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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第七章 真実の探求

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追っ手

 日も完全に沈み、今は月夜が空を支配している。ハンナが欠伸をしている。どうやら、かなり疲れているようだ。まあ、魔物に襲われたり、俺と出会ってしまったりと色々あったからな。無理もない。



「ハンナ、テントに入って寝たらどうだ?」


「えっ? テント使っても良いんですか?」


「疲れてるだろ? 遠慮なく使えばいい」


「ありがとうございます。でも、ショウさんはどうするんですか?」


「もう一つあるから問題ない。それより、明日も長距離を走るんだ。早く寝て、体力を回復しとけよ」


「は、はい。おやすみなさい」



 ハンナがテントの中に入って行くのを確認してから、俺は周囲の安全を確保する為に歩き出す。一応周りには隠れる物が無いので安心だが、念の為に地雷でも仕掛けておこう。地雷を仕掛け終わり、テントの方へと戻って行く。



「おう、ご苦労さん」


「クロか。お前も寝ないのか?」


「昼間に十分寝たからな。問題無い」


「そうか」



 適当にその辺に腰をかけて座る。胡座をかいて座ると、その胡座の中にクロが入り込んでくる。そこでクロは丸くなると、大きな欠伸をする。



「おい、問題無いんじゃないのか」


「腹がいっぱいになっちまったからなぁ」


「はぁ……寝るならテントの中に行けよ」


「わかってる……」



 そう言うクロはうつらうつらとしている。今にでも寝てしまいそうだ。仕方ないのでテントの中に放り込む。ハンナにぶつかり、ハンナが少し呻き声を上げたがハンナは起きる事は無かった。どうやら、かなり深く眠りについてるようだ。



 俺は寝転び星空を見上げていたら、何かが聞こえてくる。何かプロペラの回転する音が聞こえてくる。この音は昼間に聞いた機甲兵の物とそっくりだ。いや、そっくりなんてものじゃない。全く同じだ。



 飛び起きて音が聞こえてくる方角に目を向けると、そこには何十機という機甲兵達が飛んでいた。しかも、昼間に見た奴よりも武装をしている。つまり、本気になったという事だろう。



 グングニールを取り出して、機甲兵目掛けて投擲する。グングニールは機甲兵を簡単に貫くと手元に戻って来る。それを何度か繰り返し全滅させる。



 これで安心と思い寝転ぼうとしたら、パッと周囲が明るくなる。突然の光で目を手で覆ってしまう。ゆっくりと手を退けて周りを見てみると、機甲兵に囲まれていた。



 気配を感じなかったぞ!


 あっ……そうか。


 機械だから気配とかそんなの無いのか!


 くそっ、迂闊だったな。



 だけど、別に慌てるような事は無い。何故なら、機甲兵達がいるのは地雷が埋めてある場所の外側だからだ。奴等が踏み込んで来たら地雷が作動して奴等を吹き飛ばすだろう。ただし、踏み込んで来た場合だ。



 奴等が手に持っている銃を乱射して来たら、話は別だ。こうなったら仕方ないがハンナを叩き起こして逃げよう。俺は即座に行動を起こす。テントでぐっすり眠ってる一匹と一人を叩き起こす。



「お前ら、敵に囲まれた!! 逃げるぞ!!」


「ふぇっ?」


「マジか!?」


「ハンナ、寝ぼけてる場合じゃない。殺されるぞ!」


「えっえっ、は、早く逃げないと!!」


「クロ、俺に掴まれ! ハンナ、口を閉じてろ! 舌を噛むなよ!」



 クロが俺に飛び付き、ハンナを脇に抱えてテントから飛び出す。すると、その瞬間テントに向かって機甲兵達が銃を乱射してテントを蜂の巣に変える。



 そして、次は飛び出した俺たちに向かって銃を乱射してくる。物理障壁を展開して銃弾を防ぎ、走り去っていく。距離が離れた所で立ち止まりバイクを取り出す。



「乗れ、ハンナ!」


「は、はい!」



 急いでハンナがバイクに飛び乗る。ハンナが俺の腰に手を回してしがみついたのを確認したらすぐにエンジン全開でぶっ飛ばす。



 機甲兵達も流石にバイクの速度には着いて来られず、どんどん距離を離して行く。何体かは地雷を踏み木っ端微塵に吹き飛んでいる。ざまあみやがれ。



「あぅぅ〜。せっかく気持ちよく寝てたのに〜」


「そう愚痴を言うな。次の街で宿取れば良いだろ?」


「あっ!!!!」


「ど、どうした!? 何かあったか?」


「不法入国者は街に入れませんよ!」


「はぁ? なんでだ!?」


「街には入り口があってそこには門兵がいるんですけど、入国者リストに載ってない場合は入れません」


「つまり、街にも無断で侵入しなければいけないのか?」


「私は問題無いですけど……」


「はあ……まあ、着いたら考えよう」


「はい」



 バイクを走らせてミラーで後ろを確認する。もう機甲兵達は追ってきていないようだ。しかし、振り切っただけで逃げ切れたわけじゃない。これからも狙われる事になるだろう。一層注意が必要だな。



 月夜の下をバイクで駆け抜ける。お互いにしゃべらないで聞こえるのはバイクのエンジン音のみ。しかし、よくよくハンナの方を見てみると寝ていた。



 しがみついたままで寝るとは中々出来ることでは無いだろう。意外な特技だな。そう思いながら、速度を落として行く。出来れば俺も一休みをしたいが追っ手がいつ来るのかわからないのでバイクを走らせ続ける。



 はぁ……マジで疲れるわぁ……

現在第1話を執筆中

文字数がいつもの倍に(笑)

ゆっくりと改稿していきますね!


では次回を!!!!

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