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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第六章 新たなる大陸、そしてぼっち旅

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巨神の剣

 空を蹴り、巨人の顔面へと突っ込み、思いっきり眉間に膝蹴りを喰らわす。少しだけ、顔が仰け反る巨人の眉間にかかと落としを決める。巨人の顔は完全に上を向く事になった。巨人の顔の上へと飛び上がり、口目掛けて急降下して行く。口を突き破り、歯を砕いて口内に浸入する。



 くせっ!!


 くっさ!!!!


 マジ最悪やわ!!



 口臭が気になるが、今は先を進もう。一気に喉を駆け下り食道を通って胃へと到達する。身体が魔力で出来ている癖に、一丁前に人間と同じ構造してやがる。胃の中で魔力を練り上げて、神級の魔法を放つ。



 上、下、右、左と乱射して行く。穴が開いて、そこから外へと飛び出る。振り返って巨人を見て見ると身体がボロボロになっていたが、ダメージというものは無かった。



 すぐさま、ボロボロになっていた身体は煙を放ちながら再生して行く。再生している間に他の部分に神級の魔法を連射して行くが、ほとんど無意味だった。



 このままではジリ貧だ。こちらがいずれ魔力が尽きてしまう。いや、魔力は神羅創世で回復すればいいか。しかし、どうしたものか。ダメージは入らない、痛みも無い。あるとすれば奴の精神にだけ。




 精神的ダメージは、今のところ試してはいないが、効果あるのか?


 物は試しだ!!


 って言ってもなぁ〜


 言葉攻めとかしても無理そうだし。


 奴の精神を抉るような事とか思い付かないし。


 困った困った。




「クククククッッ!! どうした、もう終わりか?」


「うるせえよ!! くそったれが……」



 あの余裕が本当に腹立つ。今すぐにでも八つ裂きにしてやりたいが、俺の攻撃は全て効果無しだからな。いや、確かに破壊は出来る。だが、決定打に欠けてしまう。どんな攻撃をしようとも奴には再生がある。



 あの巨体を完全に消し去ってしまう魔法は無い。今すぐにでも新しい魔法を思い付くか? いや、そう簡単に思い付くものでも無い。しかし、魔法はイメージであるから思い付こうと思えば出来るかもしれないが、果たして奴を消し去る事が出来るかだ。



「カッーカッカッカッカッカッカッ!! 悩んでいるようだな、異界の勇者よ!! そちらが来ないのならばこちらから行くぞ!!」



 巨人がモーションに入った所にカラドボルグで両足を薙ぎ払い、吹き飛ばす。巨人は両足を失ったバランスで獣王国に倒れてしまう。倒れた所に追撃と言わんばかりに、カラドボルグで両腕を斬り裂く。



「ぬぐぉっ!」



 両手両足を無くした巨人をグレイプニルで縛り上げる。獣王国に悪い事をするが、巨人を全力で引き摺って行く。街を破壊しながら巨人が引き摺られる。両手両足が再生する頃には獣王国から大分離れていた。



「カッカッカッ!! 成る程、これ以上獣王国には被害が出ぬようにしたか。いやはや、お人好しなものだ」


「はん! ここでなら、獣人達を気にせず戦えるからな!!」


「カーッカッカッカッカッカッ!!! 言いよるわ! ならば、倒してみせい!」




 異空間から数十億の剣を出現させる。その剣の大きさは巨人の腕より少し小さいが、それでも普通の人間からすれば途轍もない大きさの剣だ。それが巨人の上空に数十億も浮かんでいるのだ。流石のファイブも驚きを隠せていなかった。



「な、なんだ、それは!?」


巨神の剣(ギカント・エスパーダ)。喜べ、これからテメェはあの剣の雨によって斬り裂かれる。痛みは感じないだろうが、数十億の剣に突き刺される恐怖を思い知れ!」



 手を空へと掲げて振り下ろす。手が振り下ろされた瞬間、全ての剣が巨人へと降り注ぐ。ファイブは両腕で守るが空から降り注ぐ巨大な剣に突き刺されて身体が削がれて行く。数十億の剣か巨人へと突き刺さる。



 大地には夥しい程の剣が突き刺さっている。そして、その傍には原型を留めることの出来なくなった巨人の肉塊が転がっていた。これで終わってくれれば、どれほど楽なのだろうかと思う。



 肉塊が蠢くと、飛び散っていた肉塊が集まっていき再生が始まる。そして、再び巨人へと形を変えて行く。見ていて気持ち悪いな。




「貴様ぁ〜〜!! 許さんぞ〜〜!!」


「おいおい、あれしきの事で怒るなよ」


「貴様はタダでは殺さん!! 絶望と苦しみを味あわせてから殺してやるぞ!!」



 ファイブが大地を蹴り宙に浮かんでいる俺を掴もうと手を伸ばしてくる。だが、その手は届く事は無かった。



「なっ!! あああああああ!!!」



 巨神の剣(ギカント・エスパーダ)が再びファイブの腕を斬り裂いたのだ。俺の背後には6本の巨神の剣(ギカント・エスパーダ)が浮いている。その、どれもが俺の支配下にあり、自由自在に動かせるのだ。



「お、己ぇええええ!!」


「さっきまでの余裕はどこに行ったよ? お? 再生出来るんだからいいだろ?」


「小僧ぉおおおお!!」




 6本の巨神の剣(ギカント・エスパーダ)をファイブへと向かわせる。ファイブを6本で翻弄して腕を足を胴を首を斬り裂いて行く。



「がぁっあ!!」


「どうした? 俺を絶望させるんじゃないのか?」


「クククククッ……カァッーーー!!!」



 笑っていた口から破壊光線を放って来る。咄嗟にアイギスを取り出し、破壊光線を防ぐ。



「はっ! 残念だったな」


「ぐぅっ!! 己、人間風情が!!」



 いつの間にか再生していたファイブは立ち上がる。やはり、どうしても再生能力が厄介過ぎる。巨神の剣(ギカント・エスパーダ)で斬り裂く事は出来るが倒しきる事は出来ない。



 どうすれば……


 どうしたらいい?


 何か何かないか。


 考えろ…………


 考えろ考えろ考えろ!!!


 何か方法はある筈だ!!!






 あっ………そうか。


 あるじゃねえか!!


 ハハッ!!


 馬鹿だな俺は!!



「ハハハハハハハハ!! アッーハッハッハッハッハッハ!!! ようやく、分かったぜ。お前を殺す方法が!」


「な、何!?」


「お前、確か魔力の塊なんだよなぁ? って事はよ、魔力そのものを斬ればいいんだろ?」


「何が言いたい!」


「ここらで、ケリつけようぜ。出て来い、斬魔!!」



 6本の巨神の剣(ギカント・エスパーダ)を消して、新たに出現させたのは日本刀。俺のオリジナルにして魔力切断というチートスキルを保有した刀。



「さあ、お祈りの時間だ」

次回で巨人とのバトルはラストですかね


ヴァイス戦以上な戦いは何時になったら書けるだろうか……


では次回を!

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