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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第六章 新たなる大陸、そしてぼっち旅

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序列争い・乱入者

 さて、カイルの試合だが――残念な事にカイルの敗北で終わった。試合を見ていたがカイルもかなり強くなっていた。元々筋があったのだろう、ライアンとの戦いでさらに成長していたのだが、それでもロイドには届かなかった。ロイドは赤子の手を捻るように軽くあしらっていた。流石10年連続で1位に君臨しているだけはある。



 そんなこんながあって現在俺はロイドと対峙している。ロイドは片手剣の使い手らしいのだが腰にもう1本剣を差している。抜かないのか気になるが今は関係無いだろうと思い込んでいたら、



「君相手にこれじゃ申し訳ないからこっちを使わせてもらうよ」



 ロイドの糸目が開き腰に差してあったもう1本の剣を抜いた。その剣は眩い輝きを放ち旋風を巻き起こした。演出が派手過ぎる。



 それにしてもロイドのやつ……目開くんだな。



 ロイドの見た目はイケメンと言えばイケメンなのだが青髪短髪の糸目野郎だ。その糸目が開くという事は本気だという事がヒシヒシと伝わってくる。大体糸目のキャラって目が開くと強いんだよね。



 試合が始まりロイドが俺に向かって走り出したと同時に空から得体の知れない何かが結界を突き破り降ってきた。



 おうふ、一体何事や?



 俺とロイドの間に落ちて来た物は煙に包まれて今だに見えない。ようやく煙が晴れると何時いつぞやの黒ローブが片膝を付いている。そして、ゆっくりと立ち上がりフードを脱ぎキョロキョロと周りを見渡し俺と目が合う。



「ぁぁ……やっと……やっと逢えたぁ……」



 なんかうっとりした顔の少年が俺を指差して来る。正直気持ち悪い。中性的な顔立ちだが男と分かる。売れっ子子役としてデビュー出来そうな感じだ。っとくだらない思考は捨てて黒ローブの少年に話し掛けようとしたら少年が口を開く。



「逢いたかった………ずっとずっと逢いたかった!! ああ、ようやく君に逢えた! 僕、君のことずっと見てたんだよ! 嬉しいよ、君に逢えた事を神様に感謝しなきゃ!」



 アカン、奴や。


 こりゃアハトとノゥエムよりもヤバイかも。



「ふふっ、困惑してる顔も素敵だよぉ。もう、早く早くその顔をぐちゃぐちゃにしたい! 痛みに歪む顔、苦しみ悶える顔、絶望に染まる顔、そして死に顔! あぁ、もう辛抱堪らないよ………ねえ、ショウ君、僕と愛し合おう?」


「あばばばばばばば!!! へ、変態やぁあああ!!」


「そんなに照れないでよ。大丈夫、痛いのは一瞬だよ。あっ、でも苦痛に歪む顔を見たいから一瞬じゃ無いや。ごめんね、間違えちゃった」


「て、てめぇ、その年でどんだけ性癖歪んでんだよ!」


「ああ、安心して。ショウ君しか見えてないから、寧ろショウ君以外要らないから。僕にとっての全てはショウ君だけだから、愛してるよショウ君」


「おげぇえええ!! お前みたいな糞ガキに愛されても嬉しくねえわ!!」


「嫌よ嫌よも好きの内なんでしょ?」


「だ、ダメだ、話が通じねぇ。てか、お前、アハトとノゥエムの仲間だろ!?」


「うん、そうだよ。僕はあのゴミ共嫌いだったけどね。でも、あんなゴミ共も少しは役に立ってくれたよ。だって君という存在と僕を巡り合わせてくれた事さ。それだけは褒めてやってもいいかな」


「………なら、容赦はしない。死ね、陽炎焼天かげろうしょうてん



 アハトを一瞬で消し去った技で少年を消した。呆気無さ過ぎて気を抜いていたら少年は炭のような身体になっていたが生きていた。その姿に息を呑む。あのアハトでさえ一瞬で消し去った技だ。それをあんな少年が受け止めた事実に驚きを隠せなかった。



「アハァ。これがアハトを一瞬で消し去った技だねぇ。本当凄いや。確かにこれならどんな奴でも一瞬だね。でも、残念だけど僕は頑丈だから死にはしなかったよ。それにショウ君の愛のムチだからね! まあ、でも流石にヤバイから僕は逃げるとするよ! それじゃあ、また会おうね!」


「冗談だろ……」



 手を振りながら空を飛んで行く少年。そのまま飛び去って行くのかと思いきやこちらに振り返る。



「そうそう、僕の名前はセプテム。七番って意味だよ! 後お土産置いて行くから! あっ、忘れるところだった! ショウ君、火山の時は可愛かったよー!」


「なっ、テメェが火山を噴火させたのか!」


「そんじゃバイバーイ」


「お、おい!」



 そう言うと一瞬で消えるように飛び去って行った。気を抜こうとした時に再び空から何かが降って来る。空を見上げると巨大な魔物、いや、ドラゴンが落ちて来る。ただ、そのドラゴンから腐敗した生ゴミのような匂いがする。鼻がもげそうになる程の強烈な匂いだ。



「ドラゴンゾンビだぁあああああ!!!」



 誰かがそう叫ぶと闘技場はパニックになり観客達は我先にと闘技場を出て行く。不測の事態で騎士達が闘技場に集まって来る。数人の騎士が皇帝達の前に立ち守るようにして構える。



「全員、気を抜くな! 」



 なんか熱い展開だが――



「糞ガキが!! どうせ、見てるんだろうから見せてやんよ!! 俺の新しい技を!」



 マスクを脱ぎ去り両手を前に重ねるようにして翳す。闇属性を使い小さな球体を作り出す。闇属性の特徴は消滅では無く引力だ。ここからは話がややこしくなるから省くが引力と地球の遠心力の合力が重力になる。ここは地球じゃないけどね。



 まあ、とにかく相対論とか面倒な話になる訳だ。以前、俺はブラックホールについて調べたことがある。簡単な作り方もだ。俺には作れるものでは無かったがな。



 まあ、頭の中でゴチャゴチャと計算する必要はない。


 魔法はイメージと言うのが幸いした。



「騎士共! 死にたく無けりゃ離れてろ!! これが俺の新しい技だ!! 全てを飲み込む黒玉(ブラックホール)!」



 小さな玉は周りの物を飲み込んでいく。ドラゴンゾンビも踏ん張っていたが耐え切れず飲み込まれ消滅する。ブラックホールを解除して一息つく。



 ふむ、陽炎焼天と全てを飲み込む黒玉(ブラックホール)は切り札だな。


 バンバン使ってるけどね。


 さあ、後はロイドと戦うだけだな。

ブラックホールについてはあやふやなんですよねぇ。

上手く描けたらいいんですけど………

いや。マジすいません。


では次回を!

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