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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第六章 新たなる大陸、そしてぼっち旅

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到着、新たなる大陸ウバル

 ふい〜〜死ぬかと思ったぜお!


 でも何とか大丈夫!



 クロはと言うと海水を大量に飲み込みお腹がポッコリと膨れている。ギャグ漫画なんかで見るようなお腹になっている。とりあえず息をしていないので腹を抑えてやるとピューと勢い良く海水を吐き出す。全部吐き出した事で息を吹き返すクロ。



「大丈夫か?」


「こ、殺す、絶対にテメェを殺す」


「大丈夫みたいだな」



 クロを放置して地図を広げて見るとどうやらウバルに着いたらしい。矢印の点滅がウバルにあるからだ。さてと、問題はこれからどうするかだ。



 とりあえず拡大して見て街か村を探す事にした。どうやらここから遠く無い所にそこそこ大き目の街があるみたいなのでそこへ向かう事にした。



「クロ、行くぞ」


「ま、待て、もう少し休憩させろ……」


「はあ………ほれ」



 クロを肩に乗せて歩き始める。最初はバイクでぶっ飛ばそうとも考えたがいきなり訳もわからない者が来たら警戒されるだろうと思い歩きで行く事にした。



 海岸から森を抜けて荒野に出る。荒野には意外にも道が舗装されており真っ直ぐと街の方へと伸びていた。これを見る限り意外と文化レベル高いのではと思い舗装されてある道を歌いながら歩き続ける。歩き続けること30分、ようやく街が見えて来た。



 うひょおおおお!!!


 待っててまだ見ぬ美少女達よぉおお!!!



 煩悩全開で走り始める俺。肩に乗っていたクロが急な加速により落ちそうになるが必死に肩に捕まっている。何か言っているが今の俺は止まることを知らない。



 うぉおおおおおお!!!



 街へと入ろうかとした時に突然目の前に槍を持った強面の兄ちゃんが立ち塞がる。慌てて止まろうとするも勢いを殺し切れずに兄ちゃんに激突しそうになった時兄ちゃんは大声を張り上げてくる。



「また来たか盗賊め!! 覚悟しろぉお!!!!」



 そう言うと兄ちゃんは槍て突いてくる。その突きを上体を逸らして躱すがあまりの勢いの為そのまま倒れてブリッジをしてしまう。兄ちゃんは槍を引くとまたも突きを放ってくる。片足で槍の穂先を蹴り逸らして見せたが兄ちゃんはそれを利用して槍の柄で股間に大打撃を決めてきた。



 まだ未使用なのに………。



 そこで俺の意識は途切れた。いきなり水をぶっかけられて目を覚ますと縄でグルグルに縛られておりさらに街の人達だろう人達に囲まれていた。なんか畑道具で見るクワや鎌を構えていた。



 俺が何をしたっていうの!?!?



 横を見ると何故かミノムシ状態になっているクロが寝ていた。呑気なものだと呆れていたらいきなりクロへと複数の手が伸びる。何事かと思い見てみると数人の男の子と女の子がクロを振り回し始めた。



 やめろ!!


 俺の相棒なんだぞ!!



 と思ったが口には出さずに見守る事にした。そしていきなり振り回されたクロは目が覚め雄叫びを上げる。



「うにゃぁああああああ!! て、テメェらやめろ!」


「うわっ、こいつ喋った!」


「いいから振り回すのやめろ! ちょっ、マジで止めろ。ウプッ………やばい吐きそう」



 クロがそう言うと子供達はクロを下ろす。そして一斉に離れる。それもそうだ、いきなり吐かれるのは誰だって嫌なもんだ。



「バカめ! 嘘に決まってんだろうが!」


「なっ、騙しやがったのか!」


「ふっ、所詮は餓鬼よ!」


「この野郎!!」


「うにゃぁああああああああああ! 止めろ!! て、テメェら動けない猫を振り回すとか正気か!」


「へへーんだ。嘘つきにはこれくらい」


「止めなさい!!」


「ヒッ! ハル姉……」


「猫ちゃんが可哀想でしょ! 今すぐに下ろしてあげて縄を解いてあげなさい!」


「は、はぃい!」



 子供達は女性に怒鳴りつけられクロの縄をせっせっと解いていく。ついでに俺の縄も解いて欲しいなぁと囲んでいる人達に意味ありげな視線を向けると今にも襲い掛かって来そうな表情になる。



 怖たん。


 誰か助けて欲しいお……。



 俺の願いが届いたのか囲んでいた人達の間から1人の男性が出てくる。その人は俺の股間を潰しにかかった強面の兄ちゃんだった。



「おい、盗賊。この街に何をしに来た?」


「いや、あの俺盗賊じゃ」


「黙れ、質問に答えろ」


「わかりましたから槍を向けないで」


「さっさと答えろ」


「そもそも俺は盗賊なんかじゃ」


「今すぐに死ぬか?」


「本当にすいません。でも俺は盗賊じゃ無いんです」


「ほほう、あくまでシラを切る気か………。ならお前に用は無い、死ね!」



 話を聞かないのはこの世界共通なのでしょうか?



 ひょいと首だけを動かして槍を躱す。連続で放ってくる突きをひょいひょいと躱す。顔面ばかり狙って来るから躱すのが本当に楽だ。ひょっとしてこの兄ちゃん実力はあるけど脳筋なんじゃないか?



「き、貴様……」



 ヤバイ。顔真っ赤にして怒ってるわ。


 こりゃ死んだな。



「兄さん!!! 少しはその人の話を聞いてあげたらどうですか!?」


「ハル!? いや、しかし、こいつは!」


「話を聞かないのは兄さんの悪い癖ですよ! 大体その人のどこが盗賊に見えるんですか?」



 そうだそうだ!


 もっと言ってやれ!



「こ、こいつは急に森から来たんだ! それだけで十分盗賊だ!」



 ナンテコッタ。



「はぁ………それなら森から来た人は全て盗賊なんですか?」


「そうだ!」


「バカですか!!! そんな事言ってたら旅人の皆さん全てが盗賊じゃ無いですか!!」


「そ、それは」


「とにかく、その人の縄を解いてあげて下さい!」


「う、うむ」



 強面の兄ちゃんはハルと呼ばれるちょい美人に言い負かされて俺の縄を解いてくれる。解いてくれるのはいいけど小声で脅してくるのはやめて欲しい。



 ようやく解放された俺はハルと呼ばれた女性に連れて行かれる。



 期待していいのかな!?!?!?

新章突入でーす。


では次回を!

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