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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第六章 新たなる大陸、そしてぼっち旅

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獣人達の暴走

 早速準備を整えてキュロストに戻る事になったが、ここで問題が発生する。馬車を使って戻ったとしても選挙の日に間に合わ無いのだ。ちなみに同行者はアトス君、ハンクさん、エリス様、リルルさん、そしてリルルさんと同じ使用人が2人ほど。



 ふむ、どうするか。


 バイクを出すか?


 いや、乗れるのは俺だけだし。


 てか、人数が多過ぎる。


 車か…………


 一応ワンボックスカーは創ってるけどな。


 チート万歳!!


 出した方が良いよね!


 迷う事なんて無いよね!



 異空間からワンボックスカーを出現させる。その光景に全員が驚いていたが、エリス様だけはバイクを知っていたのですぐに落ち着きを取り戻した。適当に説明した後、全員を乗せて荒野をぶっ飛ばす。



 最短でキュロストに到着して全員を降ろすとワンボックスカーを異空間へとしまう。そして、異空間から先程の馬車を出して大聖堂へと進む。大聖堂へと着くとエリス様の顔パスで難なく入る事が出来た。



 当たり前か。


 ていうか、敵の本拠地じゃね?


 なんでここに来たの?



「エリス様、どうして大聖堂に? ここって言わば敵の本拠地ですよ?」


「だからです。正々堂々と真正面から決着を付けるのです。姑息な手を使ってまで勝ちたくはありませんから」



 おおう……


 勇ましいのはいい事ですけど……


 敵の罠があったらどないするん?



 ズンズン進んでいく聖女一行。果たして大司教の間で何が起こるのだろうか!!



 アホくさっ。



 結局、大司教の間まで来てしまった。こうなったら腹をくくるしか無い。エリス様が扉をノックすると扉が勝手に開く。中に入ると同時に扉が閉まる。罠かと思ったら大司教らしき人物が出て来る。



 黒ローブ!!


 確証は持て無いか……


 あいつが黒ローブの仲間なら今この場でぶち殺す!




「お待ちしておりましたよ、聖女様。そして、我が主に刃向かいし異界の勇者よ」



 そう言った大司教は聖女を見た後に俺を見て来る。異界の勇者と呼ばれた俺を他の人達が見て来る。そんなに見つめられたら恥ずかしいぜ、と思っていたらエリス様が大司教に話しかける。



「ずいぶんと分かったような口を聞きますね。まるで、私が生きていたのがわかってたみたいに」


「ええ、暗殺は必ず失敗に終わると知ってましたよ。何せそこの彼が護衛にいるのですから」



 人に指を指すな!


 主に教わらなかったのか!



「彼? ショウの事ですか?」


「ええ、そこの彼以外に居ませんよ。ねぇ、異界の勇者よ? 貴方の事は常に存じておりますよ。エルフの里での活躍も私は知っております」



 こいつは黒だな。


 エリス様には悪いがここでケリをつけさせてもらう。



 静かに異空間からエクスカリバーと魔法の鞘、儚き我が神幻郷(エリュシオン)を取り出す。エリス様の横を通り大司教の前へと立つ。



「俺の事を知ってるなら話が早いよな。テメェら黒ローブは皆殺しって決めてるんだ。だから、ここで死ね!」



 エクスカリバーを高く振り上げて大司教に振り下ろそうとした時、大聖堂が揺れた。何事かと思ったが躊躇わずエクスカリバーを振り下ろしたが大司教には届かなかった。目の前にはエクスカリバーを受け止めているユリウスが立っていた。



「遅くなり申し訳ありません、大司教様」


「いえ、構いませんよ。それでアチラの方はどうなっております?」


「はっ、既に発動させました」


「わかりました。さて、ここで異界の勇者に質問です。貴方は何の為に戦っておられるのですか?」



 正直に言えば軽蔑されちゃうよね〜


 だって、彼女欲しさの為に戦ってますって言ったら皆絶対軽蔑するよね?


 いや、今まさにシリアスムードなのにここで、そんな爆弾発言は出来ないよね!



「ふん、テメェらを殺す為だ」


「なるほど…………わかりました。さて、ここでもう一つ質問です。先程の揺れはなんっだったのでしょうか?」


「先程の揺れ?」



 ユリウスが最高速度で大聖堂に戻って来たからか?


 いや、こんな大きな建物ならユリウス程度じゃ無理だ。


 なら、なんだ?


 さっきのあいつらの会話……


 発動させた?


 何をだ?


 まさか…………


 何かの魔法陣か!


 だが、なんの魔法陣だ?


 召喚の魔法陣か?



「ゥウウ……グルルル」


「リルル!? なっ! お、お前達!」



 唸り声が聞こえて来ると同時にハンクさんが驚きの声をあげていた。振り返ってみるとリルルさん達、使用人が頭を抑えて低い唸り声を出していた。まるで獣が襲い掛かって来るような唸り声。



 おいおい、冗談だろ。



 遂にリルルさん達は理性を手放し、獣の本能を解き放つ様にハンクさん達に襲い掛かる。何とかハンクさん達の前に立ち障壁を張りリルルさん達の攻撃を防ぐ。



 最悪だ。


 多分奴らが発動させた魔法陣は獣人のみに効果を発揮するものだろう。


 この場に獣人はリルルさん達、使用人のみだ。


 その使用人が全員暴走しているって事は…………


 街がヤバイ。


 一斉に獣人が暴走してるなら街は大混乱に陥ってる。


 これが奴らの計画かよ…………


 つくづく頭に来る野郎共だ。



「グレイプニル、あの三人を縛り上げろ!」



 グレイプニルがリルルさん達を縛り上げる。抵抗しているがあっさりと縛り上げられる。身動きが取れなくなり唸り声を上げるだけのリルルさん達。



「アトス君」


「は、はい!」


「君にこの剣を渡す。悪いがユリウスを止めてくれないか?」


「わ、私がユリウス様をですか!?」


「俺にはやる事が出来てね。今ユリウスと戦えるのは君だけになる。頼むよ」


「私がユリウス様に勝てる筈が……」


「勝たなくてもいい。ただ、時間を稼いでくれ」


「…………わかりました。私の全力を尽くし時間を稼いで見せます」


「ありがとう。これは名剣デュランダルだ。これを使えばユリウスとも戦える。あとは頼む!」



 俺はアトス君にデュランダルを押し付けて大司教の間の窓ガラスを蹴破り外へと飛び出す。



 カッコ付けたのは良いけど…………


 ここ、高いよぉおおおおおお!!


 落ちるぅうううう!!



 風の魔法でゆっくりと着地する。周りを見渡すと首輪が千切れた獣人達が囲んでいる。理性を失っている様で低い唸り声を出している。



 早々に片付けて黒ローブをぶっ殺す!

もしかしたら今回の話で黒ローブ達の名称がはっきりするかも!?


では次回を!

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