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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第七章 真実の探求

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顔が貧相

 さて、リスもどきが生物でない事に気付いたのは良かったが、まさかこんな展開になるとは予想もしていなかった。



「そこを動くなよ? もし少しでもおかしな動きをすればこの女の命は無いぞ!」



 盗賊の様な男達に囲まれ、さらにはハンナが人質に取られるというびっくり仰天な展開だ。



「一つ聞きたいんだが、このリスもどきはお前らのか?」


「ああ。そうだ。そいつは機械でこの森に入って来た連中の姿を写すように造られてんだよ」


「なるほどね。しかも、遠隔操作が出来るってか?」


「ほう、詳しいじゃねえか」


「なんだ、当たってたのかよ」



 予想通りの答えに呆れながら、両手を上げる。男達は俺が完全に降伏したと思い近付いて来ようと迫って来るが、一人の男が叫んだ。



「バカヤロー! 罠かもしれねぇぞ!! そいつは貧相に見えるが機甲兵を何百体と倒してる男だぞ!」


「そうだったな!!」

「危ねぇ!」

「俺完全に行けると思ったぞ」

「俺もだ」



 聞こえないように舌打ちする。先程の一言が無ければ雑魚を蹴散らしてハンナを取り戻すことが出来たのに。しかし、こういう盗賊達の頭は案外切れ者が多いな。



 ただ一つ言わせてもらいたい。


 貧相とはなんだ!!


 貧相とは!!!


 顔か!!!


 顔が貧相に見えんのか!?


 そうだとしたら絶対に容赦せんぞ!!!



 心の中で真っ赤なマグマのように怒りを燃やして叫んだ男を睨み付ける。盗賊達の頭に思えるが、もしかしたら他にもいるかもしれない。



 油断をしてハンナを殺されたりでもしたら、俺は本気でキレちまう。多分確実にこの森どころか周辺を草木の一本も残らない程の魔法を放つ。



 人質に取られているハンナに目を向けると、ハンナは俺の視線に気づいたのかアイコンタクトを取ってくる。



 ふむ。


 悪いが俺とお前じゃアイコンタクトは無理だな。



 ハンナが何を伝えたいのか分からず、視線を外してしまう。もう一度視線を合わせると明らかに怒っているのがわかった。だって、何度も瞬きをして鋭い目つきで睨んできたのだから。



「おい! テメェらさっきから何をしてやがる!」


「いや、別に俺は何も?」


「とぼけんじゃねえぞ!! さっきから女と目が合ってただろうが!!」


「目が合っただけだろ?」


「チッ! おい、女ぁ! 答えろ! 何をしようとしてたんだぁ? 答えなけりゃテメェの命は」


「ふん! 答えたところで貴方達にはどうにも出来ませんよ! だって、これだけ人数がいてもショウさんには勝てませんからね!」


「あぁん!? 俺たちを馬鹿にしてんのかぁ?」


「馬鹿になんてしてませんよ。ただ、私を人質に取らないとマトモにショウさんとやり合えない情けない集団だなとは思ってますけど」


「テメェ!! やっぱり馬鹿にしてんじゃねえか!」


「そう思うなら早くショウさんと戦えばいいじゃないですか!」


「この女! つけあがりやがって!」



 馬鹿にされた男がハンナに近付き、手を振り上げる。そのまま手を振り下ろしハンナの頬を打とうとしたが、急に手が止まる。



「ナイスだ、ハンナ」



 男が振り下ろそうとした手を掴んでハンナに告げた。



「なっ、テメェ!?」


「おっと、お前のお仲間なら全員のびてるぜ?」


「なんだとっ!?」



 男は俺に言われて周りを見渡す。そこには盗賊達が全員倒れていた。



「嘘だろ……あの一瞬で?」


「今の俺には造作もない事よ」


「ば、バケモンめっ!!」



 男は掴まれていない手を俺の顔面に向けて、魔法を打ってくる。



「破っ!!!」



 一言、たった一言放つだけで魔法を掻き消してやった。男は俺が魔法を掻き消した事に驚き目を見開いて、固まってしまう。



「あ……あぁ!!」



 最早、やけくそになった男は蹴りを入れようと足を振り上げる。俺は軸足になっている足を男が蹴りを打つ前に蹴り飛ばして転かせる。



「っっ!!」


「さあて…………お前には言いたいことがあるんだよ」


「ひっ……た、頼む! もう二度としないから命だけは!」


「そんなことはどうでもいいんだよ。お前さ、俺の事貧相って言ったよね? あれって顔のことか?」


「か、顔? い、いや、ちげえよ! その体格とかの事を指しただけであって顔の事じゃねえよ! それに、ホラ、あんた結構イケてるぜ? もう、俺こんなイケてる男を見たことねえよ!!」


「はっはっはっはっ。で、本音言えよ?」


「ひっ、ひぃいいいいい!! ほ、本当の事を言えば許してくれんのか!?」


「そんなん俺が決めることだ。さっさと言え!」


「ほ、本当は…………」


「本当は???」


「お前の顔の事だぁっ!!!」



 雷にでも打たれたかのような衝撃が身体を駆け巡る。そして、三秒程思考が停止した。



「そうか。素直でよろしい」


「た、助かっだばはぁあっ!?!?」



 男の肩に手を乗せて落ち着かせて、男が安心した瞬間を狙って鳩尾に拳を叩き込んだ。



 分かっていたさ。


 俺の顔が貧相だってことはよ……


 でもさ、期待したって……いや、よそう。


 もう、期待なんてしちゃダメだ。


 きっとこれから先も顔の事で言われるんだろうな。


 きっとそうだ。


 だって、この世界はイケメン率高いから、俺みたいなブサイクが目立つもの……。


 あははははははは。


 彼女出来るといいなぁ……

なんかもっと最初の頃みたいに馬鹿をやらないと


では次回を!!

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