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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第七章 真実の探求

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ハンナを救う

 パリンとガラスが割れる音が鳴るように障壁が砕け散った。そのせいで、クレアの乱射していた魔法が俺へと迫って来る。両腕を交差して防御態勢に入り、持ちこたえようとしたら頭の中でウンディーネが話しかけて来た。



 なにっ!?


 今死にそうなのっ!!!!


 わかる!?!?


(わかっておるわ!! とりあえず、よく見てみろ)


 見る?


 何を?


(お主の周りだ)



 言われた通りに周りを見渡すと、知らない間に水の膜が張られており魔法を防いでくれていた。



 なにこれっ!?


 俺こんなのしたっけ??


 まさか、俺の内なる力が……


(アホめ!! 障壁が壊れると同時に私が張り巡らせたのだ。お前が死ぬと同化した私まで死んでしまうからな)


 なん……だと……


 俺の内なる力じゃないだと……


 期待したのに!!


 ウンディーネたんのバカッ!


(き、貴様は……今が戦闘中だという事を理解しとらんのかっ!!!!)


 理解してるとも!!


 でも!!


 シリアスってなんか苦手!!


 だって、俺は!!


 彼女欲しさに戦ってますもの!


(…………ダメだ……勝てる気がしない)


 諦めたらダメだ!


 諦めるのは時間の無駄だぜ!


 時間の浪費は最も愚かな行為なんだよ!


(ええいっ! うるさいわっ!! アホの子め!! さっさと目の前の敵を倒さんか!)


 うーん。


 でも、美少女だぜ?


 殴れるの?


(殺されそうになってるのに何を甘い事を抜かしておるっ!! お主は女になら殺されてもいいのか!?)


 嫌だっ!


 美少女でもヤンデレはお断りよっ!!


 勿論、メンヘラも!!


 ビンタの一発や二発なら大丈夫だけど!!


 流石に刺されるのは無理っ!


(一体なんの話をしておるっ!)


 はっ!!


 つい、熱くなっちまったぜ。


 さてと…………本気で行くぞ。


(お、おぉ…………急に真面目になるな。付いていけなくなるぞ)


 これ以上クレアの相手はしてやれない。


 ハンナを助けないとな。


(ち、調子が狂いそうだ)


 おいおい。


 しっかりしてくれよ。


(誰のせいだと……いや、いい。フォローは任せろ。お主は目の前の敵に集中せい)


 ん、了解だ



「疾風迅雷!!」



 雷と風の二つを混ぜ合わせた魔力化を施してクレアの脇を抜ける。一気にハンナのいる二階の部屋を目指そうとするが、すぐ後ろをクレアが追いかけて来る。やはり、精霊王と同化をしている為に俺より速い。



(行けっ! 後ろを気にするなっ!)



 ウンディーネの声に従い、クレアを無視して二階の部屋へと飛び上がる。俺と同時にクレアも飛び上がって来た。だが、クレアは空中で動きが止まってしまう。



 そうか。


 本当に凄いな。


 精霊王ってのはよ!


(ふふん。ようやくわかったか)



 クレアが空中で動きが止まったのはウンディーネが世界の魔力を使い、水の紐でクレアの身体を縛り動きを封じたのだ。



豪雷風塵脚ごうらいふうじんきゃく!!」



 身体を捻り、回転させて脚蹴りを二階の部屋の窓へと放つ。ガラスが砕け散り、そこから中へと侵入する。中にいたクワトルが何か仕掛けようとして来たが、それよりも早くクワトルを蹴り飛ばした。



「ニョワッ!!」



 ちっ!


 吹き飛ぶ時の声がうぜぇっ!


(別によかろう……)


 いいや!


 許せないねっ!


 てか、そんな事よりハンナだ!



 血だまりの中に倒れ伏せているハンナの元へと急ぐ。倒れているハンナを抱き上げて脈をはかる。



(この出血量では……もう……)


 死なせねぇっ!!


 死なせてたまるかよ!!


 ウンディーネたん!


 諦めんのが早いんだよ!


(し、しかし………)


 しかしもくそもあるか!!



 創り上げるのはパナケイアのネックレス。また、一年寿命が減っただろうが、そんなものは知ったことじゃない。今はただ、ハンナを救うだけだ。



(な! なんと……これは奇跡か?)


 ウンディーネたんよ……奇跡ってのはゼロをイチにする事だぜ?


 奇跡じゃないさ。


 これはね。



「んぅ……ん。ショウさん?」


「遅くなって悪かった。まだ、どこか痛いところあるか?」


「あっ、えっ……確か私は……あれ……治って……る?」


「ああ。綺麗サッパリと治しておいた。胸にも傷が残ってないだろ」



 ちなみにクワトルによって撃ち抜かれた胸は綺麗に治っていますが、あくまで胸の傷だけです。撃ち抜かれた時に破れた服は知りません。ポッカリと胸の部分に穴が空いてるという事は私は何も存じません。



「ちょっ! これ丸見えじゃないですか! もしかして! いや、もしかしなくても見ましたよねっ!?」


「ダイジョウブ、オレハナニモミテナイオ」


(ガッツリ……いや、それこそ本当に穴があくほど見ていたではないか)


 黙れっ!!


 あれは治す為に致し方なかったのだ!


(いや、治った後も見ていたではないか。それに触ろうとしていたでもないか。この娘が目覚めそうになったのに気付いて手を引っ込めおったくせに)


 ち、違わいっ!!


 アレは念の為に確認を


(目視で充分だろうが!!)


 ええい!!


 よいではないか!


 少しくらいおっぱい触ったって罰当たりゃしねぇよ!


(地獄へ落ちろっ! 煩悩の塊め!!)


 ふん!!


 男なんてみんな煩悩の塊なんだよ!!


 てか、人間みんな煩悩の塊じゃい!!


 俺一人で地獄に落ちてやるか!!


(な、なんて奴だ)

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