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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第六章 新たなる大陸、そしてぼっち旅

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間に合ってみせる

 馬に乗り森の中を進む聖女エリス様、その後ろを何故か走っている俺。本来なら俺にも馬を当てがわれたのだが、どういう訳か一頭しか残っておらず走る事になったのだ。



 今はエリス様の後ろをなんとか追いつく程度で追い掛けている。別に並走する事も可能なのだが、後ろからの方が何かあった時に対応しやすいのだ。その為、後をつける様な形になっている。



 ちなみに俺たち2人の間に会話と言うものは一切ない。話し掛けようにも上の空で話せそうにない。予想だが、ユリウスがいないからだろう。だって、ユリウスと話してる時はあんなに生き生きとしていたのに俺と2人きりになると途端に意気消沈だもの。



 これは脈無しでございますね!


 ありがとうございます!!


 くそったれめ!


 イケメンに先を越されたのか!


 いや、元々勝負にすらなって無いよな……


 悲しい……


 でも、他にも可愛い子は世界にいるんだから気にしない気にしない!!



 エリス様の後を追いながら、妄想の世界へと入っていく。やはり、この世界なら俺はモテモテだ。こんな世界になればいいのにな、と思っていたところで森の中の泉とやらに辿り着いた。



 エリス様は馬から降りると俺に話しかけて来た。



「これから身を清めます。その間、ここに人が立ち寄らせない様にお願いします」


「了解です」


「それとお清めは……衣服を脱ぐので見ない様に遠くで待機していてください」


「了解でぇす」


「決して覗かないで下さいね」



 散々、釘を刺される。こうも、前振りの様なものをされてしまうと日本人としては見ないといけないと言う考えが頭の中をよぎってしまう。必死でそれはダメだ、と言い聞かせるがどうしても緩んでしまう。



 煩悩退散!


 煩悩退散!!


 煩悩退散んんんんん!!!!



「あの、いつまでそこにいるつもりですか?」


「えっ? あっ、すいません。すぐに行きますね」


「早くしてください」



 どうやら煩悩退散をしていてその場から動いてなかったようだ。エリス様に言われて気づき泉から離れて行く。とりあえず、泉が見えない所まで来て誰もいないかと辺りを警戒する。適当に歩き回り何も無いことを確認して近くの木陰に寝転ぶ。



 後はお清めが終わるのを待つだけか……


 目を強化して覗こうかな……


 いや、でも……


 ラッキースケベとは違うからな。


 前の時は偶々見ただけだし。


 やっぱり見るなら合意の上で、だよな!



 目を瞑り、そんな事ばかり考えていたらエリス様の悲鳴が聞こえてくる。慌てて立ち上がり泉に向かおうとしたが、立ち止まってしまう。



 待て待て!!


 よく考えろ!!


 こういう場合、ネズミとか猿が現れたとか、下らない理由で叫んだのかもしれない。


 もし、その場合なら俺が行けば即クビになる。


 いや、下手すれば死刑かもしれない。


 ここは慎重になろう。


 エリス様が助けを呼んだら行こう!!



「誰か助けてぇええええ!!」



 うぉおおおお!!


 マジかぁあああ!!


 今行きますからねぇええええ!!



 泉に向かうと、お清めをしているであろうエリス様の向かい側に5人もの男達が立っていた。しかも、その手には武器が握り締められている。このままではヤバイと判断し黒蓮と白夜を取り出し、敵を撃とうとしたら4人の男達がこちらに飛んで来た。



「そこをどけ!」



 一応言ってみるが反応がない。



「フレイムバレット!!」



 炎属性の銃弾を撃ち4人に命中させる。4人を抜き去ってエリス様の元へ向かおうとしたが、4人は何事も無かったように立ち上がり剣を振るってくる。



 黒蓮と白夜で二本の剣を受け止め、弾き返しバックステップで飛び退く。このままだと、エリス様の所に辿り着け無いどころかエリス様が殺されてしまう。焦った俺は魔力化を施す。



「疾風迅雷!!」



 風と雷属性を纏った俺は一瞬で4人を蹴散らしエリス様の元へと向かったが時既に遅し。エリス様は1人の男により心臓を貫かれていた。俺が来た時には男が剣を引き抜く所だった。逃げようとした男をグレイプニルで縛り上げて、すぐに泉の中で血を流しているエリス様の所に向かう。



「エリス様! まだ生きてますか!?」


「ぁぅ……ユ……リウス……」



 良かった!


 まだ、生きてる!!


 あの時と……同じにさせるか!!



 ソニアさんの時と違って貫かれただけだ。心臓を破壊されたわけじゃ無い。まだ、間に合う、まだ助かるんだ。絶対に助けてみせる。絶対に死なせるものか!



「パナケイアのネックレスよ、彼女を救ってくれ!」



 以前シエルにあげたパナケイアのネックレス。このネックレスはありとあらゆる傷を治す効果を持つ。ただし、代償として俺の寿命を一年削る。実はシエルの時も寿命を削ったのだ。



 エリス様にネックレスを着けると見る見るうちに傷が塞がって行き、最終的には完全に塞がり傷跡一つ残らなかった。エリス様は落ち着き、寝ているようだ。



「良かった……」



 そこで俺は思い出した。



 エリス様、今裸じゃね?


 これ、役得じゃね?


 おっぱい触ってもいいかな?


 今なら誰にもバレる事は無い!


 そうと決まれば!!



 胸に手を伸ばそうとした時、エリス様が目を覚ます。おかしいな、先程まではスヤスヤと眠っていたのにどうしてこうも間が悪い時に目を覚ますのかね。エリス様は何度か俺と自分の胸、つまり貫かれた心臓を見た後――



 俺に抱きついて来た。



「アバババババババババババ」


「怖かった……怖かったよぉ……」



 俺は……


 俺はこんな子にセクハラしようとしてたのか!


 俺はなんて野郎なんだ……


 こんないたいけな子にセクハラをしようとしたなんて…


 俺の馬鹿野郎!!



 頭を撫でてあげようかと思ったが、イケメン以外がやったら気持ち悪がられるので止めておく。泣き止むまで抱き締められたまま。ようやく泣き止むとエリス様は俺に話しかけて来た。



「そういえば、どうして私生きてるの?」


「それは、そのネックレスのお陰ですよ」


「ネックレス?」



 そう言って自分の首に掛けられてあるネックレスを手に取る。



「これは、私のでは無いけど……もしかして貴方が?」


「まあ、そうですね。本当ならこんな物使わなかった方が良かったんですけどね。遅れてしまって本当にすみません」


「別にいいの。こうやって生きているのだから……」


「…………こんな事言うのも何だと思うんですが」


「何?」


「服を着た方が良いかと……」


「……………キャァァァアアアアアアアアアア!!」


「おうちっ!」



 強烈なビンタを喰らい泉の中に倒れる。



 あー、やっぱりこうなるのね……

更新遅れたなぁ

毎日更新心掛けてるけどキツイですね

毎日更新してる人は尊敬しますね!


では次回を!

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