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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第七章 真実の探求

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次から次へと

「今度はこちらの番だ!」


「ふん、モグラが調子にって、うおおおおおおお!!」



 なんと、モグラの口のドリルが飛んで来たのだ。高速回転をしながら飛んで来たドリルに一瞬驚き固まってしまったがなんとか回避に成功する。



 しかし、ドリルが無くなった事でモグラの顔は情けない事になっている。



「へっ、ドリルがなけりゃ不様だな!」


「ふっ、誰があのドリル一つだと言った?」


「な、何?」



 モグラの顔から新たなドリルが出てくる。



「ま、マジか!」


「ふふふ!! このモグーラを舐めてもらっては困るな!」


「……ネーミングセンスは無いくせに!」


「だから、それは関係無いだろう!!」



 俺はカラドボルグを取り出して駆け出す。砂を蹴り、モグラの頭上へと跳び上がり、カラドボルグを一気に振り下ろす。モグラはカラドボルグを躱して、手の爪で攻撃してくる。着地した瞬間無理矢理身体を回転させてカラドボルグで爪を弾こうとしたら、足を砂に取られてしまい滑って転けてしまう。



 しかし、運良く爪は回避する事に成功した。



「ふっ、勝利の女神は俺に微笑んでるぜ?」


「……砂に足を取られた言い訳がそれか?」


「ぐぬ……う、うるせえ!! 運も実力の一つだ、バーーカ!!!!」


「まるで、子供よのう」


「こちらとら、ようやく20歳になったばかりじゃ!!」



 嘘ではない。事実、ステータスには20歳と表記されていた。つまり、いつの間にか俺は大人の階段に登ったのだ。そう、あともう10年すれば俺は魔法使いになれる。都市伝説だが、俺は信じてる。



 ってか、この世界で既に魔法使いになってるんですけどね!


 テヘッ!



「行くぞ、オラァ!!」



 カラドボルグを構え直してモグラへと駆け出す。モグラとの距離を詰めてカラドボルグを横に一閃するが、モグラは生意気にも両腕で防いだ。



「はぁっ!?」


「ふん、大方その剣はさぞかし名のある剣なのだろうが、このモグーラを斬る事は出来んぞ。何せ、このモグーラの装甲は魔鉱石の中でも希少なステンゲイルを使っているのだからな」


「ステンゲイル?」


「なんだ、知らんのか?」


「生憎、魔鉱石とかそういうのには無知なんでねっ!!」



 カラドボルグをモグラの顔面に目掛けてぶん投げる。流石のモグラも予想外の行動に対応出来ずカラドボルグをまともに受けてしまう。だが、ただぶん投げただけなのでガンッとモグラの顔が少し衝撃を受けただけで終わった。



「なんだ、そのお粗末な攻撃は――なっ!?」



 モグラは驚くのも無理はない。何故なら今俺が手にしている物は――



「なんだ、その剣は!! 大きいなんて物じゃないぞ!」


「斬山剣!! 山をも切り裂くこの剣を受け切れるか?」



 両手でようやく持ち上げれる斬山剣を振り下ろす。モグラは流石に受け止める事が出来無いと判断して地面に潜り込んだ。



「ちぃっ!」



 斬山剣を消して、地面に手をつける。



「地裂!」



 大地が真っ二つに割れる。底が見えないほど割れ、谷が出来上がる。その谷に落っこちるのはモグラ。このまま地面を元に戻してやろうとしたら、モグラがジェット噴射で大空へと舞い上がった。



「ふぅ、危ない所だった」


「モグラが空飛んでじゃねえぞ!!」



 大地を元に戻してからヘルメスの靴を着用して飛び上がる。干将・莫耶を取り出してモグラと交戦する。空中ではモグラと俺がぶつかり合ってる。下から見たらとんでもない光景だろう。



「はぁっ!!」


「ぬぅっ!!」



 ガキィンッと爪と剣がぶつかり激しい金属音を奏でる。先程からお互いに離れては近づきぶつかるといった行為を続けている。



「ええい、こうなったら!!」



 モグラは突然地面に向かって急降下をして行く。自爆かと思ったが、モグラのドリルが回転をして地面を削り地面へと潜って行く。完全に姿を消したモグラに警戒しながら、剣を構えていると背後の地面からモグラが飛び出してくる。



「くっ!!」



 機械なので気配は感知しにくい。そのおかげで一瞬反応に遅れてしまった。それでもなんとか無理矢理身体を捻りモグラの一撃を避ける。



「くそっ!!」



 モグラはまたもや地面へと潜って行く。どこから飛び出してくるのか分からない。注意深く砂漠を見回す。



 そして、モグラが飛び出してくる。しかも、飛び出してきたのは俺のすぐ真下。だが、これは好機。干将・莫耶をしまいミョルニルを構え一気に振り下ろす。



「貫いてくれるわぁあああ!!」


「打ち砕く!! ミョルニルゥウウウウウ!」



 槌とドリルがぶつかり合う。徐々にだがドリルが押し始める。モグラのジェット噴射を見たら勢いが増されていた。ここで決める気なのだろう。だが、俺は負ける訳にはいかない。



「モグラ叩きは得意なんだよぉおおおお!!!!」



 魔力をミョルニルに込める。ミョルニルが輝き出してドリルを押しつぶして行く。



「な、なにぃいいいい!?」


「どっせぇぇえええい!!」



 ミョルニルを振り抜きモグラを地面に叩きつける。そして、最後だと言わんばかりにもう一度ミョルニルを振りかざして地面に急降下をして行く。狙うは寝そべった状態のモグラ。



「これで、トドメだぁあああ!!」



 モグラを潰す前にコックピットと思われる場所から一人の男が逃げ出していた。どうやら、あれが操縦者だったらしい。



「モグラは土の中から出てくんな!」



 目の前にはペチャンコになったモグラの残骸。そして、そのすぐ側でへたり込んでいる一人の男性。



 俺はその男性の元へと歩いて行く。



「さぁて、どうしてくれようかな?」


「ひっ、ヒィイイイ! い、命だけはぁ!!」


「命だけがいいのか? よし、任せろ!」


「ち、違う! 命だけは取らないでと言う意味です!」


「あっそ。まあ、別におっさんの命なんか要らないしな。それよりも欲しい物があるんだがぁ?」


「命以外なら何なりと!」


「なら、軍備についての知識、知恵、もとい情報を全て寄越せ」


「そ、そんな事でしたら何でも教えますよ」


「ずいぶんと軽いな」


「命あってのものですから!」


「なるほどね。じゃあ早速――」



 その時だった。俺と男性のいた場所が盛り上がり、口のようなものが現れた。



「うぎゃああああああ!!」



 すぐ様俺は飛び退き逃げ出したが男性は逃げ切る事は出来ずに口の中に飲み込まれ、そのまま噛み砕かれて死んでしまった。



「また、機械か?」



 機械かと思ったら今度は違った。出て来たのは蠍のような大型の魔物だった。



「はぁ……どうして、こう次から次へと」

ゲームセンターにあるモグラたたきは得意です。


では次回を!

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