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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第二章

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後味の悪い決着

「桐谷! 奴の弱点を解析出来るか?」


「三十秒ほど掛かる!」


「へえ~、やっぱり前よりは早くなってるな! 俺が三十秒稼ぐ! 解析頼むぜ!」


「わかった!!」



 俺は桐谷と共に骸龍と向き合っている。桐谷は解析・分析のスキルを持っているので骸龍に有効なダメージを与える部位、もしくは属性を分析させる。俺は桐谷が分析する時間、三十秒をなんとしてでも稼がねばならない。



「ゴアアアアアアアアアアアアア!!」


「穿空弾!!」



 無数の風の弾丸が骸龍に放たれる。直撃はしたもののやはりダメージは入っていなかった。



 くそっ、ダメージ無しかよ!



 俺がそう思ってると骸龍が尻尾を振り下ろして来る。



 そう何度も当たるかよ!



 尻尾を避けるとそのまま剣を取り出した。ギガスドラゴンとの戦いで使用したカラドボルグを。



「ずあっ!!」



 渾身の力を振り絞り骸龍にカラドボルグを振り下ろす。骸龍は空に飛び上がりカラドボルグを避ける。



「くそっ!!」



 骸龍はそのまま天井に張り付き俺の方へと顔を向け咆哮してきた。



「グルルルルアアアアアアアアア!!」



 ビリビリと空気が震える。そして骸龍の口が光り始めた。



 あれはブレスか!!


 やべえ!!



「まだか、桐谷!?」


「あともう少しだ!!」



 俺は桐谷から目を再び天井にいる骸龍へと向ける。



 やばい!


 どうする!?



 俺はカラドボルグを消してエクスカリバーを取り出す。



 やってやろうじゃないか!!



「来い!!!」



 俺はエクスカリバーを構える。ついに骸龍の口から破壊の閃光が放たれた。真っ直ぐこちらへと向かってくる。



 俺は最大限の力を込めてエクスカリバーを振り抜く。エクスカリバーから金色の閃光が放たれる。骸龍のブレスと俺が放った金色の閃光がぶつかり合う。



「うおおおおおおおおおおおお!!!」


「ゴアアアアアアアアアアアアア!!」



 俺はさらに魔力を込めてエクスカリバーをもう一度振り抜く。金色の閃光はさらに威力を増した。骸龍もさらにブレスに魔力込めたのか威力をさらに増してきた。ほぼ互角。金色の閃光とブレスは均衡している。



 徐々に俺が押され始める。



 ぐぅ……



 少しずつ押され始めていて、徐々にだがブレスがこちらへと向かってきていた。真上からの攻撃で避ける術はない。



 その時、桐谷の分析が終わりを告げた。



「腹だ!! 奴の腹に雷属性をぶつければダメージが入る!!」


「ぐっ……わかったところで今はこの状況をどうにかしねえと!!」



 堪えながら桐谷に言うと桐谷が助太刀に来る。



「俺が全魔力を使って最上級を放つ!」


「うおっ……ぐぅ……しゃーねぇ! 頼むぞ!」


「ああ!!」



 そう言って桐谷は全魔力を込めた最上級の魔法を骸龍に向けて撃つ。



「朧蒼焔!!!」



 桐谷が放った蒼い炎が骸龍の背中へと直撃する。



「ゴアッ!」



 桐谷の魔法が直撃したことにより、少しだけだが破壊光線が弱まる。



「今だっ!!」



 俺はその好機を逃さず、もう一度魔力を込めてエクスカリバーを振り抜く。金色の閃光がさらに威力を増し、破壊光線を一気に押し返し、骸龍に直撃した。



「ガアアアアアアアアアアア!!」



 骸龍が天井からそのまま落ちてくる。背中から落ちてきた為、腹がガラ空きだった。桐谷に言われたとおり俺は雷の武器を取り出し骸龍の腹に撃ち込む。



「ケラウノス!!!」



 ケラウノスは武器と言うより雷そのもの。俺の元いた世界のギリシャ神話の神ゼウスが持つ雷だ。



 その威力は全宇宙を焼き付くすことが、出来るらしいが俺のはそこまではない。だが雷属性の神級を軽く凌駕する程の性能を秘めている。



「はああああああああああ!!!!」


「ゴアアアアアアア!!」



 ケラウノスが骸龍の腹を貫いた。



「ガッ……グオォ」



 そのまま骸龍は動かなくなり倒れた。ようやく、一安心といったところだ。これで心置きなく休める。



 勝ったんだな………


 ははっ……俺倒したのか……



「大くん!!」

「大輝さん!」

「大輝!」

「大輝様!」



 骸龍という脅威が無くなったので四人が桐谷に近づいて行く。



 はぁ~羨ましいねぇ~!


 それより、今まであいつら何してたんだ?


 俺を回復させてから何もして無かったんじゃないのか?



「みんな……」



 桐谷は全魔力を使ったせいで地面に倒れていた。



「今、回復するからね!」



 清水沙羅が桐谷をスキルで全回復させていた。しかしその時、骸龍が起き上がったのだ。



「な!! バカな!!」



 俺は気付くのが遅れ骸龍の尻尾に吹き飛ばされる。俺が吹き飛ばされたことにより、他の五人も骸龍が起き上がっていることに気が付いた。



「嘘……!」


「そんな死んだはずじゃ」


「馬鹿な……!」


「あ……あぁ……」



 四人は震えて動けない。恐怖に固まっている四人に骸龍は破壊光線を容赦なく撃った。



「うおおおおおおおおおおお!!!!」



 雄叫びを上げながら桐谷が四人の前に飛び出し四人の盾になる。己の身体を盾にして、直撃を受けた桐谷はそのまま倒れる。



「いやああああああああ!」


「大輝さん! しっかりしてください!」


「そんな……大輝!!」


「こんな……こんなことって」



 桐谷がやられたことにより四人は正気を失ってしまう。そんな四人に再び骸龍が、破壊光線を撃とうと構えていた。



 俺は身体に鞭を打ち無理矢理立ち上がる。そして《魔力化》で雷属性を纏うと、一瞬にして五人の前に移動した。



「てめえら! うるせえぞ!! さっさとそいつを連れて離れろ!!!」



 四人は、俺に怒鳴られてようやく正気を取り戻し、言われたとおりに桐谷を連れて離れていく。骸龍は破壊光線を撃とうと口を開ける。その瞬間を狙って、俺はグングニールを取り出していつものように投げはせず、俺はそのまま骸龍の口へと向かって突っ込む。



「貫けえええええええええええ!!!」



 破壊光線が放たれる。俺は破壊光線を割きながら骸龍の口へと突っ込んだ。そして、見事に口の中を突き進み首を貫いた。骸龍は貫かれたことにより、再び地面へと倒れる。



「今度こそ……倒れたんだろうな……」



 近づいて確認をする。どうやら、今度は本当に死んだみたいだ。やっと死んだかと思ってる時、あっちの四人は泣いていた。桐谷の様子も気になったので近づいてみる。



「どうした……?」


「大くんが大くんが……!」


「お願いです、大輝さん……」


「これは夢だ!! そうだ、きっとそうだ!」


「大輝様どうか、どうか……!」


「だから桐谷はどうした!?」


「目を覚まさないの……私が回復させたのに」


「そうか……」


「そうかだと!! 貴様、護衛のくせに何故私達を守らなかった!」


「大輝さんが、私達を守ってる時あなたは何をしていたんですか!!」


「何が護衛ですか!! この役立たず!」



 あまりの理不尽さに俺はブチ切れた。



「うるせえぞ!! てめえら!! 散々文句ばっかり言いやがって!! 俺と桐谷が戦ってる時に何をしてた!? 何もせずただ見てるだけだったろうが!! 都合のいい時だけ護衛をしろだ? 

 何様だてめえら!!

 桐谷、桐谷ばっか言いやがって!お前ら結局他人任せじゃねえか!!

 俺が役立たずだ? ならお前らだけでどうにかすれば良かったじゃないか! それすらせずに俺によく言えるな!! お前ら、桐谷におんぶにだっこして貰ってるだけだろうが!」



 突然のことで四人が目を丸くして固まる。まさか、言い返されるとは思いもしなかったのだろう。



「神田!! てめえは絶対防御のスキルを持ってるのになんで桐谷を守らねえ!?

 そういうのを宝の持ち腐れなんだよ!」


「ッ……!」


「緋村! てめえもだ! 絶対命中の弓があんなら骸龍の目玉を狙うことだって出来る筈だ!! なのに何故しない!!」


「う……」


「姫さん!! あんたは魔法が得意なら少しでも桐谷と協力して戦えよ!!! いつまで、守ってもらうつもりなんだ!」


「あぅ……」


「清水! お前は完全回復のスキル持ってるんだろ!? なら、桐谷は目を覚ます筈だ! 幼馴染なら桐谷を信じろや!!」


「ひぅ…」


「結局てめえらは桐谷に守られてるだけの無能だな。それで口先だけは達者の屑どもだ。本当に桐谷が好きなら桐谷みたいに己の身を呈して守れる人間になれよ」



 四人は俯き黙る。全て事実だからな。言い返す言葉もない程に言ってやった。俺としては大満足である。



「それより、あの魔法陣はなんだっんだ?」



 気になっていた魔方陣について尋ねると脱出用の転移魔法陣と教えてくれた。



「さっさと出るぞ」



 俺は骸龍の死体を異空間に放り込み、仮面とローブを創造し身につける。桐谷を担ぎ魔法陣へと乗りダンジョン入り口へと転移した。



「どこにいたんだ?」



 ダンジョンを出ると団長が俺たちに気付いて俺達がどこにいたかを聞いてきた。



「実は帰還用の魔法陣に乗ったと思ったら、別の場所に飛ばされてしまい魔物と戦っておりました」


「な! 無事だったのか?」


「ええ、幸いこの子達の援護のおかげで倒すことが出来ました」


「そうかそれは良かった。担いでる子は大丈夫なのか?」


「少し気絶して眠ってるだけです。それではこの子をお願いします」


 団長に説明を終えると担いでいる桐谷を清水達に渡す。



「それでは依頼達成ということでよろしいですか?」


「ああ、これが報酬だ。それとこれは追加になる」


「いえ、追加はいいです」


「遠慮することはない!」


「本来の報酬だけで十分です。それではこれで……」



 俺は団長から報酬を受け取りその場を後にした。これ以上の厄介事は勘弁してもらいたいと足早に立ち去る。



 ふぅ……今回の依頼はハードだったな


 ハーレム共はクズ過ぎたけど……!


 さて!


 骸龍はいくらになるんだろ!?


 楽しみだぜえええええ!!

改訂済み

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