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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第六章 新たなる大陸、そしてぼっち旅

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カラクラタウンにやって来たぜ

「ちょ、ちょっと喧嘩は止めなさいよ」



 女の子が俺とクロの間に割って入ってくる。流石に女の子が間に割って入ってきたら喧嘩を止めざるを得ない。巻き込んだら嫌だしね。



「それで、お前は何なんだ?」



 俺が疑問に思っていたことをクロがあっさりと女の子に問い掛ける。こういう時は本当にクロがいると助かる。だって俺コミュニケーション能力に欠けてるもの。自分から話しかけるとか本当に無理だ。話しかけられたら話せるのにね。そんな事はどうでもいいか。



「私の名はカーラよ」


「おいおい、嘘つくなよ。苗字もあるだろ?」


「言いたくないわ……」


「はあ、まあ、お前が嫌なら聞かねえわ」


「ありがと、それで貴方の名前は?」


「俺様はクロだ。そっちの奴がアンチョメだ」


「誰がアンチョメじゃ。俺の名前はショウだ。よろしく」


「ええ、二人共よろしく、いえ、この場合は1人と1匹かしら」


「どっちでもいいよ」



 自己紹介を終えた後俺たちはこの後どうするかという議題に入る。俺は次の街に向かいたいのだが、カーラをどうするかだ。ここに一人置いて行くと確実に魔物に殺されてしまう。命の恩人なのだから流石にその案は無い。と言うことでカーラに聞いてみましょう。



「カーラ……さんは、どちらの街から?」


「カーラでいいわ。私が来たのは帝都カリギュオよ」



 帝都って事は帝国か!?


 身分も高そうだから………皇女でないことを願おう。



「帝都からか………ここからだとどれくらい?」


「歩きで行けば最低でも10日はかかるわ」


「ふむ………そう言えばカーラはどうしてこんな所にいるんだ?」


「散歩よ」


「散歩ってその格好で?」


「そうよ」


「………まあ、どうでもいいか。護衛とかはいないのか?」


「いるわけないじゃない。逃げ出して来たんだから」


「さいですか……」



 逃げ出して来たってなんか揉め事でもあったのか?


 気になるが今はいいか。



「それで命の恩人である私に何かお礼は?」


「無いな。帝都まで無事に送り届けてやることくらいかな?」


「それでいいわ。とりあえず馬はどこにいるの? 冒険者なんだから馬くらいいるわよね? まさか、歩きじゃ無いでしょうね。歩きだとしたら私あんまり歩けないわよ」


「喜べ、歩きだ。まあ、あんたがどうしても歩きたく無いなら秘密兵器を出すけどさ。どうする? 歩くか、秘密兵器を出すか?」


「その秘密兵器ってのが気になるわ。だからお願い」



 返事をしてバイクを取り出す。ラニ達を載せたこともあるサイドカーを出すとカーラは目を輝かせてバイクをジロジロと見る。全体を見るようにして見回す。一通り見終わったら興奮した様子で俺にバイクについて質問攻めしてくるが適当に相槌を打って終わらす。



「とにかくその横の奴に乗ってくれ」


「わかったわ!」


「クロ、お前もカーラと同じ所な」


「しょうがねえなぁ」



 2人が乗り込んだの確認してバイクに跨りエンジンを掛ける。アクセルを開け前に進むとカーラが大はしゃぎしクロを抱き締める。クロは抱き締められて後頭部にまだ発展途中のお胸様に包まれている。俺も生まれ変わったら猫になりたい。合法的にお胸様に包まれていたい。



 さて、くだらない思考を止めて街へと向かおう。アクセルをさらに開けて加速する。景色が流れる様に移り変わる様を見てカーラは驚きその光景をただ黙って見るようになった。



 森を抜けると舗装された道を進み街へと目指す。空はまだ青く陽は高い。このスピードで行けば目的地の街までは夕方までに着けるだろう。



 大分進んで行くと街が見え始める。大きなゲートがありゲートには文字が書いてある。この街の名前なのだろう、名前はカラクラタウン。ネーミングセンスに欠けてるなと思いつつゲートをくぐり抜け街へと入る。バイクを止めて降りる、カーラとクロが降りると異空間へとバイクをしまい街を歩く事にした。




「へぇ。確かに前の街よりはデカイな」



 建物も前の街より多く、店なども充実していた。人の行き来も多く賑わっている様子だ。



「ねぇ、とりあえず宿を探さない?」


「金はあるのか? ちなみに俺は天下無双の無一文だぞ? 」


「旅してるんだから持ってるんじゃないの!? あんな凄い乗り物持ってるんだから相当な冒険者だと思ったのに」


「仕方ないだろう。とにかく金を稼がないといけないからギルドに行こうぜ。ところでここのギルドがどこにあるか知ってる?」


「知らないわ」


「適当にその辺の人達に聞いてくるか」



 そこら辺に歩いていた人にギルドの場所を尋ねると今いる道を真っ直ぐ突き進むと行き当たりにあるとのこと。御礼を言いカーラと共にギルドへと向かう。道中カーラが客引きに捕まって大変だった。



「ようやく着いた」


「結構かかったわね」


「お前が変な客引きに捕まらなかったらもっと早くに着いてたわ!」


「だって、仕方無いじゃない! あんなのどうやって対処すればいいか知らなかったんだし!」


「あー、はいはい。とりあえず中に入るぞ」


「あっ、待ってよ!」



 ギルドの中に入ると酒の匂いが漂ってくる。こんな明るい内から呑んでいる奴等がいるようだ。とにかく酔っ払いに絡まれない様に慎重に進もうとしていたら早速カーラが絡まれていた。



「へへっ、お嬢ちゃん中々可愛いじゃねえか? どうだ、この後俺と遊ばねえか?」


「遠慮しておくわ。貴方お酒臭いしそれに顔が好みじゃないもの。後、息臭いからそれ以上近付かないで」


「テ、テメェ……ガキだからって容赦しねえぞ」



 ガキ相手に本気になるなよ。


 まあ、口が臭いのは事実だからな。



「ショウ、やっつけちゃって」


「おいおい、人任せかよ」


「当たり前でしょ! こんなか弱くて可愛い女の子にやらせる気?」


「図太い神経してるぜ。まあ、下がってろ」



 カーラの前に出て酔っ払いと対峙する。酔っ払いはいきなり顔面目掛けて殴り掛かって来るがその手を掴み勢いに任せて背負い投げをお見舞いする。酔っ払いは天井を見上げる形になりしばらく惚けていたが立ち上がると同時にまたも殴り掛かって来る。



「少しは学習しろよ」



 同じ要領で背負い投げをお見舞いするが先程の様に背中から落とすのではなく頭から床に激突させて気絶させる。これでようやく大人しくなった。そのままカーラを連れて受付嬢の所に行くのだが受付嬢の所には人が沢山いたので横の受付のおっさんに切り替える。



「どうも初めまして」


「当ギルドの利用は初めてでしょうか?」


「いや、一応冒険者なんですけどこのステータスカードって使えますかね?」



 俺が取り出したのはエルバースで使っていたステータスカード。それをおっさんに渡して聞いてみるとおっさんは少し待つ様に言うと奥へと消えていった。



 使えなかったらどうしよ。



さて、新しい街と新たなヒロインですね。


では次回〜!

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