3日前
大変長らくお待たせして、申し訳ありませんでした。
あともう少しだ……
あと、ほんの少し手を伸ばせば!!
あの!
あの!!
たわわに実った!!
「おっぱ!!?? い?」
目を覚ますと、ウンディーネに膝枕をされていた。そして、俺が見ていたおっぱいはウンディーネのものだったらしい。
「……お主は一体どのような夢を見ていたのだ」
「えっ、あっ、いや……テヘッ?」
「早く私の胸から手を放せ」
いつの間にか、俺の手はウンディーネの胸を揉みしだいていた。この右手は何を勝手にしているのか。呆れた顔をするウンディーネの胸から手を放した。
「あははは〜……」
「はぁ…………たが、目覚めてよかった。このまま死ぬのではないかと思ったぞ」
「いや、そう簡単にはくたばらないって。てか、俺が気絶したのはウンディーネが物凄い勢いで飛びついて来た所為だからな? そのおかげで後頭部を思い切り地面に打ち付ける羽目になったんだし」
「うぐ……仕方無かろう。お主が心配で仕方なかったのだから。もし、死んでいたらと思うといても立ってもいられなかったのだ……」
「お、おう。心配してくれるのは嬉しいけど、せめてもう少し穏やかに見守ってくれない?」
「無理だな」
「さいですか」
俺はゆっくりとウンディーネの膝から頭を上げた。かなり、名残惜しかったがいつまでも寝てはいられないので立ち上がりウンディーネへと振り返る。
「ちなみに俺が気絶してたのってどれくらい?」
「数分程度だな。何かあるのか?」
「多分、俺を探しに来るだろうね。だから、捜索隊とかが来る前に俺はこの街から、いや、この大陸から出て行くよ」
「む……そうか」
「意外だね。止めるかと思ったのに」
「止めても行くのだろう?」
「まあね。でも、なんかウンディーネ変わったな。最初に会った時は何ていうかこうもっと冷たい感じがしてたんだけどな」
「それはお主を知らなかったからな。お主を見た時は黒髪で異界の者の気配がしたから、少し敬遠していたのだ」
「あー、そういやなんか過酷な運命が待ち受けてるって言ってたね、俺に対して」
「うむ。以前にもお前のような男を見たからな」
「なんだって!? いつ!? どこで!!?? どんな奴だった!?!? 男か?? 女か?? 年はいくつくらいだった!!」
「待て待て、落ち着け。そんなに沢山聞かれても、答えれる事はあまり無いぞ」
「そ、そうなのか?」
「ああ。何せ、私も小さい頃だったからな」
「小さい頃? ウンディーネに小さい頃なんてあるのか? いや、そもそも精霊に幼年期とかあるのか?」
「当たり前だ。私達も一つの生命なのだからな。幼年期くらいあるさ」
「そうだったんだな。それで幼年期の時に見た異世界人について教えてくれよ」
「うむ。私が小さい頃に見た異世界人はお主とはまた違った雰囲気な男だった。つかみ所のない飄々とした男でな。しかしな、その男が先代の精霊王をあっさりと倒したのは、私も驚きを隠せなかった」
「……それって何年前くらいの話?」
「ん? 二千年程前になるな」
「二、二千年前ってマジかよ……」
まさか、二千年前に勇者が来ていたとは驚きだ。自分達がこの世界初の異世界人だと思っていたのに。もしかして、世界になんらかの危機や異変が起きたら勇者が呼び出されるようにでもなってるのだろうか。今回は終末の使徒が現れたから俺たちが呼ばれたという事か?
うーむ。
考えるとしたらそれしかないよな。
でも、呼ばれた時には国王から国の危機を救ってくれというものだったし。
もしかしたら、世界の意思とやらがあるのかもしれない?
いや、でも、そうだとしたら国王とかそういう次元の話じゃなくなる。
じゃあ、なんで?
ダメだ。
考えだしたら余計に分からなくなる。
ん??
待てよ。
確か、クワトルが最後にヒントをくれたな。
世界を疑え。
もしかしたら、何か分かるかもしれないな。
「おい、どうした?」
考え込んでいた俺にウンディーネが話しかけてきた。どうやら、急に黙ったのが悪かったのだろう。ウンディーネは不安そうな表情をしている。
「ああ、すまん。少し、考え事をな」
「そうか。急に黙るから何かあったのかと思ったぞ」
「悪いな。それよりここを離れよう。結構話し込んでたからな。もしかしたら捜索隊が向かってるかもしれない」
「むっ、そうだな」
俺とウンディーネは爆心地から離れる。街に出てみると、人っ子一人いない状態だった。多分、ジン達が住民達を避難させたからいないのだろう。
これならば、都合がいい。お金が無いから必要最低限な物を適当に異空間へと入れていく。ウンディーネに怒られるかと思ったが、必要最低限な分ならばと許してくれた。女性物の干してある下着を冗談交じりで盗ろうとしたら魔法で吹き飛ばされた。もう二度としないと心に誓った。
「それで、これからどうする?」
「少し、身を隠して過ごすよ。街の様子を確認して大丈夫だと判断出来たら出て行くことにする」
「すぐに出て行くと言ったのに、変わったな」
「まあ、俺の所為でこの街が無茶苦茶になっちゃったからね。なんとかしてあげたいけども、俺責任転嫁のプロだから他の人に任せるんだ」
「見下げた根性だ」
そういう訳で、俺とウンディーネはしばらく身を隠して生活することとなった。
不定期更新ですがこれからもどうかよろしくお願いします!
病気などではありません




