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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第七章 真実の探求

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遂に集結!

 キャサリンが新たに仲間に加わり、いざ歩き出そうとしたのだが、気になることがあるのでジンに話し掛ける。



「ところでよ、ジン。キャサリンが乗ってたボレイアスはどこに?」


「…………あっち」



 ジンが口笛を吹きながら誤魔化すように指をさした方向に目を向けると、そこには見るも無惨なボレイアスの残骸が転がっていた。



「おい。アレはどういう事だ?」



 当然の疑問をジンにぶつける。ジンは俺の目を見ようとせずに流し目で答える。



「ど、どういう事って言われてもなぁ〜。戦ってたら勝手にああなっただけだし?」


「疑問に疑問形で返すな!! まさかとは思うがキャサリンってボレイアスが無けりゃ俺と同じくらい弱いのか?」


「いや、一応魔法が使えるから多少はお前より強い」


「くっ……弱者同盟が出来ると思ったのに!」


「私、アンタと一緒なんて嫌〜」


「だとよ」


「はん! 俺に負けたくせに何を言っているのやら」


「はあ? そういうアンタだって私に追い込まれた癖に〜」


「ふっ……負け犬の遠吠えとは正にこのことよな」


「むっかつく!!」


「まあ、お前等喧嘩はよせ。ほら、ドレイクとデュークは痺れを切らして先に進んでるぞ。俺達も早く行くぞ」



 ジンはそう言って先に進んでいるドレイクとデュークを指差す。確かにドレイクとデュークは先に進んでいるようだ。言われてみれば、先程から何も喋っていなかったのは先に進んでいたからか。せめて、少しは待とうと思わないのか。



 グダグダ言っても仕方がない。それに喧嘩していても時間を無駄に消費するだけだからな。時間の浪費は最も愚かな行為だ。何せ、お金を払っても取り戻せない一つが時間だからな。



 時は金なり。この言葉を考えた人は本当に天才だろう。俺なんかでは到底思いつきもしない言葉だ。



「ふむ…………そういや、爺さんいたよな?」


「ん? ああ、ガロンの事か。あの爺さんの事だから大して気にしなくていいぞ」


「そうなん??」


「まあ、俺の予想だと――」



 ジンが喋っていた途中、突然ドレイク達の前に機甲兵の残骸が飛んで来た。



「グアハハハハハ!! 他愛もないのう! もう少しワシを楽しませる者はおらんのかっ!」



 厳つい顔をした六本の腕を持つ爺さんが出てくる。六本と言っても四本は機械の腕であり金属特有の光沢が照明により照らされている。



「それで、予想だと当たってたのか?」


「予想通りだよ。ガロンの爺さんは面白そうな方に着くからな。俺達の方に着いてくれると思ってたさ」


「なるほど。確かにあの様子を見る限りだとお前の言うようだな」



 現在俺の視線の先ではガロンを加えたドレイク、デュークの3人組が大暴れしている。ガロンが機甲兵を千切っては投げ千切っては投げ、ドレイクが大剣で粉砕、爆砕、両断。デュークはひたすらに黙々と機甲兵を撃ち抜いている。



 ちなみにキャサリンは一番後ろで髪の毛を直したり、メイクを直したりと自由にしている。



「お前さ、よくこんな奴らが部下でやってこれたな」


「俺の苦労を分かってくれるか……」


「俺の予想だけど、特殊機甲部隊って厄介者の寄せ集めなんじゃね?」


「……そうだよ。手に負えない連中を一纏めにしたのが俺達、特殊機甲部隊さ。まあ、実力だけはズバ抜けていたから軍に置いて貰えたんだがな」


「なるほど。よくも、まあ、そんな厄介者ばかりを集めようと思ったな。軍の上層部もバカなのか」


「バカじゃねえさ。一纏めにした方が何かと便利だろう」


「それもそうか」



 いつの間にか機甲兵が全て残骸に変わっていた。再び歩き出した俺達は適当に会話を続ける。



「ああー。楽ですわ〜」


「本当にな〜」


「ちょっと二人とも。油断しすぎ〜。後ろから来てるよ〜」



 キャサリンに言われて後ろを振り向くと機甲兵が押し寄せてきていた。慌てて走ろうとしたが、その必要は全くなかった。前にいた3人がいつの間にか後ろへと回りこみ機甲兵を蹴散らしていく。



 特殊機甲部隊が揃うと、敵なしという感じだな。まあ、俺は一人と一人と戦ってきたが。キャサリンとドレイクだけはコンビで倒したけど。



 敵だと厄介でも仲間になると頼もしいな。これでゲーム特有の仲間になると弱体化なんてされたりしたら俺は怒るぞ。何様なのかと言われそうだが、言わせてもらいたい。特殊機甲部隊が負けたら俺も死んじゃうからね。



「グアハハハハハ!! やはり、ジンの部下でいる方が面白いのう!」


「迷惑な話だぜ。俺としちゃあ、もうお前らの上司なんてしたくねえんだがな」


「グアハハハハハッッ!! お前が嫌と言うともワシらはお前に付いて行くわい!」



 一人、付いて行こうとせずに普通に殺そうと襲ってきましたけど?



 キャサリンの方に目を向けると、まるでどこ吹く風というように耳をふさいでいる。



「それにしても、まさか若僧がおるとはな」


「まあ、成り行き上な」


「ふむ。若僧、もう一度ワシと勝負せんか?」



 なんで、こいつら再戦を願うの?


 俺の事考えてよ。


 むさ苦しい爺さんを相手にしたくないよ。


 可愛い子なら二つ返事でオーケーなのに!


 どうせ、断っても意味ないだろうな。



「断るっ!」


「じゃが、それを断るっ!! ワシと再戦決定じゃ!」



 なんという!


 なんという暴挙!!


 こんなことが許されていいのか!?


 否!


 断じて否!!


 許されていいはずがない!



「話を聞いたが今若僧は簡単に殺せるそうじゃのう。再戦を誓わねばうっかり手を滑らせて殺してしまいそうじゃ」


「喜んで再戦を誓いましょう」



 許す?


 許さない?


 知らないよ!!


 まだ生きていたいもの!!

いよいよクライマックスへと

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