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俺チート!?

 クリスが二回手を叩くと白いフードを被った人達が入ってくる。最初こそ驚いたが、手に持っている物を見て落ち着いた。なんなのかは大体予想がつく。プレートみたいな形をした物だからステータスカードではないだろうか。



 むふふ……期待が高まる!!


 チート!!


 チート!!


 へいっ!


 チート!!


 チート!!


 ヘェイッ!!



 だが、もしもチートが来なかったらどうしよう。いやいや、何を弱気になっている俺。大体、こういう異世界召喚、しかもクラス単位となると大体がチート持ちだ。しかも、その中でもズバ抜けてる奴とチート無しがいるはず。だから、きっと俺はそこそこチートだと思われる。



「今、神官たちに持って来て貰った物は皆様の中に眠っている力を数値化し表示する事の出来るステータスプレートと言うものです」



 キターーーーー!!


 テンション最高潮に達しましたよぉ〜!



 クリスが神官たちに命令を下して、俺たちに一枚一枚ステータスプレートを神官たちが配って行く。全員に配り終えたら神官たちはクリスの三歩後ろほどまで下がり待機している。



「使い方は至って簡単です。ステータスと頭の中で念じて頂くだけで結構です。そうする事で皆様のステータスがプレートに数値化され表示されます。では、やってみてください」



 言われた通りに頭の中でステータスと念じてみると、ステータスプレートに変化が生じる。なんとステータスプレートに俺の名前と称号、そしてステータスが表示されたのだ。ちなみに俺のステータスは――



 ◆◆◆◆

 山本 翔 17歳[称号]異世界人

 Level 1

 体力:120

 魔力:200

 知力:105

 筋力:110

 俊敏:95

 器用:115

 耐久力:300

 運:250

【スキル】

 《武神》常時発動。ありとあらゆる武具武術において神の領域に達する。ステータス補正、筋力、俊敏、器用、耐久力。物理的攻撃力八割上昇、物理的ダメージ八割減少。

 《武具創造》己の知識にある武具を魔力を消費して創造可能。武器、防具、道具は性能により魔力消費量は異なる。ただし、能力により代償を支払う必要がある。支払う代償は能力による。

 《異空間収納》別の空間に物を収納できる

 《魔力化》魔法を体に固定させる事で魔力体になり、属性と同じ性質に変化する

 《気配感知》

 ◆◆◆◆



 ヒャッハーーー!


 チートだぁあああ!


 万ざぁあああああい!!



 しかし、よくよく見てみると《武具創造》だけは代償を伴うらしい。まあ、確かに無敵な能力とか付けたら反則だもんな。でも、チートって反則な物だからいいと思うんだけど。神様が許さないってか?



 追い追い、能力については知っていけばいいだろう。俺はステータスプレートからクラスメイトたちへと目を向ける。皆んな一様に喜んでいる。なんだかんだと言って楽しんでるのだろう。



 最も一人だけは青ざめた表情でステータスプレートを見ている者がいるが。



「皆様ステータスプレートにステータスが表示されましたか? もし、されたようでしたらこちらの方で確認と発表をさせていただきます」



 はぁ?


 確認は良いとして発表とか止めろよ!


 確実に問題が発生するぞ!



 クラスメイトたちがステータスプレートを順番に神官たちに提示して行く中、俺は早速《武具創造》のスキルを使い、新たなステータスプレートを作り上げる。偽造したステータスプレートを提示して難なくその場を乗り切る事に成功する。



 俺が定位置、定位置と言っても元いた場所に戻っている時に神官たちとクリスが驚きの声を上げた。何事かと振り返ると一人のステータスプレートを見て驚いていたらしい。その一人とは桐谷大輝だった。



 発表されたステータスは――



 ◆◆◆◆

 桐谷大輝 男 17歳[称号]異世界人

 Level 1

 体力:1500

 魔力:1000

 知力:410

 筋力:420

 俊敏:380

 器用:400

 耐久力:700

 運:500

【スキル】

 《鈍感》痛みなどの感覚が鈍くなる。他の物にも効果あり

 《魔を極めし者》常時発動。魔力消費量半減、魔法攻撃力五割上昇、魔法ダメージ五割減少

 《武を極めし者》常時発動。ありとあらゆる武具武術に優れている。物理的攻撃力五割上昇、物理的ダメージ五割減少

 《全属性耐性》《状態異常無効》《魔力高速回復》《魔力感知》《気配感知》《異空間収納》《鑑定》《分析・解析》

 ◆◆◆◆


 これはとんでもないチート持ちだ。つまり、この世界の本当の勇者がこいつなんだろう。小説で言えば主人公クラスだ。最早俺たちは必要無いのでは? と思う程の圧倒的ステータスだ。数値も化け物だしスキルも優れている。まさに王道のチートだ。



 クラスメイトたちもザワザワと騒いでいる。リア充でさらにこの強さ。最早完璧としか言いようが無いね。しかも、周りには美少女三人。しかも、俺の予想では姫様もたらし込むはず。つまり、男一人に女四人のハーレムパーティーの出来上がりだ。



 ちくしょう!!


 卑怯だぞ!!


 一つくらい何か寄越せよ!!



 いや、きっと俺じゃあ、あそこまでは無理だな。いや、あそこまでとかそもそも同じ位置に立ったとしても不可能だ。もう、考えるだけで惨めになってくるから、考えるのやめよう。



 そんな時、再び神官たちとクリスが驚きの声を上げた。しかし、それはどこか悲痛な物で先程のようなものとは反対のものだった。



 一体誰がと思い見てみると、福田隆史君であった。彼の発表されたステータスは――



 ◆◆◆◆

 福田隆史 男 17歳[称号]異世界人

 Level 1

 体力:30

 魔力:10

 知力:20

 筋力:10

 俊敏:5

 器用:20

 耐久力:20

 運:30

【スキル】

 ◆◆◆◆



 流石に言葉が出てこなかった。一つくらいスキルもあるのでは無いかと思っていたが、まさかのスキル無し。それどころかステータスなどは俺たちの十分の一程度。これは驚くわけだ。



 すると、そんな時誰かが笑い出す。それを皮切りにクラスメイトたちが笑い出す。



「ぷっ……あははははは!!」



「だっせ……」

「よかったー俺より弱い奴いて」

「ふふっダメよ! 笑ったりなんかしたら…」

「そういうお前だって」

「役立たずじゃねえか」



 言いたい放題だが、我らが担任鉄人がこの状況を黙って見過ごすはずがない。



「貴様らぁっ!! 静かにせんかぁっ!! 弱い事の何がいけない!! 弱い事の何が悪いのだ!! 言ってみろ!!」



 別に俺は笑ってませんから何も言いませんが?



 笑った連中は黙って下を向いている。そりゃそうだ。あれだけ怒鳴られたら俯くのも分かる。でも、笑った事実は変わらない。



「皆んな同じクラスメイトだろう? みんなで福田を助けてやるのが当たり前だろうが。違うか?」



 違うか、どうかと問われれば俺は違うと思う。


 そもそもこの世界は命の危険が多い世界だ。


 クリスの説明では魔物などもいることはわかっている。


 他人に構ってれば自らの命を落としかねない。


 俺にはそんな余裕は無いね!



 結局、鉄人により収束したが、多分鉄人がいないところで拡大していく事だろう。力をどういう風に使うかは本人次第だ。どんな事になるかは目に見えている。



 俺は平穏無事に生きていく!!

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