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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第七章 真実の探求

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遂に登場、マッドサイエンティスト

「それにしても、まだ元に戻らないのか?」


「うーむ。一応、時々ステータスカードを確認してるんだが全然元に戻る気配はない」


「ポンコツのお前はただただウザいだけだから、早く元に戻ってくれよ」


「うわっ!! 助けてやったのに、家族も助けてやったのにウザいとか無いわ〜〜」


「いちいち口に出すな! そんな事くらいわかってるわ!」



 先程から廊下を歩き、ドアを見つけては中を確認している。どこの部屋も今の所もぬけの殻であり、人っ子一人見当たらない。もしかしてだけど、手に負えないということで逃げ出したのではないだろうか。



 そうだとすれば、ハンナはここにはいないかもしれない。だが、ここは軍の本部。全員が逃げ出すなんてことはないだろう。



「暇じゃのう」


「俺的には楽で良いけど、暇過ぎるのもなぁ〜」


「…………退屈」


「ちょっと〜、三人ともサボらないでよ〜」



 特殊機甲部隊の四人も、痺れを切らしたのか愚痴をこぼし始める。だんだんとイライラが積もっていき怒り出さないか不安であるが、ジンがいるので暴れられたとしても問題は無いだろう。



 建物の中を歩き回り、次の建物へと移動する。その際に機甲兵が襲い掛かって来るかと思っていたが、機甲兵は襲っては来なかった。まさか、機甲兵は数が尽きたのだろうか。尽きたのだとしたら、軍の本部にしては配置している数が少な過ぎる。



 俺だったら数万は配置しておく。いや、数十万に変えておこう。まあ、それだけいても特殊機甲部隊が相手なら意味も無いことだが。



「……ここは?」


「ここは研究施設さ。この本部の中では一番デカイ建物だ。この中じゃ、機甲兵や新兵器、軍用魔物なんかの開発が行われているのさ」


「軍用魔物? なんか聞いたことが無い単語だけど」


「言葉通りの意味さ。軍の思うままに操れる魔物のことだ。まあ、まだ試作段階でスライムやゴブリンと言った下級の魔物しか操れない。つまり、役に立たない無駄な実験なんだよ」


「へぇ〜。でも、なんでここが一番デカイんだ?」


「お前なぁ……理解しろよ。ここはいろいろな研究をしてるって言ったろ? だから、この中で実験も行われるから広いスペースが必要なんだよ。ちなみに戦闘訓練なんかもここで受ける」


「なるほど。戦闘訓練もここで受けるってことはデータとか取られるのか」


「ああ、そうだ」



 軍の本部の中で一番大きな建物、研究施設へと入って行く。中は映画とかで見た事のあるようなハイテクノロジーな施設。ぶっちゃけ俺が触ると何かが起こりそうなので見て回るだけに留める。ジンなら詳しいと思うが変な事が起きても面倒なので黙っておく。



 色々な研究室を見て回るが、ハンナは何処にもいない。一体何処へ連れ去られたのだろうか。もしかしたらここでは無い違う場所なのかと思ってしまう。しかし、イスカンテの軍の施設はここだけらしい。なので、ここにいるはずなのだ。



「デカっ!?」



 一番最奥の場所には人間の数倍はあるかと思われる扉があった。



「ここは戦闘訓練の部屋だな。まあ、ここにはいないだろう。他を当たるぞ」



 ジンがそう言って扉に背を向けた時、扉が開き始める。



「おい、誰かスイッチ押したか?」


「俺じゃ無いけど」


「俺的に違うね」


「俺……も……ちがう」


「私じゃな〜い」


「ワシでもない」


「じゃあ、なんで勝手に扉が……まさか」



 扉が開き、中へと入って行く。中は真っ暗で何も見えやしない。俺達が全員中に入り終わると、扉が閉じてしまい唯一の光も無くなってしまう。



「チッ……面倒なこった」



 突然部屋に明かりが点き、眩しさのあまり目を閉じてしまう。徐々に明かりに馴れて目を開けると、ブロック模様の部屋に二階と言うか上の方に下を見下ろせる壁一面ガラス張りの部屋がある。



 その壁一面ガラス張りの部屋からは白衣を着た細身の男が俺達を見下ろしていた。なんか異様に俺を見ている。しかも、なんか厭らしい視線を向けている。俺と白衣を着た細身の男の目が合うと男は口角を釣り上げた。



「ニョロホホホホホッッ!! ようこそっ! 勇者ショウよ!!」



 男の言葉に五人が反応して俺の方へと首を向ける。



 そんなに見つめられちゃイヤン。


 おっと、キモイな。


 自重しなきゃ。



「お前が勇者? ぷっ……ははははははっっ!」



 ジンが笑うと他の四人もつられて大笑い。ドレイクなんて腹を抱えて床を転げ回っている。



「…………気は済んだか?」


「ぷっ……くくく……ああ、もう大丈夫……くくく……ははははははっっ!」



 しばらくの間笑い続けるジン達を待つ。



「それであいつは誰よ?」


「ああ、あいつはクワトル。軍には最近入ったばかりの奴だが……ズバ抜けた頭脳を持つ天才科学者だ。それと、変人でありマッドサイエンティストでもある」


「最近入った…………あいつ、黒いフードとか着てなかったか?」


「黒いフード? 悪い、俺はあいつと会ったのが軍に入った後だから分からない。会った時には既にあの格好だったぞ」



 ふむ……つまり終末の使徒クローズ・ド・ナンバーズでは無さそうだな。



「ニョロホホホッ。ワタシは貴方が想像している通りの存在デスよ」



 ……ぶっ殺し決定だな。




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