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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第七章 真実の探求

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毒味役

 うむむむ……


「そんなに考える必要あります?」


「当たり前だ! 何をさせようか……」


「エ、エッチな事とかはダメですからね!!」


「な、なにぃ!!??」


「そ、そんなに驚きますか? ていうか、まさか本当にエッチな事とかさせようとしてたんですか!? この変態、鬼畜、スケベ、悪魔!!」


「おんどりゃ~、何も食わせんぞ!!」


「そうやって人の弱みに付け込んで脅すなんて最低です!!」


「ぐぬぬぬ! なら、テメェに命令だ! これから一週間、語尾にニャンを付けろ! そうしたら、これを食わしてやる」



 もちろん、コレとは肉である。



「んなっ!? そんなの嫌です! 断固拒否します!!」


「ならば、肉は無しだ!」


「うぐっ! せ、せめてもう少しまともなのに変えてくれませんか?」


「断固拒否だ」


「あぅぅ……な、なら一週間じゃなく3日で」


「6日」


「ぅぅ……4日!」


「じゃあ5日で許す」


「わかりましたよ……5日ですね」


「ちなみに今からな。語尾にニャンもしくはニャだからか」


「そ、そんな!」


「おい! 違うだろうが!! はい、言い直し!」


「そ、そんにゃ! こ、これでいいですか!?」


「ふむ、まあ妥当だろう」


「はぁ……」



 とりあえずは罰ゲームのノリ的なものを提案して、これから5日間楽しもうと思う。



「さて、飯にでするか」


「はい!」


「…………」


「はいニャ……」


「声が小さい! もう一回」


「はいニャ!」


「よし! んじゃ、調理するから待ってろ」


「はいニャ」



 明らかに元気を失っているハンナ。そんなハンナを横目に見ながら怪鳥の肉を調理して行く。毒とかあったら怖いので色々な調理法を試して行く。揚げる、蒸す、煮る、焼く、炙る、と色々試していき、かなりの品数が出来上がった。



 一応燻製も作ってみようと思い魔法をフル活用して燻製を作り上げる。燻製は本来なら時間をかけるものなのだが魔法を使えばすぐに出来る。



「結構作りましたニャン?」


「ああ、毒味もしなきゃいけないからな」


「ど、毒味!? まさか、私にさせるつもりですかニャン!?」


「それもいいが、人間でやって死んだら大変だから、またあいつを呼ぶ」


「まさかクロちゃんですかニャ?」


「ああ。来いクロ!」



 魔法陣が現れてその上にクロが現れる。相変わらず呼んでいない時は寝ていることが多いらしく今も寝ている。しかし、寝ていたはずのクロが料理の匂いを嗅いだのか起き上がり、料理へと一直進。



「あっ、おいクロ待て!」


「待てと言われれば待たないのが俺様だ! いただきます!」


「あっ」



 ハンナが声を出して驚く時にはクロの口の中には料理が運ばれていた。



「ウギギギギィイイ!!!!」



 蒸した鳥料理を食べたクロは突然発狂して転げ回り悲鳴を上げた。そして、数秒後パタリと動きを止めてビクンビクンと痙攣をし始めた。



「こいつはヤヴァイ!」



 慌ててクロに駆け寄り解毒魔法を掛ける。既にクロの口の端から泡が吹き出ていた。解毒魔法をかけ終わり、クロが目を覚ます。



「クロ! 平気か?」


「さっきの俺様を見て平気だと思えるならお前の目は異常だ!! それより、なんなんだあの料理は!!」


「あれは今日殺した怪鳥なんだけど、毒とかあるかわからないから色々試して作った料理の一つだ」


「そんなものを俺様に食べさせたのか!」


「いや、お前が人の制止を無視して食べたのが原因じゃないか」


「それは、そうだが……でも、毒があるかもしれないのに料理したお前が悪いだろ!」


「まあ、それは認めるが」


「ショウさん、嘘はいけないニャ!」


「あん? おい、なんでお前語尾にニャなんて付けてんだ?」


「それを話すと長くなりますニャ。それよりもショウさんはクロちゃんに毒味をさせようとしてたんですニャ!」


「な、何?」



 ハンナに向けていた顔をゆっくりと俺の方に向けてくるクロ。目を合わせないように顔を背ける。



「おい、毒味役を俺様にさせようとしたのか?」


「ソンナコトナイヨ」


「おい、コラ。こっち見て喋れや」


「俺がクロに毒味役なんかさせる訳ないだろ?」


「ふん!」


「あっ」



 クロが俺に触れる。この瞬間クロは全てを理解した。何故ならクロの能力は触れた相手の記憶を見ることが出来るからである。つまり、俺が発言した内容もバッチリと聞いたのだ。



「ほ、ほほう? お前は俺様を殺したかったのか?」


「いや、そんなことはない! ただ、お前が毒で死にかけても俺が解毒魔法を使えるから安心かなって!」


「じゃかぁしいわ!! アホめが!! こちらとらあと一歩で三途の河を渡ってたんだぞ!!」


「生てるからいいじゃん!」


「結果に過ぎねえだろうが! もし、死んでたらどうするんだよ!!」


「そん時は……泣いてやるよ」


「っっざけんな!! 今日という今日は許さねぇ! 俺様の爪で八つ裂きにしてやる!」


「おうおう、やってみろや! テメェにはここにある料理を一つ一つ味見させてやるよ!」


「オラァアアアアア!!」


「うらぁあああああ!!」


(どう考えてもショウさんか悪いのでは? って言いたいけど今の状況じゃ聞いてくれニャいよね……あっ……心の中でもニャって言っちゃった)



 結局このあとは無駄に体力を消費した俺とクロの一人と一匹で料理を恐る恐る食べて行った。結果的に毒が含まれていたのは蒸したやつと炙ったやつだけだった。そのどちらもクロが当たったが。



 こうして、怪鳥の肉を平らげた俺たちはテントを設営して寝る事にしたのだ。

うぅ、休日の早さにビックリする……



では次回を!

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