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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第七章 真実の探求

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再び街へ

「女が泣いた。キリッ! 理由なんてそれだけさ。キリリッッ!!」


「効果音なんて付けてんじゃねえよ!! てか、お願いだから辞めてください!! 本当に勘弁して下さい!!!」


 「この国を救ってやるよ。キリッ! 女が泣いた。理由なんてそれだけさ。キリリッ!!」


 「うわぁぁあああああああ!!」


 「ドヤ顔で言ってた時のお前は本当に気色悪かったぜ! それにしても、今思い出すだけでも……プププゥー! ギャーハッハッハッハッ!!」



 クロと共に元来た道を進んでいるのだが、先程の俺と住民達のやり取りがツボだったらしくずっと笑っている。俺のモノマネをしては笑い転げている。勢いに任せて言ったとはいえ、かなり恥ずかしいセリフのオンパレードである。



 「うぅ……思い出すだけでも死にそうだ。もう、いっその事殺してくれぇ……」


 「俺がこの国を救ってやるよ」


 「うわぁあああああ!!! やめろ! やめてくれぇ!!」



 俺の顔は、今火が出そうなくらい真っ赤に染まっているだろう。



 「へへっ。当分このネタで弄ってやるよ」


 「鬼か、テメェは……」



 このようなやり取りをしながら、街へと戻っていく。



 「それで、お前はどうする気だ?」


 「何が??」


 「何がじゃねえよ。あの住民達にも言ったようにホントにこの国を救おうって気なのか?」


 「ああ、本気だ。1度言った手前もあるが、それ以上にこの国の兵士達は許せん!」


 「まあ、大体察しはつくが……女関係だろ?」


 「まあな! この国の兵士共は権力を振りかざして、いたいけな美少女を……くそっ!! 想像するだけでも許せねえぜ!! もしかしたら、俺の未来の彼女がいるかもしれないってのに!」


 「それは無い。断じて無い」


 「そんな事、分かんねえだろ!」


 「いや、お前の事だからな。美少女と巡り会えても彼女になる未来は絶対に無い。断言してやる。お前に彼女は出来やしない」


 「そこまで言う!?」


 「ああ。今までの言動や行動を省みれば誰だって容易に想像がつく。どんなに頑張ってもお前じゃ彼女なんて作れやしないってな」


 「なっ……なっ……そ、そんなハズ」


 「そんなはずは無いって言いたいんだろ? だが、俺様に言われて分からないお前じゃないだろう」


 「うぐっ……」



 クロは言いたいことを全部言ったのか、それ以上は一言も発すること無く前へと進んでいった。俺はその後ろをついて行く。



 確かにクロの言う通りだ……


 彼女が欲しくて頑張ってるのに一向に出来る気がしない。


 だからと言って諦めてるわけじゃない。


 出来ない理由はヤツらのせいだ!!


 終末の使徒クローズ・ド・ナンバーズのせいだ。


 あいつらが俺の行く先々で厄介事を毎回起こすからだ。


 そもそもヤツらは何がしたいんだ?


 毎回、街や国や大陸やと崩壊させようとしたりして何が目的なんだ??


 それに奴らの名前は数字になっていて、徐々に下がってきている。


 まあ、どんどん面倒になってはいるが……


 あっ!!


 そう言えば、クワトルの奴が確か次の使徒には絶対に勝てないとか言ってたな。


 美少女か美女なら勝ち目が無いな!!!


 まあ、ホントに美少女や美女でも命を狙ってくるなら容赦なく倒すけどね!


 しかし、仮にクワトルの言うことが本当だったら……


 俺は勝てるのか?


 絶対に勝てないと言われたんだぞ。


 あー、だめだ。この考えは良くない。


 一度切り替えるか。



 俺は考えるのをやめて、クロの横に並ぶように小走りになる。クロの横に並び街へと歩いていく。街はもうすぐのところだ。随分と考え事をしていたようだ。こんなにも街の近くまで来ていたとは思わなかった。



 「何か考えてたのか?」


 「ん? どうしてだ?」


 「お前の歩くペースが思ったよりも速かったからだ。それで何を考えてたんだよ?」


 「いや、まあ……ちょっと未来の事をな」


 「はっ……答えたくなきゃ答えなくていいさ」


 「な、なんだ、テメェ。まるで見透かしたかのように言いやがって」


 「ふん。俺様には隠し事なんて通じねえよ」


 「そうだった……まあ、今は言わない」


 「今は……か。その内聞けるんなら待っててやるぜ」



 その言葉と同時に街へと辿り着いた。念のために、縛り付けておいた兵士達を確認しておく。兵士達のいる場所へと向かおうとしたら大声が聞こえてくる。



 「貴様らぁっ! それでも我が国の兵士かぁっ!!!」



 怒声が聞こえたので、兵士達のいる場所を物陰からこっそりと覗く。そこには俺が縛り上げた兵士達と馬に乗っている兵士と装飾された甲冑を着た男がいた。見た感じあの男が一番偉いのであろう。それに、怒鳴り散らしているからすぐに分かる。



 「それで、住民達はどこへ行ったのだ?」


 「はっ! それが先程から探し回っているのですが人っ子一人見つかりません」


 「貴様……本当に探しているのか?」


 「はっ、はい! 建物の中から周辺の敷地など探しておりますが……」


 「ふむ……貴様は再度住民の探索。私はコイツらに聞きたいことがあるのでな」


 「はっ!!」



 一人の兵士が報告を終えると足早に男の言う通り住民達を探しに行く。残念ながら、どれだけ探してもいないことを俺は知っている。



 さて、あの男は何を聞くのだろうか?

不定期更新で、すみません。

今後ともよろしくお願いします。

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