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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第七章 真実の探求

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砂ワニ

 ひとまず、バンの母親が普通に生活出来るようになるまで、しばらく滞在する事に決めた。バンの母親の了承も得ることが出来た。



 問題は特に無いが、バンが妙に懐いてしまった。俺が出掛けようとしたら付いてくるし、俺が料理を作ろうとしたら何か手伝えないかと率先して聞いてくる。



 別に嫌では無いのだが、最初の態度と違うので戸惑ってしまう。まあ、こき使ってはいるけども。バンの母親は基本ハンナが面倒を見ている。



 バンの母親は何もしないのが申し訳ないのか、勝手に動こうとする。それを止めるのがハンナの役目であり、世話役なのだ。



 最近はこんな感じで割と平和だ。



「それじゃあ、俺とハンナはギルドに行ってきますから安静にしてて下さいね。バン、しっかり見てろよ?」


「まっかせろって!」



 元気よく返事をしたバンに後を任せて、ハンナと共にギルドへと向かう。何時ものようにハンナは正門から入り、俺は壁を飛び越えて浸入する。



 慣れたもんよ!!



 ギルドに辿り着くと、中に入り適当な依頼をハンナに受けさせる。ちなみにハンナのランクがAにまで上がっていたのには驚いた。



 どうやら、ここでは依頼をこなしていけばランクアップするようになっていたようだ。俺としては高ランクの依頼も受けれるから有難い。



「ショウさん! これなんてどうです?」



 ハンナが差し出してきた依頼は砂鰐の討伐依頼だった。砂鰐って名前が気になったが、どうせ俺の明日を生きていくためのお金になるのだからどうでもいい。



 どうでも良いが砂鰐と漢字では書かれていない。そう読めただけの話だ。



 危険度はAランクの地中を自由に移動するワニのようだ。討伐部位はヒレらしい。ワニなのにヒレが付いているのかと思ったが、そこは異世界ということで納得した。



 報酬額はかなりの高め。正直言って今の生活なら一年は余裕で過ごせる額だ。流石に一年もここに滞在するなんて事はしないが。



「そうだな。これにしておくか」


「じゃあ、ちょっと受け付けに言って来ますね!」



 ハンナは受け付けへと足早に移動して、ロボットに依頼の説明を受けてから戻って来る。映画なんかで見そうな光景だ。ハンナがこちらへと戻って来て、一緒にギルドを出て行く。



「ショウさん」


「ん? なんだ?」


「なんでも、今回の依頼は奇妙らしいですよ」


「奇妙ってどういうことだよ?」


「えっと、話を聞く限りでは砂ワニなんですけど特徴が少し違うらしいんです。本来ならヒレが生えてるんですけど、今回観測された砂ワニはヒレが生えて無いそうです。でも、姿形は砂ワニと瓜二つなので砂ワニと判断したと言ってました」


「なんかややこしいな。まあ、見てみりゃわかるだろ」


「そうですね! 何時ものようにパパッと終わらせて下さいね」



 そんな会話をしながら街を出て行く。街を出て行き、砂ワニが観測された場所へとバイクを使い移動する。背中に伝わる感触が慣れてしまい感動が薄れる。



 しかーし!!


 俺としてはまだまだ行けるぞ!!


 直に触ってみたいという欲求を我慢するのも大変だがね!



 バイクを走らせること、30分。ようやく砂ワニが観測された場所へと辿り着いた。周りを見回してみると特に隠れるような物も無く、平原のような場所だった。



「ふむ、特になんの異常も無いな……」


「そう言って、前は私の片腕食い千切られましたよね?」


「うぐっ……あの時は本当にすまんかった」


「謝らなくても良いですよ。別に怒ってませんから。むしろ、ショウさんにはお世話になりっぱなしですからね」


「そ、そうか」


「でも、怖いから腕にしがみついてますね!」


「好きにしたら良いが、かえって俺が動きにくいんだが?」


「ショウさんなら大丈夫ですよ!!」



 何を根拠にこの子はこんなにも自信満々で言っているのだろうか。



 ハンナが腕にしがみついた状態で辺りを警戒する。特に何かが襲ってくる事もなく、時間だけが刻々と過ぎていく。本当にここで合ってるのか疑ってしまう。



「ハンナ、少し辺りを歩き回るぞ」


「わかりました」



 ハンナは一層手に力を入れて腕にしがみついてくる。適当に周りを歩き始めた時、地面が僅かに振動し始める。ハンナも気付いてるようで、俺の腕を握り締めている。



「大丈夫だ。何か来ても俺がすぐに対応する」


「信じてます!!」



 また、歩き始めると後ろの方の地面が激しく揺れると、何かが飛び出してくる。すぐにハンナを抱えて飛び退き、飛び出して来た何かを確認する。



 見た目は依頼書の砂ワニと一致しているが、特徴のヒレが無い。つまり、こいつは全くの別種という事になる。



 まあ、討伐するけどね!



「ハンナ、少し離れるぞ!」


「はっ、はいぃ!!」



 驚いているハンナを抱えたまま、ワニから距離を取りハンナを降ろす。ハンナを降ろした後、カラドボルグを異空間から取り出す。カラドボルグを片手にワニへと駆ける。



「一刀両断!!」



 カラドボルグを振り上げてワニへと振り下ろす。



「んなっ!?」



 しかし、カラドボルグは擦りもしなかった。ワニは地面へと潜ってカラドボルグの一撃を躱したのだ。



 舐めてかかると痛い目見そうだなぁ……

か、かかか感想とか………



では次回を!!!!

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