男女は顔を上げお互いの顔を見合わせて喜んでいる。二人は許された訳ではないが、ひとまず殺される事はなくなった。その事実に彼等は喜んでいるのだろう。



 随分と甘い考えだなと思ったが、俺も人の事が言えるような身分ではないので黙って見守ることにした。出来ることなら、誰も死なない方がいい。我儘な考えなのだろうが、俺はハッピーエンドの物語が大好きなのだ。



 物語としてはいいけど、リアルになると話はべつなんだけどね!!


 今回はまあ、俺関係無さそうだし!




「それでは、これより脱出する!!」



 ブライアン達が先頭に戻ると、リーダーが告げる。ブライアン達の先頭集団から食堂を出て行き、その後を追うように続々と走り出した。俺は、その後ろを一人追いかけて行く。



 無事に逃げれるといいんだけどな……

誤字脱字などありましたら感想欄にて御報告して頂けると有難いですm(*_ _)m

おかしな点がありましたら遠慮なく指摘して下さって構いません。

感想お待ちしております!

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