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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第二章

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ショウ目覚める

 まず目が覚めて最初に映ったのは知らない天井だった。ここはどこなのだろうかと、首を動かして周囲を見回すけど分からないけど、ベットに寝かされているので助かった事だけは分かった。



 改めて自分の身体の具合を確かめると激痛が走り顔が歪む。俺がベットで痛みに悶えていたら、扉の開く音がした。



「ショウ!! 目が覚めたの!?」



 部屋に入ってきたのはリズだ。リズが俺の元へと駆け寄ってくる。そして、瞳を潤わせて歓喜のあまり俺に抱き付いてきた。勿論、激痛で今も必死で耐えている。だけど、さすがにこれには耐えられなかった。



 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!



「もう三日も目が覚めないから死んだと思ったじゃない!! 心配させないでよ、バカッ!」



 死ぬ!!


 死んじゃううう!!



 全身に激痛が走るせいで声が出せないでいる俺はリズに離れるよう伝える事も出来ない。美女に抱き締められてるのに今は嬉しくない。ただ、一つ死にたくないという思いしかない。



 俺を殺す気なのか??


 やっぱりリズは俺を死なせようとしてるんじゃ無いのか!?



「あっ、ごめん! 痛かった?」



 我を忘れていたリズが俺の様子にようやく気付いて離れる。なんとか助かったけど、少し残念なような気もするが命には代えられない。



「そうだ! ショウが目を覚ましたこと、皆に伝えてくるね!!」



 そう言ってリズは部屋から急いで出て行った。解放された俺は一安心したが、すぐにリズの言葉を思い出して青褪める。皆を連れてくるということはさっきの光景が繰り返される恐れがあると予想する。



 下手したら絶叫を上げるんじゃないか、俺は!?


 絶対痛みに耐え切れない!!



 俺がそんな事を心配してると、部屋の扉が開きリズとキアラとソフィとララちゃんと見知らぬ人達が部屋に入ってきた。



 増えてる!?



「良かった! 本当に目が覚めたんですね。ショウさん!」


「ショウちゃ~~~ん!!」


「ショウ、久しぶり!!」



 キアラとソフィとララちゃんが泣きながら飛び付いてくる。感動の場面であったが俺は三人のダイブにより俺はまた意識を失う。



 はっ!!!


 あれ!?



 目が覚めてガバリと起き上がると、ベットを囲むようにリズ達四人がいた。俺が起きたのを確認して話しかけてくる。



「起きたみたいだねぇ~」


「まさか、また気を失うとは思ってませんでした。でも、目が覚めたので良かったです!」


「心配した……」


「すんません……」



 あれれ??


 なんで僕怒られてんの?



 俺が悪い訳でもないのに謝罪をしてしまった。何故か俺が責められているから謝ったのだが、元を正せば怪我人に抱き着く方がおかしいんじゃないのかと微かに怒りを覚える。



 きっと頭の中にイチゴジャムが詰まってるに違いないな!



 そして、さっきから気になっている人達の方へと目を向ける。先程からこちらを見詰めるメッチャ厳つい人が怖くて仕方がない。



 獣耳だから獣人かな??


 白髪ってことはもしかして?



 俺の視線に気が付いた白髪の厳つい男性がこちらに近づいて来た。軽く恐怖していたら、目の前でいきなり頭を下げてくる。



「君には感謝している!! 我が娘を救ってくれたことを心より感謝致そう!!」



 我が娘?


 やっぱりこの人は……



「あの、もしかしてララちゃんのお父さんでいらっしゃいますか?」


「ララからは何も聞いてはいないのか?」


「えっと、はい」


「そうか……私の名はゼオン・ヴァーミリアンだ。このアルカディアの三国王の一人白獅子と呼ばれている」



 ゼオンさんの言葉に脳がフリーズする。今、いった言葉が本当なら俺が今までして来たことは到底許される事ではない。しかも、今なら抵抗も出来ないのであっさりと殺されると思っている俺はベットの上でジャンピング土下座を決めて見せた。



「許してくださいぃぃ! ララ様ぁぁぁああああ!! 不敬罪で死刑とかは勘弁してくださいぃぃ!!! 国王様、どうか命だけは許してくださいいいい!!!」



 俺は痛みなど無視して喚き散らしながらベットの上で許しを請う。



「な、何を言っている。君は娘の命の恩人ではないか。命の恩人に対してそのようなことはしないし、罰する事もない」



 マジで!?


 じゃあ俺死刑じゃないの?


 やったあああああああ!!!



 ローブの男と戦って奇跡的に勝利して、しかも生きてるのにいきなり死刑とかたまったもんじゃない。だが、そうはならなかったので心が平穏を取り戻した。



「ショウ……死にたかったの?」


「そんな冗談はやめてください、ララ様!」


「む……ララって呼んで……?」


「えっ、でもお姫様なんだからやっぱり様はつけないと……」


「不敬罪……!」


「いや、でも……」


「パパ……」


「わ、わかったよ……ララ」


「ん……許してあげる!」



 むすっとした表情から一転して笑顔を見せるララだが俺は恐怖しか感じない。なんで、出会う女の子って俺を殺しにかかるのと神様を呪いたくなる。



 俺のことそんなに憎いのかな?


 もう俺の心は砕ける寸前です……


 誰か俺を癒してよ………


改訂済み


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