表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/684

とある1日のこと

 クルトの結婚式が終わってから二週間が過ぎていた。その二週間の内に一つだけ大きな事がわかった。それは勇者達が学園に入学したこと。

 もう俺には関係がないからいいかと流したかったが、やはり無理である。



 どういうことじゃあああああああ!!!


 なんで学園に入学なんだあああああ!!!


 ずるいよおおおおおおおおおおお!!!


 俺も青春謳歌してええええええええ!!



 とは言っても元の世界と同じで灰色だろう。コミュニケーションが取れない訳じゃないけど、あまりクラスメイトと馴染もうとしなかったから、こっちでも変わらないだろう。



 コーヒーでも飲むか。



 俺は、今オルランド王国で人気のある喫茶店に一人でいる。どうして一人かと言われたら誘える友人がいないから。



 リズ達は現在依頼の為、王国内にはいない。セラさんは仕事が忙しい為とマリーさんは友人と遊びに。



 マルコでも連れてこようと思ったらマルコはセリカさんと買い物があるらしく無理だった。それでクルト夫妻は新婚旅行に行っていて誘うことも出来なかった。



 故に俺は一人コーヒーを飲んでいる。



 流石に人気なだけはあってコーヒーが美味い。滅多に飲まないがここなら十分俺でも飲める。



 その時事件が起きた。事件と言っても店員と客が何やら揉めているだけのようだ。迷惑な奴らだ。人がせっかくいい気分でコーヒーを飲んでいたというのに。



 店員と客はさらに揉めている。すると客が何やら石のような物を取り出し地面に投げつけた。腹いせに店を壊そうとしてるのかと覗いてみる。すると、客が投げた石が輝きを放ち始めた。



 うおっ!!


 眩しっ!!



 輝きが収まるとそこにいたのは魔物だった。どうやら、あの石は魔物を召喚する装置だったらしい。



「ヒュドラだぁああ!」



 ヒュドラ?


 うーむ



 確か俺の世界の伝説では頭が九つあるはず。しかし、あいつにはふたつしかない。そうこうしてる内に揉めていた店員がヒュドラによって食い殺される。



 店はパニックになり客たちは我先にと窓から逃げようとするが、結界が張ってあり逃げることが出来ない。



「なんで結界なんか!」


「いやぁあ!! 出して出してよ!」



 店内にいる人達は皆必死に逃げようと店の奥へ奥へと詰める。何人かがヒュドラに対抗しようと飛び出し来て魔法を放つ。



 ヒュドラにダメージは与えれても致命的なダメージは入っていなかった。



 あの人たちは冒険者か?



 俺がそう思っていると対抗してた人達がヒュドラに食われて死んでいく。



 うっ……人が死ぬとこは初めて見るな。



 気分が悪い。俺はそれだけしか思わなかった。普通なら人が殺される所をみたら悲鳴なりなんなり上げるのが普通だと思う。



 だけど俺は気分が悪い。それだけしか思わなかった。もしかしたら俺はもう普通ではないのかもしれない。



 ヒュドラはいつの間にか一箇所に集まっている人達の所へといっていた。俺には目もくれず、大量の人間を捕食しようとしている。



 流石に大勢の人間が殺されるのは見てられないので俺は武器を取り出す。



「黒蓮、白夜!」



 二丁拳銃を取り出し、すかさずヒュドラに向けて銃を撃つ。



「サンダーバレット、ファイアバレット!」


 二丁拳銃から二種類の属性弾をヒュドラに撃つ。二発の弾はヒュドラに直撃する。だが倒すことができなかったらしい。ヒュドラは俺の方へと振り向き何かを吐いて来た。



「あんた! それ避けろ!」



 突然男の声がして来て避けろと言って来た。どうやらこれが何かわかるみたいだから俺は声に従い避ける。



「あれはなんすか?」


「ヒュドラは毒を吐くんだ! あれは触れるだけで死に至る猛毒だ!!」


「助言感謝っす」



 俺はヒュドラに向き直る。毒に気をつければ大したことはない。



 さっさとケリを付けて帰ろう。



「ふっ!!」



 二発の弾丸がヒュドラの頭を正確に撃ち抜く。呆気なく爆散したので拍子抜けである。俺が気を緩めた時、一人の女性がヒュドラの方を指を差し叫んだ。



「危ない!」



 何?



 俺は咄嗟に後ろを振り返るとヒュドラが再生していた。



 くそっ!


 こいつ再生能力があったのか!?



 ヒュドラが俺に噛み付こうと首を伸ばして来る。瞬時に俺は異空間から剣を取りすと同時に首を跳ね飛ばす。



「ずあっ!!」



 危機一髪だな……



 だけど再生能力が厄介だ。弱点などがればいいのだがわからない。なら、再生出来ないスピードで斬り殺すしかないと一気にヒュドラの元へと踏み込み超高速で斬撃を放つ。



「はあああああっ!!!」



 再生する間も無くヒュドラは塵になり消える。しかし、おかしな事に気付く。ダンジョンではないから完全に消え去るなんてことは出来ないのに消えたのだ。



 俺はそのままヒュドラを召喚した男の所へと歩いていく。男は逃げることもせずその場に座り込んだ。



 なんだ?


 こいつ?



 店内から歓声が起こった。俺がヒュドラを倒したことによってここにいる人達が救われたからだ。俺にお礼を言って来る人達が沢山いた。



「そいつのせいで私の彼が死んだのよ!」



 突然一人の女が俺を指差して叫んだ。



「何を言ってるんだ君! 彼は私達の命の恩人なんだぞ」



 俺にお礼を言っていた男が女に言う。他の人達も女へ非難の声を上げる。だが女は叫ぶ。



「そいつが最初っから戦ってれば私の彼は死なずに済んだ!! なんであんたは最初っから戦わなかったのよ!!」



 女の言葉にさっきまで非難の声を上げていた連中が黙る。女は何も間違ったことを言っていない。確かに俺が最初っからヒュドラと戦っていれば被害はなかったのかもしれない。



 だが、それはたらればの話だ。今更どうこう言おうと死んだ人間が帰って来るわけでの無い。あの女はやり場のない怒りを俺に向けているだけに過ぎないのだ。



 はぁ~勘弁しろよ……



 俺は別にこの人達の為に戦ったんじゃない。ただ多くの人が殺されるのは見ていて気分が悪いからだ。だから俺は戦った。その結果この人達を救うことになったが決して俺は他人の為にではなく自分の為に戦ったのだ。



 それをどうこう言われる筋合いはない。



 だが俺が戦わなかったせいで女の彼氏が死んだのは事実。それだけは謝罪しておこうとと頭を下げる。



「すまなかった」



「謝れば許されるとでも思ってるの!? 頭を下げれば彼が帰ってくるの!? ふざけないでよ!! この、人殺し!! あんたは私の彼を勇敢に立ち向かった人達を見殺しにしたのよ!!!」



 女の言いたいことはわかる。だが俺は人間だ。誰も彼も救うことなんてできるわけがない。聖人君子でも無い俺に一体どうしろと言うのだ。



 そもそもなんで俺が赤の他人の為にそこまでしなきゃいけないのだ!!


 それがおかしい話だ!!



 そりゃリズ達やルドガーさん達がいたら話は別である。親しい人を見殺しになんてできるわけが無い。昔の俺なら逃げてるが今の俺には戦う力があるのだから立ち向かうに決まっている。



 命が助かっただけでも感謝して欲しい位だ!!


 なのに人を殺人犯呼ばわりしやがって!



 叫んでいた女は知り合いかわからないが数人の女性に囲まれて何処かへと消えて行った。



 ヒステリックな女だなぁ~~


 数ヶ月後には新しい彼氏でも作るんじゃ無いのか?


 俺も帰るか……


 胸糞悪いなあー!


 ◆◇◆◇


「なぁ、あれって山本だったよな!?」


「ああ!! あれ絶対そうだよ!」


「私も見たわ!!」


「帰って皆に報告よ!」



 ショウは知らなかった。まさかこの喫茶店にクラスメイトがいたことを。そしてこの事件をキッカケにとんでもない大事件にショウは巻き込まれることを、この時知る由もなかった。

今回は書き方を変えて見ましたあ!!


と言ってもあまり変化が無いようですが!


レビューと感想お願いします


作者の今後の励みになります!!


ついでに評価の方も!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ