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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第七章 真実の探求

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番外編 申年だぜっ!!

「フゥハハハハハハハ!!!」


「フーハハハハハハハー!」


「二人とも、はしゃぎ過ぎですよ」


「いいじゃないの、お母様。今日はお祝いなのだから」


「リーシャ姉の言う通りですけど……流石にアレは」



 魔王城ではお正月という事で餅つきを行っている。今お餅をついているのは、ヴュースト魔国の魔王ことヴァイスとその娘リューネである。



「フゥハハハハハハハ! ペッタン! ペッタンンンン!!」


「ペッタンコォオオオ!!」


「はぁ……」


「ま、まぁ、今日は許してあげましょう」


「でも、あのままだとお餅が」



 いつも以上に騒がしいのだが、今日はさらに騒がしい。これにヴォルフにミックがいれば、誰にも手がつけられない惨事になるだろう。彼等が生きていたらの話だが。



「…………」


「パパ上?」


「あなた、どうしたの?」


「いや、ヴォルフやミック、ザードの三人は元気にしているのかと思ってな……」


「それは…………」


「いや、すまぬ。今の発言は忘れて――」


「パパ上っ!! 三人もきっとお餅つきしてるよ!!」


「リューネ……」



 そんな事は誰にも分からない。だが、リューネの言う通りであって欲しいものだ。子供の戯言にしか聞こえないだろうが、それが時には大人の想像を越えるものである。



「フゥハハハハハハハッッ!! そうだな! きっと、そうであろう!!」


「うん!!」



 こうして五人だけでしていた餅つきは、いつの間にか魔国の住民達まで加わり餅つき大会へと発展していった。



 ****



「あ。明けましておめでとう」


「そこぉっ!!」


「甘いですね!」


「ふっ!!」


「負けんっ!」



 所変わって、アルツェイルではショウと関わったシエル、アニス、ルネ、ファラ、アンナ。彼女達は今カルタに夢中になっている。アンナが読み上げて他の四人が札を取り合う。



「うげえっ!」



 四人と言ったが訂正しよう。ショウの友人でもあるキースもカルタに参戦している。しかし、女四人の方が強いのか先程からキースは札を取ろうと手を伸ばすが身体ごと吹き飛ばされている。



 最早、ただのカルタではなく戦争に変わり果てている。



「ね。猫の手も借りたい」


「今度こそっ!!」


「くっ!」


「やあっ!」


「はあっ!!」


「ぐはあっ!!!」



 キースが一番に札に触れたが、カルタのルールが分かってないのか、キースを吹き飛ばして四人が札を奪い合う。ファラが手に取るが、アニスに奪われる。しかし、アニスの一瞬の隙を突きルネが札を奪う。だが、自身の持ち札に加えようとした隙を突かれてシエルに奪われてしまう。



「やりましたあっ!」


「むっ!!」


「次は取ります!」


「ふふっ! 私も本気を出そう!」


「誰か助けて……」


「では、次を読み上げますよ」



 ****



「ぬっ!? 振り出しだと!?」


「ガハハハハハッ! 残念だったな、ゼオン。おら、マスの命令に従って最初からやり直せよ」


「ゼオン様、マスの命令は絶対なので……」


「うぬぅ……よもや一位から一気に最下位とは……双六とは恐ろしいものよ」


「じゃあ、次は私」



 場所はアルカディア城。今ここではゼオン、ガストン、ララ、チルの四人が双六をしている。そして、その横でも双六をしていた。



「むっ!? ニマス戻れか」



 リュードが止まったマスはニマス戻れと書かれていた。命令に従いニマス戻った先にリュードに待っていた命令は



「バカなっ!! 一回休みだと!? これも従わねばならぬのかっ??」


「父上。止まったマスの命令は絶対ですよ。例え王であろうと従わねばなりません!」


「うぐっ……ゴール手前まで来て休みか」


「それじゃあ、次はニーナだね!」


「あっ、はい。それじゃサイコロを振ります!」


「ニーナ。別にそんなに強く握らなくてもいいのよ」


「はい、お母さん」



 高く放り投げられたサイコロが地面に落下する。コロコロとニーナの行く末を表す。



「5です!」


「おっ? 一位じゃないか!」


「やったじゃない、ニーナ」


「はい!」


「ぬぅ……抜かれてしまったかぁ」



 大盛況の双六。異世界文化はエルバース大陸中に伝わっている。この異世界文化を伝えてるのは異世界の勇者達である。お正月という事で、正月に行う定番のものを伝えて回った。結果はご覧の通りで異世界人達にも受け入れられ、大盛り上がりを見せた。



「それにしても異世界ってのは面白いものを作るね」


「そうですね。今回教えてもらったものは他にもありますけど、どれも魅力的なものばかりでしたね」


「まっ、アタシは待つだけさ」


「待つ? 何を待つんですか、姉さん?」



 双六をしている集団を遠くから眺めるように立っているロザリーとロゼッタの兎耳の姉妹。ガストンに招かれ来たものの、姉であるロザリーが双六に参加しなかった為、ロゼッタも参加しなかった。ロゼッタは内心参加したくてたまらなかったのだ。



「みんな、お待たせしました」


「少々作るのに手間取ってしまいましたが、おせちの出来上がりですよ」


「おっ! 待ってましたぁ!」


「もう、姉さん!」



 どうやら、ロザリーが待っていたのはレミアとリベルタが運んできた料理、おせちだった。これも異世界の勇者達が伝えたものだ。



「さあ、いただきましょう」

とりあえず、これで番外編ラストにします。

なんとか明日には話を進めたいです……

更新できっかなぁ……

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