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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第六章 新たなる大陸、そしてぼっち旅

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半妖

「さて、沙織さん。これから、どうします?」


「そうね。とりあえず、どうしようかしら?」


「どうしようかしらって…………んー、そうですね。一応追っ手は全員俺が倒しましたけど、あの様子だとしつこく追い回して来ますから、この2人と一緒に行動した方が良いんじゃないですか?」


「確かに、あの男共、しつこそうな顔してたものね。うん。そうしましょう! ねぇ、貴方達も私達と一緒に来ませんか?」


「えっ! その、有難い事なのですが、私達はここから離れるつもりはありません…………お誘いして貰っておいて、申し訳ありません」



 京華さんは申し訳無さそうな表情をして、頭を下げる。



「あっ、別に強制じゃないから頭を下げなくても良いですよ。でも、そうですか。少し、残念ですね」


「はい、本当に申し訳ありません」



 ふむ、何か訳ありと見た!


 ここは、久々に奴の出番でしょ!!



「すいません。ちょっと、俺外に行って来ますね」


「なんで、外に?」


「いや、沙織さん。アレっすよ。お花を摘みに」


「早く行っておいで!」



 顔を赤くして怒鳴るように俺を追い出した。そんなに怒るなら、最初から聞かなければいいのに。



 まあ、外に出れた事だし、いいか。


 さて、ここらじゃ人目に付きやすいから、別の場所に移動しよう。



 やって来たのは、森の中。とりあえず、人がいないか見回して確認する。人はいないようなので、クロを呼び出す。



「来い、クロ!」


「んんぅ? くぁ〜〜。なんか用か?」


「大きな欠伸しやがって。まあ、いいや。あのさ、またお前の能力に頼りたいんだわ」


「はあ……またかよ?」


「だって、便利過ぎるじゃん? 記憶を見るとか」


「まあな。で、誰の記憶を見ればいいんだ?」


「これから、行くボロ小屋の住人の京華さんだ。その人の記憶をちょっと見てくれ。その後、俺に見せてくれ」


「ん、了解だ」



 さて、これで準備は整った。後は、沙織さん達の元へと戻り京華さんの記憶をクロに見させて、俺に見せれば終わり。何やら、訳ありと見たが果たして、どんなものなのだろうか。



 人の記憶を勝手に覗くとか、プライバシーの侵害も良いところだね!



 沙織さん達の所へと戻る。扉を開けた時に、あたかも野良猫のようにクロが小屋に浸入して行く。まあ、俺の使い魔だとバレたら面倒なのでこういう方法しかなかった。クロは早速、京華さんの元へと向かおうとしたが、藍華に抱き上げられてしまう。



「ニャア!」


「ネコ!! 姉様、ネコ!!」


「ええ、そうね。ネコちゃんですね」


「ニャア!! フニャア!!」



 ち、ちくしょう!!


 計画は失敗に終わりそうだ!!


 こうなったら、作戦βだ!!


 まあ、知らないけどね。



「ホラ、姉様も」


「はいはい」



 藍華がクロを京華に抱っこさせる。これで、クロの能力が発動出来る。ナイスだ、藍華。ご褒美に頭を撫でてやろう。まあ、そんな事、口が裂けても言わないけどね。



 クロが暴れ出して京華から飛び降りる。そのまま、クロは俺の足元へとやって来て身体を擦り付けると同時に俺へと記憶を見せた。



 うーむ、これはマズイものを見たかな。


 黙っておくべきか。


 喋るべきか。


 いや、普通に黙っておこう。



「ふふっ、翔様に懐いていらっしゃるのですね」



 ヤバイ。


 今の発言で物凄いクロが不機嫌になったのが分かる。



「い、いや、どうでしょうかねぇ?」


「藍華が翔様に懐くのも分かるような気がします」



 いつの間に懐いていたんだ?


 まあ、そんな事はどうでも良いか。



「ねえ、翔。そろそろ、お邪魔した方が」


「そうですね。あまり長居するのも悪いですからね。それに俺たちにはやる事もありますから」


「やる事とは何ですか?」


「私達、東側に人を探しに来たの。それで、その途中で貴方達を見かけて」


「そういう事だったんですか」


「ついでみたいな言い方でごめんなさい」


「いえ、助けてくれた事には変わりありませんから」


「そう言ってくれると助かるわ。それじゃ、私達はこれで」



 沙織さんは布団から起き上がり、小屋の外へと向かう。その後に続いて出て行く。足元のには、一応クロもいる。外へと出て行き、最後に別れの挨拶を済ませる。



「休ませてくれて、ありがとう。さよなら」


「はい、お気をつけてください」



 小さな集落を出て行く。再び、川沿いを歩き出してファイブを見つける旅に出る。旅と言っても日没までだ。今は夕暮れ前、つまり、午後3時あたりだろう。



 川沿いを進み、次の村へと歩いているが村どころか人ともすれ違わない。本当にこの道で合ってるのか不安になってくる。それに、もう夕暮れになってしまっている。



 今日はここまでにして帰った方が良いだろう。



「沙織さん、今日はここまでにしませんか?」


「そうね。帰りましょうか」


「はい」


「じゃあ、おんぶ」


「……ういっす」



 沙織さんをおんぶして、飛び上がる。光の魔法を使い屈折を利用して見えないようにして西側へと帰って行く。そう言えば最初からこの方法を使っていれば、東側にも楽に来れたのでは? と思うのだが、今更なので気にしない。



 それにしても、あの姉妹も大変だなぁ……


 半妖かぁ…………


 平等が聞いて呆れるなぁ……

今日で祝1周年です。

毎日更新してれば365話だったのに……


1周年を記念して300話で何かします!


では次回を!

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