チョロいアホの子
どうしよう〜!!
やっちまったよぉ〜!!
二人共、固まったまま動かないんですけどぉ!?
あばばばばばば!!
この空気どうしよう!!
誰か、誰か助けて下さぁぁぁい!!
俺の心の声が聞こえたのか、コリンが気まずい空気を打ち破るように質問をしてきた。
「ショウ殿! エルフには会った事があるのですか!?」
質問の内容から察するにこの大陸にはエルフが住んでないのだろう。だから、コリンはエルフについて質問してきたのだろう。俺の返答が待ち遠しいのか、期待のこもった視線を向けてくる。
質問内容はちょっとアホっぽいけど、ナイスゥ!
質問に答えたら、おっぱい揉ませてくれないかな?
無理かな?
いや、なんかいけるんじゃね!?
「エルフになら会ったことあるよ。もしかして、この大陸にはエルフはいないのか?」
「ほ、ほんとでありますかぁ!? 残念ながら、この大陸にはエルフは存在しないのであります。そ、それでやはり伝承通りに美男美女ばかりなのでしょうか!?」
「えっ、あ、ああ。エルフはみんな美男美女ばかりだったよ。子供のエルフもいたけど、将来は美男美女に育つような容姿の子供達ばかりだったな」
「ほ、ほわぁ〜! や、やはり伝承はホントだったのですね! そ、それで他にも聞きたい事がありますがよろしいでありますか!?」
コリンが立て続けに質問をしようと、俺へと詰め寄ってくるがコニーに先を越されてしまう。俺は再びコニーに肩をガッシリと掴まれてしまう。先程よりも、力が入っており地味にではあるが痛い。
痛いんですけど!!
地味に痛いんですけどぉ!!
てか、何!?
なんか、震えて俯いてるから顔見えないんですが?
怒ってるの?
ビビってるの?
どっちなのぉ!?
「ショウ! お前、レベルいくつだよ!! 本当なら、こんな事答えてくれるまで聞いちゃいけねえけど、このままじゃ気になって夜も眠れねぇよ!! 頼む!! 答えたくないと思うけど、レベルを教えてくれ!」
いや、そこまで分かってんなら聞くなよ。
答えたくないよ。
でも、答えないと離してくれそうにないしなぁ……
「ショウ。私からも頼む。お前が嘘を言っているとは思えないが、どうしても信じられないのだ。リヴァイアサンはお前も知っていると思うが、ウバルとイルミゾートの共同作戦でも討伐出来なかった魔物だ。それほど強力な魔物を返り討ちにするだけではなく、友と呼んだお前のレベルが知りたいのだ」
うーむ……
確かに、普通なら信じられない事だが……
「ちょ、ちょっと待って欲しいであります!! ブライアン殿、どういう事でありますか!? ショウ殿がリヴァイアサンと友達? いくら、ブライアン殿でも流石にそのような冗談は……まさか、本当なのですか?」
「分からんが、ショウの返答次第だ。だが、あの沈黙を見るともしかしたら本当なのかもしれない」
「コリン。お前には言ってなかったけど、ショウは手合わせで手加減してたとは言え、あのブライアンさんを倒した男なんだぞ」
「えっ? も、もうコニーお兄様まで冗談を…………えっ??」
「事実だ、コリン。私はショウと手合わせをして敗北している」
返答に困っていたら、どんどん話が膨れ上がっていく。コリンの頭はショート寸前なのか、変な動きを始めてワナワナと震えている。そして、遂に脳が処理し切れなくなったのか大声を上げてしまう。
「ええええええ!? そ、そんな!! 三騎士の一人であるブライアン殿に手合わせとは言え、勝利したと言うのですかぁっ!?!?」
「ば、馬鹿! お前!」
「あっ!!」
コニーは慌ててコリンを止めようとしたが、もう遅い。既に重要なワードは俺の耳に入った。
「交換条件だ。ブライアンさん、アンタの事を全部話してくれるのなら俺も自分の事を話そう」
ふふん!
我ながら完璧!
まあ、棚からぼたもちみたいなもんだけど!
てか、こっちは喋るのに向こうは喋らないってのが気に食わなかったし!!
勝手にベラベラ喋った俺がいけないんですけどね!
てへっ!
「あっ、あのあの! その、ショウ殿!! ブライアン殿はですね! えっと、あっと、その…………うわああああああ!!」
「うおっ!?」
コリンは必死に誤魔化そうとしていたが、上手くいかないからなのか俺にタックルをすると腰に手を回して抱き締めてきた。
うっひょぉぉぉおおお!!
おっぱいがお腹に当たってるよぉ!
柔らか〜い……
えへ……えへへへ……
「お願いでありますぅ! 何も何も聞かないで欲しいのでありますぅ!! どうか、どうかお願いしますぅ!!」
必死過ぎて涙目になっているコリン。抱き着いている上に、涙目で上目遣いなどされたら俺はもう耐えきれなかった。
「あっ、うん。やっぱ、アレだよな。無理に聞くのって良くないよね。うん。そうだよね」
俺は淡々と喋りながら、こっそりとコリンの背中に手を回して抱き締めた。コリンは必死で俺に懇願しているので全く気づいておらず、コニーとブライアンも突然俺が聞くのを辞めたのでポカンとしていて気づいていない。
やぁらかい……
幸せぇ〜……
この娘、抱き枕にして寝たいなぁ……
「ほ、ほんとでありますか?」
涙目のコリンが震える声で俺を見上げながら聞いてくる。そんな風に上目遣いされたら、頷く以外に選択肢がないではないか。それに、この娘が計算してやってるとも思えないし、ましてや演技にも見えない。この娘は本当に素直過ぎる娘なのだろう。
「ああ、もう聞かない。だから、泣き止んだらどうだ?」
「うっ……うぅ……」
泣き止むようには言ったけど、俺の服で顔を拭くのはやめて欲しいな!!
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