誤解を招いたアホな作戦
レストランに着き飯を頼んだのだが………。
「おい、シェフを呼べ!! 俺様をバカにしてんのか!? 俺様は魚料理を頼んだんだぞ!! それがなんだこりゃ!!! こんな小魚で俺様に満足しろって言うのか!」
料理を運んで来たウエイターさんに怒鳴り散らし始めるクロ。ウエイターさんはペコペコと頭を下げて謝罪をしてどうしてこんな料理なのかと理由を話してくる。
「じ、実は盗賊達に根こそぎ材料を取られてしまいまして、今お出しできる料理が精一杯なんです」
「ああ!? んなこと知るか! こちらとら腹が減ってんだよ!! 言い訳してねえでテメェらで材料を仕入れてくりゃいいじゃねえか! そもそもなここは飯を食べる所だろうが! お客様を満ぞモゴモゴ」
「いいから黙れアホ。いや〜すいません。うちの猫ちゃん口が悪くて」
「いえ、その猫ちゃんの言う通りでございますから」
いや、言う通りって言ってもほとんどが盗賊の所為なんだから別に謝る必要はないのに。ウエイターさんはもう一度頭を下げてキッチンの方へと消えて行った。クロの口を塞いでいる手をどかして自分の料理を食べようとするが、やはり貧相なものだ。これでは満腹どころか余計にお腹が減ってしまうだろう。まあ、仕方ない、この際文句は盗賊にでも言ってやろう!
ご飯を食べ終えて会計を済ませようとしたのだが……
「お客様、これはお金なのでしょうか?」
「えっ? Wじゃ無いの?」
「ウェン? すいませんがお客様、こちらではYしか扱っておりません」
「ヤェン!? なにその単語」
「あ、あのショウさん、もしかしてYをお持ちで無いのですか?」
「うっ………持ってないです」
「そ、そうですか。ならここは私がお支払いしますよ」
「い、いや、悪いですよ」
「ではお支払い出来ますか?」
「………出来ません。マジごめんなさい」
どうやらこの大陸ではWではなくYが通貨のようです。結局のところハルさんに全額お支払いして貰い店を後にする。まずはこの恩を返さないといけない。と言うことでハルさんにギルドの場所を聞いてみることにした。
「すいません、ハルさん。ちょっとお聞きしたいことがあるんですけどこの街のギルドはどこにありますかね?」
「ギルドですか? ええっと、その、この街にはギルドは無いですよ」
「えっ? いやいや、ギルドって全ての街にあるんじゃ無いんですか!?」
「えっとショウさんってこの大陸についてどこまで知ってますか?」
「……全くもって存じ上げません」
「もしかしてショウさんってエルバースから来たんじゃ………」
「よく分かりましたね! 」
「………いえ、冗談で言ったんですけど。まさか本当にエルバースから来たんですか?」
「え、ええ、そうですけど何か問題が?」
「そのぉ………エルバースは前人未踏の未開の地なんですよ?」
「えっ」
「エルバースは海も空も強力な魔物がいるせいで誰もエルバースへと到達した事は無いんです。ましてやエルバースから人が来るなんて事は一度たりともありませんでした。ショウさんって何者なんですか?」
「冒険心溢れる青年です」
「………あまり深くは聞きませんよ。ところで先程出してたお金はエルバースのものですか?」
「ええ、そうですよ。まあ、この大陸では使えないみたいですから全く意味無いみたいですけどね。だからお金を稼ぐ為にギルドに行きたいんですけどもここには無いんですよね?」
「そうですねこの街にはギルドはありませんがこの街から遠く離れた所にある街にはギルドがありますよ。でもここからだと馬を使っても3日は掛かりますよ。それにショウさんがエルバースから来たのならギルドの形態が違うじゃないでしょうか?」
「確かに………どうしたらいいすかね?」
「そうですね。とにかくギルドに行くしか無いですね」
ふむ、どうやらギルドに行く以外の方法は無いみたいだ。とにかくお金を稼がないと旅の資金が無い。それにハルさんにお金を返さないといけないしな。
教会に帰るとクソガキ共が目を覚ましておりはしゃぎ回っていた。クソガキ達の中にナツさんがいた。クソガキ共に振り回されている。あんな強面の兄ちゃんが良いようにされているのを見てると不安になってしまう。
振り回されていたナツさんがこちらを見て固まる。なんで固まっているのか不思議に思っていたらナツさんの肩がプルプルと震えるとブチ切れた。
「貴様、ハルを無理矢理連れ回していたのか!」
「いえ、そのようなことは」
「覚悟は出来ているんだろうな……?」
おうふ、お話を聞いてくれません。
殴り掛かってきたので躱して逃げようとしたら足を掴まれる。足元を見てみたら子供達がしがみ付いている。振りほどいてもいいのだがこの様な子供達を無理矢理振りほどくのはマズイ。ナツさんの方に振り返るともう手の届く範囲にまで来ていた。
ああ、これは直撃だな。
ナツさんの右ストレートが頬に決まり派手に吹き飛ぶ。どうやら魔力も何も込めてないようだったのでほぼノーダメージだった。てか、なんで殴られたのか理解できない。
もしかしてこの人………ハルさんの事が妹としてでは無く好きなんじゃね?
カマをかけて見ましょう。
「合意の上でのデートっすよ?」
「な、何っ!!! で、デデデデートだと!?」
「そうっすよ」
「そ、そんな……」
分かりやすいなこの人は。
「何を言ってるんですかショウさん。ただ一緒に食事に行っただけじゃないですか。兄さんも勘違いしないでください」
「そ、そうか! また早とちりだったか」
うぅむ、つまらんな。
俺は立ち上がり出て行こうとしたらハルさんに止められた。一文無しの俺を今日は教会に泊めてくれると言ってくれた。お言葉に甘えて泊まることにした。
晩飯の時にナツさんがハルさんにめちゃくちゃ質問してた。なんか俺に何かされたかとか俺の事をどう思っているのかと聞いていた。もう好きなのバレバレやん。
ハルさんはナツさんのことをどう思ってるんだろうか?
でも質問されてた時に好きな人はいるみたいな事を言っていた。食事中よくよく観察していたらハルさんの視線がナツさんに向けられていたことに気が付いた。どうやら両思いらしい。
多分今の関係を壊したくないとかだろうな。
もうお約束ですね。
晩飯を終えて寝る事になったのだが……
「ふん、貴様がハルを襲わないと限らないからな。俺が監視をする」
野郎と寝ることになるとは。
ナツさんは俺より先に寝てしまって監視どころではない。というかナツさんのいびきが酷すぎてまともに眠れもしない。結局俺は寝不足になりました。
朝目が覚めて教会を出て行く。お別れの挨拶も無しに出た行くのは失礼だと思ったが気にはしない。とりあえず次の街に行きたいから地図を取り出し道を確認する。道を確認して出発しようとしたがお腹が減ったので朝食を取ろうと思い森の方へと行く事にした。森を抜けて海岸に出ると異空間から食料を取り出して軽い朝食を作り食べる。
「ふぅ……」
一息ついていたら街の方から爆発音が聞こえて来る。
「嫌な予感がビンビンするぜ!」
コーヒーを一気飲みして街の方へと向かう。街へと辿り着くと教会の方から悲鳴が聞こえて来る。教会の方へと行くとナツさんが槍を持ち片膝を付いていた。ナツさんの前方には盗賊達と子供達がいる、どうやら盗賊達は子供達を人質に取っているようだ。
「くっ……子供達をどうするつもりだ!!」
「そんなの決まってんだろうが、売るんだよ。この年齢のガキ共なら高く売れるんだよ。物好きには堪らないからな」
「くそ! 外道めぇえええええ!!」
ちょっナツさん今のあんたが行ってもやられますよ。
「へっ、まだ懲りねえのかよ。オラアッ!」
「ぐあっ!」
盗賊に簡単に吹き飛ばされるナツさん。どうやらあの盗賊達はかなりの実力らしい。あのナツさんがあんなにも簡単に吹き飛ばされるなんて。吹き飛ばされたナツさんはもう一度立ち上がり盗賊達に突撃しようとする。
このままだと、ナツさんが殺される。
仕方ない。
嫌われると思うが……。
いや、絶対に嫌われるだろう。
「オラァッ!!」
「うごっ!」
突撃していたナツさんを蹴りでぶっ飛ばす。ちょっと強めに蹴ったから気絶しているだろう。瓦礫と化した教会に吹き飛び気絶するナツさんにハルさんが駆け寄る。安否を確認して気絶とわかり俺に振り向き怒鳴り散らしてくる。
「一体何をするんですか!!!」
とりあえず無視をしてと。
「盗賊の頭は誰だ?」
「ああ? 俺だが?」
一歩前に出てきたのは先程ナツさんをぶっ飛ばしていた男だった。よく見てみるとあいつが背中に担いでる大剣から尋常じゃない魔力を感じる。多分アレのおかげでナツさんを圧倒出来たのだろう。
だがここは!!
「俺を仲間にして下さい!!!」
「なっ!」
「ほう? 面白え。いいぜ、ただし条件がある。そこで眠っている男を殺せ」
「それでいいのか?」
「ああ、早くしな」
俺はゆっくりと振り返りナツさんの方へと歩いて行く。ハルさんはナツさんの前に立ち両手を広げ守るようにして俺を睨み付ける。
「ショウさん、やめて下さい!! お願いですから考え直してください!!!」
「悪いが俺は強い者の味方なんだ」
「そんな……」
ハルさんを躱して気絶しているナツさんに近付き、俺は剣をナツさんに突き立てた。
「あ、あぁあああああああ!!!」
ハルさんは目の前の現実が受け入れられないらしくその場に崩れ落ちる。俺は剣を離して盗賊の団長のところへと行き跪く。
「これでいかがでしょうか?」
「気に入ったぜ。お前は今日から俺の仲間だ。よし、テメェらガキどもを連れて帰るぞ!!」
盗賊の団長が他の団員に指示をして動き出す。子供達は馬車に無理矢理乗せられる。ていうか、盗賊のくせに馬車なんか持ってるのか。随分と立派な盗賊団だこと。子供達を全員乗せ終わると街を出て行く。
俺はその後に続こうとしたら後ろから罵声を浴びる。仕方のないことだ。平気で人を殺して盗賊の仲間入りをするような人間なんだから。
「この悪魔!!」
「外道が!!」
「お前なんて人間じゃない!」
「あの時殺せば良かった!」
無視をして歩き出そうとした時――
「兄を返してよ!! 貴方なんてあの時庇わなければよかった!!! この人殺し!!!!」
ああ、やっぱり辛いもんだよな。
美人に言われると余計に来るものがあるぜ。
俺は振り返る事なく盗賊達について行った。馬車の中から子供達の泣き声が聞こえて来るが今は慰めてやることは出来ない、寧ろ俺が慰めに行こうとしたら殴られるんじゃないだろうか。何しろ子供達の大好きなナツさんを剣でぶっ刺したんだから。
しばらく荒野を歩き続けると前方に山が見える。山の中へと入っていき進んで行くと洞窟が見える。盗賊の団長は洞窟の中へと入って行きそれに続く。どうやら、ここが盗賊達の住処のようだ。住処に着いたら子供達を馬車から下ろして奥にある部屋に閉じ込めた。
さて、後は子供達助けて逃げるかな。
子供達を奥の部屋へと押し込んだ後、盗賊達は浮かれてるのか宴会を始める。酒を浴びるように飲んで酔っ払いの集団の出来上がりだ。なんかこうも上手くいくと不気味な感じだ。でも楽で良いから問題無しとしよう。
とりあえず次々と気絶させて行き酔っ払ってる団長に背後から手を掛けようとした時団長が振り返り蹴りを放って来て慌てて腕でガードする。
「成る程な、テメェ最初からこれを狙ってたって訳か」
「よく気づいたな」
「生憎俺には危機察知があるんでな」
チッ。面倒なスキル持ちで。
団長は背中に担いでいた大剣を抜き去りこちらに走り振り下ろしてくる。紙一重で避けると空いている脇腹に蹴りをお見舞いすると団長は横に吹き飛び気絶してしまう。呆気なさ過ぎた。団長を気絶させたので子供達を助けに奥の部屋へと向かう。
奥の部屋の扉を開けて子供達に話しかける。
「よう、助けに来たぞ」
「何が助けに来たぞ、ですか! よくもナツ兄さんを!」
1番の年長者の子が睨み付けながら怒鳴って来る。他の子達も同じ様に睨み付け罵倒してくる。まあ、当然の反応だから気にはしない。
「ああ、すまんすまん。とりあえずお前ら逃げるぞ」
「嘘つきの言葉なんて信じられません!」
そうだ、そうだと他の子達が便乗してくる。困った、実に困った。無理矢理連れて行こうとしたら反感を買ってしまうしな。どうしたものかと悩んでいたら背後に気配を感じ振り返ると団長が大剣を振り下ろして来た。前に転がる様にして躱してすぐさま立ち上がり団長に対峙する。
「へっへっへ。さっきの蹴りは効いたぜ」
「おいおい、あの短時間で意識が戻ったのかよ」
「へへっ、ぶっ殺してやる!」
さっきと同じ様に大剣を上に振りかざし「うおおおお」と叫びながらこちらへと走ってくる。先程と全く同じだ。まるで学習しないバカだと思い躱そうとしたが後ろに子供達がいたのを思い出し慌てて異空間から剣を取り出して大剣を受け止める。
「ぬぐっ!」
かなりの重たい一撃で僅かに態勢が崩れる。この団長思った以上に力がある。舐めていたら殺られる。大剣を弾き返し団長の態勢が崩れた所を剣で一閃する。団長はそのまま前のめりに倒れる。すると団長が握り締めていた大剣が音を立てて砕け散る。
何もしてないぞ?
とりあえず盗賊達を縄でグルグルに縛り上げて行き一箇所に纏める。後は子供達だけかと思うと気が滅入る。まだ怒ってるだろうと思ってたら――
「す、すげぇえ!!」
「カッコいい!!」
「す、凄い……」
「ふわぁ!!」
なんかよくわからんが俺に尊敬の眼差しを送って来ている。どうやら団長を倒したことで信頼を得たようだ。まさに一石二鳥というわけだ。子供達を馬車に乗せて盗賊達も馬車に乗せる。ついでに盗賊達の盗んだ品々とお金を乗せて街に戻る事にした。
ようやく街が見えてきたところで1番の年長者の子を呼ぶ。
「何ですか?」
「いや、悪いけど御者になってくれる?」
「えっ、でも私出来ません」
「大丈夫、やり方教えるから」
そう言って一通り教えた後俺は馬車から飛び降りる。
「あのどこへ!?」
「俺はここでさよならだ。じゃあな!」
俺は手を振り馬車を見送ると地図を取り出し次の街へと向かうのだった。
****
ショウが盗賊達と街から出て行った後、街の人たちはナツを埋葬しようと彼の所へ行くと――
「うぅ……俺は」
「い、生きてるぅううううううう!!!」
「ナツ兄さんんんんんんんんんん!!!」
街の住人全ての心が重なった瞬間であった。
ナツは念の為に医者に刺された部分を診てもらう事になる。そして驚きの診断結果が出る事になった。なんと彼は無傷であり、さらに驚く事に身体の傷が治っていたのだ。医者も何が何だか分からないと頭を痛くする。
診察を終えたナツの所にハルが来る。ハルは慌てた様子でナツに話し掛ける。
「兄さん、た、大変です。こ、子供達が!」
「子供達がどうかしたのか!?」
「か、帰ってきたんです!!」
「な、何? 帰ってきただと!?!?」
「はい!」
大急ぎで二人は子供達のところへと向かう。子供達の所には街の住人達が集まっていた。街の住人達は子供達が乗ってきた馬車の中の品物とお金を運び出している。盗賊達は縛られたままで自分達の現状を見て項垂れている。
子供達がハルを見つけるとハルとナツの所に駆け寄る。
「お姉ちゃん! お兄ちゃん!!」
2人は駆け寄ってきた子供達を抱き締める。子供達は少し苦しそうにしていたがすぐに笑顔になる。ナツは子供達にどうやって帰ってきたのかと問い質す。
「お前達、一体どうやって帰ってきたんだ? それになんで盗賊達が縛られてるんだ?」
「えっとねーそれはー」
「しっ! 秘密にする様に言われてたでしょ」
「秘密? どういうことだ?」
「実はねー、あの黒い髪のお兄ちゃんが盗賊達をやっつけてくれたんだー!! もうね、凄かったよ!! こうビュンって速くて強かったんだよ!」
「こ、コラ! 秘密って言ったでしょ!」
実は子供達にショウは自分が盗賊を倒した事を伏せるように言っていたのである。どうして伏せるのかと言われると本人が言うには隠していた方がカッコいいというアホな理由であるからだ。しかし、子供達はどうしても話したかったようで結局全部バラしてしまったのである。
その事実を聞いてナツとハルは驚愕する。そして、ハルはショウが盗賊の仲間になったのは子供達を助ける為、盗賊達を捕まえる為と分かり、あの時ショウを罵った事を後悔してしまう。
後悔する必要は全く無い。何故ならショウがやった事は誤解を招いて当然なのだから。本人は良かれと思ってやったのだが他人からすれば迷惑なものだ。何せハルにとっては最愛の人を目の前で殺されたと思ったのだから。
子供達は何かを思い出したように馬車の方へと戻って行くと布に巻かれた棒状の様な物を数人がかりでナツの元へと運んで来る。
「これは?」
「え、えっとー、盗賊達の盗んだ物!」
「………本当はなんだ?」
「うっ………」
「それはあの黒い髪のお兄さんがナツお兄ちゃんにってくれた物です」
「俺に? なんだろうか」
子供達から受け取ると布を取って見ると槍だった。その槍はただの槍ではなく蜻蛉切である。この槍は天下三名槍の一つである。有名な逸話としては戦場でこの槍を立てていた所にトンボが飛んできて真っ二つに切れたと言う話がある、ちなみにそれが名前の由来でもある。
ナツは蜻蛉切を手に取りじっくりと眺める。その目は驚きを隠せない目であった。それもそのはず、槍の使い手からすればこの槍がどれ程の物なのか理解出来るからである。
「これ程の槍を俺に……」
「凄いの?」
「ああ、これ程の槍を俺は今まで見たことが無い。まさに名槍と言ってもいいだろう。でも、何故奴はこれ程まで立派な槍を俺にくれたのだ?」
「それはね!」
男の子がナツに小声である事を伝える。ナツはそれを聞くと顔を真っ赤にしてしまう。急に顔が赤くなったナツを見て心配したのかハルが話かけようとするがナツは何でもないと否定する。
男の子がナツに伝えた事は――
「愛する人をその槍で守れって――」
男の子はショウに伝言を頼まれていた。ナツに槍を渡した後そう言うように。
「御伽話のような奴だったな」
「ショウさんですか? そう言えばナツ兄さんが好きな御伽話の勇者に似てましたね」
「ああ、『ひょうきん者の嫌われ勇者』か………。本当にそっくりだ」
****
「アハハハハハ!!! やっぱりあんな雑魚じゃ話にならないか」
黒い空間で幼い笑い声を上げる1人の子供。その子供が見ている先には水晶がありその中にはショウの姿が映っていた。
「フフッ!! 早く会いたいなぁ」
1日かかってしまった。
しかも字数が今までの倍も……。
では次回を!!




